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前進の一年に

更新日:2012年1月1日 ページID:021340

ホッとトーク

 昨年11月に、平和市長会議の理事会出席のためスペインを訪れたとき、バルセロナで外尾悦郎さんと会いました。
 外尾さんは、有名なサグラダ・ファミリア(聖家族教会)の建設に、もう35年も携わっている彫刻家で、お会いするのは数年前に長崎で会って以来2度目です。外尾さんの話にはとても含蓄があるのですが、今回の出会いでも、私は多くのことを学びました。
 百数十年にわたって建設が続いているこの教会のことを説明する時に、外尾さんが一番多く受ける質問は「教会はいつ完成するのですか?」というものだそうです。確かに聞きたくなりますね。
 その質問を受けた外尾さんは「あなたはいつか完成しますか?」「世界はいつ完成するのでしょう?」と聞き返すそうです。「完成しないですよね」と、外尾さんは穏やかに笑顔で話してくれました。
 私たちは完成しない。世界も完成しない。完成しない世界を生きている。
 その当たり前のことに、改めて気づかされたような気がしました。
 サグラダ・ファミリアを設計した建築家のアントニ・ガウディは、建築に携わる職人に「諸君、明日はもっといい仕事をしよう」と声をかけたといいます。もっといい仕事をしよう……そんなふうに一歩前へ進もうとすることが、人間にできること。その生き方そのものが神に寄り添う、神に近づくということなのだ、と私は解釈しました。
 もう一つ、私の勝手な解釈で言えば、教会のような場所は、そこを訪れる人の心が加わって完成するのだから、建物だけでは完成ではない……そんなふうにも考えられると思いました。
* * *
 完成しない世界を、私たちは駅伝のようにずっとタスキを受け継ぎながら生きています。次の世代に少しでもよくして渡そうと。
 東日本大震災と原発事故が起きた平成23年は、そのことを強く考えさせられた年でした。
 人と人とのつながりという「見えないセーフティネット」がどれほど大きな力を持っているかを実感した年でもありました。
 ボールが網に入っている様子を思い浮かべてください。その網が、人と人とのつながりというセーフティネットです。長崎は、目に見えないセーフティネットでしっかり覆われたまちでありたいと思います。そういう思いで、コツコツと自分の周りに網の目を紡いでいる人が、長崎には大勢います。つながりを弱くする動きも絶えませんが、私たちは自信をもってつながりを紡ぐ方向に進みたいと思います。
* * *
 新しい年の始まりです。
 昨日より一歩前へ進もう。そんな思いで毎日を過ごし、力強く前進する一年にしたいと思います。

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