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施政方針(平成30年2月21日)

更新日:2018年2月21日 ページID:030917

平成30年度施政方針

平成30年2月21日、平成30年第1回市議会定例会の冒頭において、田上富久 長崎市長が市政運営に対する所信を述べました。

目次
1 はじめに
2 平成30年度の予算編成
3 平成30年度の主な取組み
(1)個性を活かした交流の拡大
(2)平和の発信と世界への貢献
(3)地域経済の活力の創造
(4)環境との調和
(5)安全・安心で快適な暮らしの実現
(6)ともに支え合い、いきいきと暮らせる地域社会の実現
(7)創造的で豊かな心の育成
(8)多様な主体による地域経営
4 おわりに

1 はじめに

明治維新から今年でちょうど150年になります。

150年前の長崎は、長く続いた「出島の時代」から新しい「居留地の時代」へ移ろうとしていました。まさに、大きな時代の転換期でした。

それに匹敵する、次の大きな変化の時期は、戦後でした。価値観が大きく転換するなか、長崎では原爆の惨禍から立ち上がり、まちの再建に懸命に取り組みました。

そして今、また大きな変化の時代が訪れています。

グローバル化やICT化、生活環境・産業構造の変化、価値観の多様化など、日々の生活の中でも、時代の変化を実感できるほど、その変化は速く、顕著に現れています。

この変化の様相を、長崎大学のご卒業で、日本経済界の重鎮である福地茂雄さんは「現代は、あらゆる分野で、速いスピードで、奥行きが深い、変化が起きている時代だ」と表現されています。

それらの変化の中で、私たちの暮らしや社会にとっての最大の問題は急速な人口減少であり、少子化・高齢化などの人口構造の変化です。

この変化は、雇用や福祉、子育て、防災、教育、地域コミュニティなど、これからの長崎のまちづくりにとって、最も大きな影響を与えます。

そのため、人口減少の克服と長崎創生の実現に向け、「長崎市まち・ひと・しごと創生総合戦略」をもとに取組みを進めています。

平成30年度は、これまでの取組みの成果を検証し、次へのステップの年になるため、様々な主体とこれまで以上に連携しながら、しっかり取り組んでいきます。

一方で、「長崎市第四次総合計画」のもと、時代や環境の変化に対応して進化していくために、長崎の強みを最大限に活かすこと、長崎に合った暮らしやすさを創り出すこと、その両方の視点を持って、様々な取組みを進めてきました。

なかでも、特に「進化」が必要な分野として「経済」「まちの形」「まちを支える仕組み」の3つを掲げ、それを具体化するために13の重点プロジェクトを推進してきました。

昨年は、およそ130年ぶりに出島に橋を架ける「出島表門橋架橋プロジェクト」が実現し、また、10月には、これからも暮らしやすいまちを支えることができるよう、市役所の仕組みを変える「行政サテライト機能再編成プロジェクト」が形になりました。

今年は、更に複数のプロジェクトについて、その取組みが前進し、これからの道筋を見ることができる、非常に重要な年を迎えることになります。

まず、「経済」については、「世界遺産推進プロジェクト」のうち、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産登録に向けた審議が行われる予定です。登録が認められると、長崎市は日本で初めて「2つの世界遺産のあるまち」になります。これらの遺産を世界の宝として大切に守っていくとともに、長崎のブランドをより高める取組みを推進していきます。

また、「長崎サミットプロジェクト」のうち、長崎駅西側に整備を検討しているMICE機能を中核とした「交流拠点施設」については、今後、優先交渉権者との契約締結に向けて、事業内容を決定します。市民や市議会の皆様には、MICEがもたらす効果やMICE誘致に向けた産学官連携の必要性、今後の財政状況などを丁寧に説明していくとともに、ご意見をお聞きしながら交流人口の拡大による地域経済の活性化に向け、事業を推進していきます。

