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新長崎市史

更新日:2012年4月1日 ページID:021343

ホッとトーク

  「新長崎市史」全4巻のうち、第2巻「近世編」が発刊されました。どうしてもしなければならない仕事の一つだと思っていたので、多くの専門家や市民の皆さんの力で発刊に至ったことを、とてもうれしく思います。
 前に発刊された「長崎市史」は、大正8年から昭和13年までに編さんされたものでした。長崎学の泰斗(たいと)である古賀十二郎先生が執筆された「風俗編」など非常に評価の高い市史でしたが、当初予定されていたすべての編が刊行されたわけではありませんでした。その後、「市制50年史」「市制65年史」の刊行はされたものの、長崎市は、時代の流れにそって体系的に整理され、完成した通史をまだ持っていなかったのです。
 世界史や日本史の中で大きな役割を果たし、その歴史がつくりあげた資産を活かして観光都市として発展してきた長崎にとって、いまだ持たない通史の発刊は長年の懸案でした。それがようやく実現しようとしています。
 「新長崎市史」は全4巻。第2巻が最初に刊行され、第1巻「自然編、先史・古代編、中世編」と第4巻「現代編」は、平成24年度中に発刊の予定。残る第3巻「近代編」も、平成25年度中の発刊を目指して、精力的に執筆していただいています。
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 昨年、オランダのライデン市にあるシーボルトハウスを訪れました。ここには、シーボルトが日本から持っていった資料のうち国立民族学博物館所蔵の中から約800点が展示されています。
 その中には、歯ブラシや鉋(かんな)など江戸時代の実用品だったものが数多くあります。おそらく当時の日本人にとっては、あまりにも当たり前で、収集欲を起こさせない物だったろうと思います。それがこうしてヨーロッパに渡り、今は日本にも残っていない貴重な証人として、日本の歴史を伝えてくれています。
 自分のまちの歴史をひもとき、歩んできた道を振り返ることは、それと同じように、身近なわがまちを見直し、その価値と可能性を再発見することにつながるでしょう。
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 大正14年に発刊された「長崎市史・風俗編」に「長崎人気質」という項があります。歴史が長崎人の気質にどんな影響を与えたのかを分析した文章は、こう結ばれています。
 「長崎人はおおむね伝統的に人情敦厚(とんこう)である。そして伝統的消極をことごとく脱却していないようである。時勢は変遷している。人情敦厚の人生に最も大切なる真意義を新たに感悟(かんご)すべき時期はすでに熟している。過去の制度によりて発生せる伝統的消極は、過去の制限の撤廃と共に無意義となっているはずである」。
 鎖国前の長崎人は海外に雄飛(ゆうひ)していた。それが鎖国になり、貿易、宗教などの制限が続き、長崎人を消極的にさせた。しかし、時代は変わっているのだ。今こそ海外の人とも分け隔てなく付き合う人情の厚さを積極的に活かす道を歩もう。長崎人を消極的にさせたさまざまな制限はもうなくなっているのだ。……まるで「世界都市ナガサキ」を目指す現代の私たちを励ましてくれているような言葉です。
 私たちが「長崎市史」から学ぶように、「新長崎市史」もきっと長崎の未来への道標(みちしるべ)となってくれることでしょう。

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