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断層の時代

更新日:2017年8月1日 ページID:030113

ホッとトーク 今年も8月9日に平和宣言を読み上げます。
 長崎の平和宣言は、ご存じのとおり起草委員会方式をとっています。15人ほどの委員のみなさんの意見を聴きながら宣言文をつくっていくのですが、ここ数年は若い世代のかたにも委員になってもらっています。
 若い世代の意見は、毎年、宣言文に新しい風を吹かせてくれています。たとえば数年前に「原爆は廃絶しかない、という結論から教えないでほしい。事実を教えてもらって、自分たちで考えたい」という意見がありました。委員のみなさんがうなずきながら聴いていたのを覚えています。
 今年の起草委員会でも、心に残るやり取りがありました。被爆の状況を述べた文案に対して、若い委員さんが「無機質に感じる。まったく伝わってこない」という意見を述べてくれたのです。起草委員会の様子
 それに対して、別の委員から「どこがどういうふうに無機質なのか、教えてください」という質問が出ました。それに対して若い委員さんは、「家族がいて、友達がいて、という今の生活が戦争によって失われる、というところから入らないと、悲惨すぎる状況だけでは、テレビや映画のようで、逆に戦争のリアリティが伝わらない」という説明を、言葉を選びながら丁寧に話してくれました。
 この意見はとても心に残りました。世代によって言葉の感じ方が違うのではないか、と。これからの平和宣言のあり方を考えるうえで重要な材料になると思います。
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 6月の「ちゃんぽんミーティング」で、青年団、青年部、青年会といった活動をしている若い世代と話をしました。ここでもいろいろな意見が出ました。活動がうまくいくパターンの一つは、「年下の意見を上の世代が上手に取り上げる。やらせてみる。そして応援する」というものでした。世代間の関係とコミュニケーションのあり方が、とても大切なカギを握っていることが分かりました。
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 現代は、戦争を体験した世代と、高度成長の中で育った世代と、低成長の中で育った世代が一緒に暮らしている時代です。私のようにビー玉やあやとりで育った世代と、生まれた時には家にインターネットがあった世代では「原体験」が違うように思います。
 「20代の後輩の考え方が自分たちとは違う」と30代が言っているのを聴いたことがあります。若い世代の中でも、さらに何層にも分かれるほど変化の激しい「断層の時代」なのだと思います。それは言い換えれば「多様性の時代」でもあります。
 「多様性」とどう付き合っていくのか。
 「多様性」をどう活かすのか。
 長い間、海外との付き合いを体験してきた長崎は、他のまちと比べると、市民性の深いところで、多様性との付き合い方、活かし方を知っているような気がします。

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