次に、「まちの形」については、「都市再生プロジェクト」において、長崎の“陸の玄関口”である長崎駅周辺整備事業のうち、九州新幹線西九州ルートについては、新たな整備方針が示され、平成34年度の開業後の方向性が定まっていくことになります。長崎市としては、交流人口の拡大が更に大きく期待される、全線フル規格による整備に向け、長崎県や沿線市と連携して取り組んでいきます。

さらに、JR長崎本線の連続立体交差事業についても、交通渋滞緩和に向けた整備が進み、日に日にまちの景色が変わっていきます。

次に、「まちを支える仕組み」については、一人暮らしの高齢者の増加や地域の担い手不足など、地域によって様々な課題が生じているなか、「地域コミュニティのしくみづくりプロジェクト」において、地域の各種団体が連携し、一体的な運営により地域を支える新しい仕組みの制度化に取り組みます。

そのほか、「市庁舎建設プロジェクト」においては、新庁舎が、市民の交流の場や安全・安心の拠り所となるとともに、まちのシンボルとして、末永く市民に愛される市役所となることをめざしています。

これまで、シンポジウムやワークショップなどを通して、市民の皆さんから多くのご意見をいただくとともに、市議会からいただいた様々な角度からのご意見を踏まえながら、基本設計を進めてきました。

今年は、より詳細な実施設計に着手しますが、引き続き、皆様からご意見をいただきながら、平成34年度の完成に向けて、しっかりと取り組んでいきます。

これら一つひとつの事業が将来の長崎市のまちづくりの礎になる大事業であり、これまで積み重ねてきたものが、目に見えて形になっていく1年になります。

そして、私たちがめざすのは、市民が将来にわたって「暮らしやすさ」「心の豊かさ」を実感できるようなまちづくりです。

お互いに少しずつできることを出し合いながら、支え合って暮らすあたたかい地域づくり、みんなで子どもを育てる仕組みづくり、高齢者が安心して長く元気で暮らせる活動などを、更に広げていきます。

また、長崎のまちに活力を生み出してくれる若い世代の人たちが、将来への夢と希望をもって働き、住み続けることができるまちをめざし、雇用の確保と創出に向けた取組みなどに力を入れます。

併せて、文化やスポーツなどの取組みを通して、市民が元気で、楽しく、心豊かに暮らし続けることができる、長崎のまちにしていきたいと思います。

 2 平成30年度の予算編成

長崎市の財政状況は、これまで取り組んできた行財政改革や市税収入の改善などにより、徐々に好転しています。しかしながら、今後、少子化・高齢化が更に進展し、人口減少の時代が進む中で、将来にわたって健全な行財政運営を行うためには、時代の変化や市民ニーズを的確にとらえ、「選択と集中」によって事業を重点化していく必要があります。

そこで、平成30年度においては、「人口減少の克服」と「交流の産業化」による長崎創生に向けた取組みや、「次の時代の長崎の基盤づくり」など、未来への投資につながる施策を着実に推進するという考え方のもと、予算編成に取り組みました。

特に、喫緊の課題である人口減少対策として、子育て環境の充実や若い世代の地元定着などに更に力を入れて取り組みます。

また、生活道路の整備等、地域の要望にスピード感を持って応えていくための予算を拡充するなど、地域の課題解決に重点を置いて取り組みます。  

3 平成30年度の主な取組み

平成30年度における主な取組みについて、第四次総合計画の体系に沿ってご説明いたします。

(1)個性を活かした交流の拡大

長崎市は、交流都市として450年の歴史を刻み、文化を育んできました。その交流によって培われた個性を徹底的に磨いて価値を高め、新たな来訪者を招き入れることで、モノや人、情報の交流を活性化させ、「21世紀の交流都市」をめざします。

まず、長崎が持つ歴史と文化の価値を高めるための取組みとして、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」については、市民の皆さんと登録の喜びを分かち合うため、パブリックビューイングや登録記念事業を行います。併せて、構成資産等の保存管理や交通対策など、来訪者の受入態勢の更なる充実に努め、世界遺産を活かしたまちづくりを進めます。

