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2007/06/04 九州新幹線西九州ルート早期着工決起大会市長挨拶

更新日:2007年6月4日 ページID:021204

 九州新幹線西九州ルートについて、市民・県民の中にさまざまな意見があることはご存じのとおりです。
 そして、その議論が、時間短縮や料金の話になりがちなのも事実です。私は、長崎市長として、もう少し長い目で新幹線を見る二つの視点についてお話をしたいと思います。
 まず一つ目が「長崎の過去」という視点です。
 わが長崎市が歴史の表舞台に登場するのは、今から440年ほど前のことです。ポルトガル船がやって来て、長崎を港として使わせてほしいと申し出、当時の領主大村純忠の了解を得ました。そして、急いで今の県庁あたりに6町をつくったのが、長崎の華やかな歴史の始まりです。
 つまり、長崎は、海から開かれ、「海のルート」を通じて栄え始めたまちということであります。やがて貿易が盛んになり、出島ができ、唐人屋敷ができました。オランダや中国から船が入って来ないと、長崎の町はそれこそ「商売あがったり」でした。
 幕末になって鎖国が解けると、今のグラバー園あたりに外国人居留地ができ、貿易船がやってきました。やがて、ロシア船が港いっぱいにやって来る冬場の寄港地としても栄え、また上海航路の港としても栄えました。長崎にとって「海のルート」は大事な命綱だったのです。
 もう一つ、この「海のルート」とともに重要なのが「陸のルート」です。
 長崎から小倉までの「長崎街道」は、医学などの最先端の文物だけでなく、砂糖を運んだ道として「シュガーロード」とも呼ばれます。そしてこの道は何よりも、志を持つ多くの人材が通った道でありました。
 長崎は、この海のルートと陸のルートがつながる結節点に位置し、「交流」することで栄えてきたまちです。「交流で活きるまち・長崎」という性格はおそらくこれからも変わらないでしょう。なぜなら、それは長崎最大の「強み」だからであります。
 そして、これからも「交流」を柱とする限り、陸ルートであれ、海ルートであれ、空ルートであれ、より有効なルートを持つことは、長崎のために大変重要なことであります。
 九州新幹線西九州ルートを長い歴史の中で見るとき、私たちは「交流のまち・長崎」のために、新しく太いルートを手に入れようとしているのだという見方をすべきだと思うのです。
 もう一つの視点は、「長崎の未来」という視点です。
 「新幹線という道具を活用するとき、長崎の未来をどう描くのか?」そして「もし新幹線という道具を拒否するとしたら、私たちは長崎の未来をどう描くのか?」
 私たちは、新幹線という道具に目を奪われて、このことについて十分には議論してこなかったかもしれません。
 ストロー現象が拡大するのではないか、いや、ストロー現象はすでに起きているからさほど拡大はしない、とさまざまな議論があります。
 それも大事なことだと思いますが、私は何よりも大事なのは、「交流のまち・長崎」の未来をどう描くのか、ということだと思います。それは、これまで培ってきた「強み」を活かして、いかに人がやってくるまちにするか、ということでもあります。
 私たちは今、その戦略をどう描こうとしているのでしょうか。
 昨年行われた「長崎さるく博''06」は、歴史があり、文化があり、イメージがよく、親切な市民が多いという「強み」を活かそうという戦略でした。
 強みを活かすことは、成果を生むためにはとても大事なことです。また、時代の流れを読むことも大事です。
 実は「日本ではじめてのまち歩き博覧会・長崎さるく博」は、今という時代だからウケたのです。高度成長時代の、みんなが走っているあわただしい時代には、ほんの一握りの人にしかウケなかったでしょう。
 そして、まち歩きが観光の一つの流れになる、その少しだけ前に「まち歩きのまち」をアピールすることで「目立とう」という戦略でもありました。こういった戦略は、未来のためには欠かせません。
 交流のまち・長崎が、未来に向けた戦略を立てようとするとき、私はまず、東アジアとの交流がこれから盛んになること、特に中国からの観光客の増加を考えなければならないと思います。
 まず長崎に着いて、そこから福岡や京都に行く、あるいは逆の順にめぐるというとき、パンフレットの日本地図に長崎が載るか、そして京都や福岡と太い線でつながれているかどうか、は、大変重要な問題だと思います。
 もちろん、戦略を立てるときの材料としては、アジアからの観光客誘致はほんの一例です。
 私たちは、未来への戦略を考えるとき、新幹線という道具を上手に使う必要があると思うのです。私たちは、今という時代を生きているので、どうしてもそれにとらわれがちです。
 「交流のまち・長崎」の歴史の中で、これまで築き上げてきた強みをどう活かすのか、そして、どういう未来を子供たち孫たちに残すのか。
 長崎の過去と未来という二つの視点から見てみることは、とても大事なことだと思います。それを考えるとき、多くの市民の皆さんに「新幹線という道具を使いましょう、活かしましょう」ということを、呼びかけていきたいと思います。


 

平成19年6月4日
長崎市長 田上 富久

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