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学芸員コラム Vol.1 「長崎学ってなに?」

更新日:2023年11月22日 ページID:040866

「長崎港之図」(長崎歴史文化博物館所蔵)
「長崎港之図」(長崎歴史文化博物館収蔵)

Vol.1 「長崎学ってなに?」

長崎市長崎学研究所では、このたび、長崎の歴史文化に親しむきっかけのひとつとしていただくことを目的に、コラムの配信を始めました。コラムは、長崎学や長崎学研究所・学芸員の仕事などを主な内容として、月1回程度、配信する予定です。
第1回は、わたしたち「長崎市長崎学研究所」の名前についている「長崎学」のことを紹介します。「○○学」と書かれていれば、何となく、その場所がテーマの学問なんでしょ、と連想くださる勘の良い方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、地域の名前を冠したいわゆる「地域学」は日本に多数あります。では、われらが長崎学の研究対象や特徴はどんなものでしょうか?

長崎学誕生のころをひも解くと、長崎市域のなかでも江戸時代、長崎奉行・代官が管轄した天領・長崎がその中心にありました。これには、1571年(元亀2)にポルトガル船の入港に伴い開港されたのち、長崎が江戸時代に唯一、幕府が公に開いた中国・オランダとの貿易港となった、という背景があります。そこには国内外との様々な交流や、今日でも人々を魅了してやまない異国情緒が織り込まれています。そのため、長崎市域にとどまらず、日本国内、さらには海外まで視線が伸びているのが、長崎学の大きな特徴といえるでしょう。

また、近年、長崎を物語る歴史資料は、古くは旧石器・縄文時代、新しくは長崎原爆遺跡など、近現代まで厚みを増しています。人類どころか地球規模までさかのぼれば、恐竜化石の時代だってあります。さらに平成の大合併に代表される市域の拡大もあり、「長崎」と呼ばれる地域も広がりました。
2015年(平成27)に、長崎市の歴史文化に関する総合的な方針や方向性を示すマスタープランとして策定された『長崎歴史文化基本構想』では、長崎市の歴史文化の特性を示す9つのキーワードと26のテーマが設定されています。

歌は世につれ、世は歌につれ。長崎学の範囲も、時代に伴って変化しているのです。
次回は、長崎学研究の先人たちについて見ていきましょう。

【参考】長崎市歴史文化基本構想はこちら

(長崎市長崎学研究所 学芸員 田中 学)

お問い合わせ先

文化観光部 長崎学研究所 

電話番号:095-818-8388

ファックス番号:095-818-8377

住所:〒850-0007 長崎市立山1-1-1(長崎歴史文化博物館研究室)

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