また、「明治日本の産業革命遺産」については、構成資産の一つである端島炭坑の保全に向けた本格的な整備を開始するとともに、旧グラバー住宅についても、来園者の安全を確保するため、耐震補強を含めた保存修理工事を実施します。なお、工事期間中は見学用デッキを設置し、工事の様子や建物の外観を見ることができるようにします。

出島については、昨年11月、出島表門橋が完成し、国内外に向けて長崎と出島をアピールすることができました。今後は、「世界とつながる出島」「世界都市ナガサキ」の魅力を発信しながら、長期的視点で、四方が水に囲まれた出島の姿の復元をめざしていきます。

史跡の関連では、日本初の西洋式近代病院である小島養生所の遺構や出土遺物などの展示室を、平成31年度にかけて、建設中の仁田佐古小学校体育館に併設して整備し、その貴重な歴史的価値を後世に継承していきます。同時に、この地で学ぶことの意義を、子どもたちに伝えていきます。

また、今年は、国・地方を挙げて「明治150年」関連行事が予定されており、ここ長崎でも、グラバー園や出島など、市内各所で関連イベントを実施します。その一つとして、薩長土肥、幕府、長崎それぞれの立場から、幕末維新史を研究する第一級の研究者をお招きし、記念シンポジウムを開催します。

次に、景観の魅力を高める取組みとして、昨年3月には、国から全国10都市の「景観まちづくり刷新モデル地区」の一つに指定され、平成31年度までの3ヶ年で、国の重点的な支援を受けながら、景観の更なる魅力向上に取り組んでいます。特に、世界新三大夜景に選ばれている長崎の夜景に更に磨きをかけるため、夜景の質の向上に取り組みます。

今年は、「東山手・南山手エリア」「館内・新地エリア」「平和公園エリア」のライトアップ整備を行い、夜のまちを散策できるスポットを増やすことや、稲佐山からの夜景の魅力を高めるための整備を行うことで、来訪者の満足度を高めます。

また、被爆75周年に向けて、平和公園やその周辺の修景整備を行うとともに、中島川や銅座界隈においても、歩いて楽しい歩行空間を整備し、回遊性の向上と来訪者の増加につなげます。

次に、まちなかの魅力を高める取組みとしては、「まちぶらプロジェクト」を更に推進し、賑わいの再生に取り組みます。

今年は、銅座川プロムナードや土神堂前広場などの整備に向けた取組みを推進するほか、これまでの成果やまちの魅力を映像で伝える取組みなどにより、広く市民や観光客に向けてまちなかの個性と魅力を発信します。

また、市民などの主体的な取組みを応援する「まちぶらプロジェクト認定制度」や、まちなかの賑わいを創出する活動への支援も引き続き実施します。

なお、民間による取組みの一つである、新大工町地区市街地再開発事業においては、今月、正式に組合が設立され、今後、事業が本格的に動き出すことから、この取組みを積極的に支援します。

このように、まちの価値を高め、新たな来訪者を増やしていこうとする中では、それを受け入れる体制や基盤整備も必要になります。

まず、外国人観光客については、世界から選ばれる国際観光都市をめざす、これまでの取組みの中で、平成28年1月に全国3都市の「観光立国ショーケース」の一つに選定されており、国の重点的な支援を受けながら、官民連携したオール長崎での取組みを加速します。

長崎港へのクルーズ客船の入港が年々増加していることなどから、民間と連携した無線LAN環境の向上やキャッシュレス化の推進など、外国人観光客のストレスフリーに向けた受入態勢の整備を図ります。

また、MICE誘致については、民間による積極的な取組みにより、誘致活動等への資金面を含めた支援を行う組織が設立されました。併せて、MICE関連業務の地元受注拡大に向けた動きも始まっており、引き続き産学官が一体となった誘致や受入体制の強化を図っていきます。

さらに、「長崎市版DMO」については、「21世紀の交流都市」をめざすにあたって重要な役割を担うものと考えています。まずは、長崎国際観光コンベンション協会を中心として経験値を高めながら、観光関連事業者をはじめとした多様な関係者との体制構築に向けた協議を進めていきます。

次に、長崎への来訪者を迎える玄関口の整備として、まず、“陸の玄関口”については、九州新幹線西九州ルートの建設やJR在来線の高架化と一体となって、長崎駅周辺土地区画整理事業を進めています。開業効果が十分に得られるよう、鉄道・運輸機構や長崎県と連携しながら、駅前広場・街路の整備など、事業の着実な推進を図ります。

また、“海の玄関口”については、長崎港松が枝国際観光船ふ頭において、クルーズ客船の大型化と寄港数の増加に対応するため、2バース化の早期事業化に向け、引き続き国へ働きかけるなど、長崎県と連携して取り組んでいきます。

このようななか、企業等における「交流の産業化」の取組みについては、様々なチャレンジが行われており、その芽は着実に生まれつつあります。このような芽を成功事例につなげるため、新たな消費拡大に向けた取組みに対する支援を行い、その取組みを顕在化させ、波及効果を広げることで、企業等による「交流の産業化」を加速させます。

また、昨年10月に開始した「長崎〇〇LOVERS」プロジェクトでは、市民一人ひとりが持つ「長崎のここがスキ」という声を形にして発信する取組みを進めています。

この取組みは、市民が日常の中で感じている長崎の魅力を再認識し、長崎に対する誇りや愛着、いわゆる「シビックプライド」を持つことにつながるほか、新しい長崎ファンをつくって長崎市への新たな来訪者を増やし、ひいては、滞在期間の延長などによる消費拡大につなげます。

このほか、国際交流については、ポルトガルのポルト市及びフランスのヴォスロール村と姉妹都市提携40周年を迎えるとともに、オランダのライデン市と昨年11月に姉妹都市関係を締結したことから、それぞれに公式訪問団を派遣し、更なる関係強化と交流促進につなげます。

併せて、「子どもゆめ体験事業」では、国際感覚を持つ人材の育成を図るため、姉妹都市であるライデン市及び市民友好都市であるドイツのヴュルツブルク市に子どもたちを派遣します。

(2)平和の発信と世界への貢献

昨年、「核兵器禁止条約」が国連で採択され、条約の制定に精力的に取り組んできた「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」がノーベル平和賞を受賞されました。

今年は、この核兵器廃絶への流れを、市民社会から更に加速させていくことが重要であり、引き続き、世界へ向けた平和の発信と被爆の実相の継承に取り組むことで、被爆地・長崎の役割をしっかりと果たしていきます。

まず、今年4月には、スイス・ジュネーヴの国連欧州本部で開催される「2020年核不拡散条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会」に出席し、長崎市民を代表して「核兵器のない世界」を願う長崎の思いを強く発信します。 

また、「長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)」や「ICAN」など国内外のNGO等と連携して、今年11月には5年ぶりに「核兵器廃絶-地球市民集会ナガサキ」を開催し、被爆地長崎から、平和を自分のこととして考える仲間の輪を広げていきます。

さらに、被爆75周年という節目の年である平成32年に向けて、スポーツを通じ、核兵器廃絶や平和のメッセージを世界に広く発信する「(仮称)長崎平和マラソン」の開催準備を進めます。

被爆者の高齢化が進み、「被爆者のいない時代」が近づくなか、次の世代に被爆体験を語り継ぐ「家族・交流証言者」の役割は、ますます重要になっています。そのため、多くの方に証言者になっていただき、その証言者による講話の機会を大幅に増やすとともに、国との連携によって、海外も含めた市外へ、証言者を派遣することにも積極的に取り組みます。

併せて、青少年ピースボランティアの育成や、青少年ピースフォーラムの開催などを通して、若い世代に向けた取組みを引き続き推進します。

国史跡の長崎原爆遺跡については、継承のために不可欠な保存・活用・整備の指針である「原爆遺跡保存活用計画」を策定します。

また、被爆資料の保存・活用を図る取組みとしては、長崎県外の人に原爆の悲惨さ、平和の尊さを伝えるため、これまで被爆の実相に触れることの少なかった3つの未開催県で、原爆展を開催します。

さらに、次の世代に被爆の惨状と被爆者の思いを伝えていくため、引き続き被爆樹木パトロールを行い、樹勢の把握に努めるとともに、保存措置が必要な樹木の整備を進めます。

(3)地域経済の活力の創造

経済環境がグローバル化し、複雑化、多様化する中で、長崎の地域経済を活性化させるため、地場産業における人材の確保・育成と、競争力の強化を図り、魅力ある多くの地場産業を創出することで、特に若い世代の地元定着につながる、雇用の拡大と経済の成長をめざします。

まず、若い世代の地元企業への就職・定着と、進学によって県外へ流出した学生のUターンを促していくため、地元企業の「情報発信力」と「採用力」の強化、「雇用環境」の向上を支援します。

「情報発信力」の強化については、地元企業を紹介する番組を制作・放送するほか、進学者が多い福岡都市圏において重点的に企業研究会を開催するなど、地元企業の魅力と長崎で暮らす魅力について情報を発信します。

また、「採用力」の強化については、効果的な採用活動についてのセミナーの開催や、県外の合同企業面談会等への参加を支援し、「雇用環境」の向上については、働きやすい職場づくりにつながる取組みを支援します。

さらに、特に働く世代のUIJターンを促進するため、長崎市からの転出者が多い福岡都市圏をターゲットとして、長崎県と県内21市町が共同で運営する「ながさき移住サポートセンター」や近隣町と連携しながら、就職を中心とした移住相談会を開催します。

また、地元中小企業の「経営の多角化」、海洋再生エネルギーをはじめとする新分野への進出、IoT活用による生産性の向上など、新たな取組みを促進し、競争力の強化を図るため、可能性調査や市場調査、さらには、必要とされる産業人材育成への支援を行います。

企業誘致については、競争力のある企業立地用地を確保するため、平成32年の分譲に向けて、田中町の用地整備を着実に進めます。

また、オフィスビル建設事業者に対する支援を行い、多くの雇用を生む企業の立地に対応するとともに、IT企業などの情報通信関連産業の誘致などに取り組みます。

商業振興における地元企業の販路拡大については、商品開発などのコンサルティング機能と地域のブランディング機能を担う地域商社に対し、その機能充実に向けた取組みを支援することで、魅力ある商品やサービスを域外に売り込み、稼ぐ力と地域ブランド力の向上を図ります。

次に、長崎が全国に誇る食材である、「長崎の魚」「長崎和牛・出島ばらいろ」、びわの優良品種である「なつたより」については、生産者の経営安定化を図るため、引き続き、関係団体や生産者と連携して知名度向上と消費拡大を図ります。

特に、「長崎の魚」については、豊富な漁獲量と魚種を誇る「魚の美味しいまち長崎」のイメージアップを図る動画を作成し、観光客などに向けて広く発信します。

また、「長崎の魚」を使った食のおもてなしを行うため、四季ごとの旬の魚と提供店舗の情報を一体的に発信します。

さらに、子どものときから魚を食べる習慣を身につけてもらうために、「魚のまち長崎応援女子会」との協働で「魚を使った離乳食レシピ本」を作成し、「フィッシュスタート」として、4ヶ月児健診の際に配布しています。今年は、長崎の魚をテーマとした絵本を協働で新たに作成し、「フィッシュセカンド」として、3歳児健診の際に配布します。

水産業の振興については、種苗放流による漁獲量の下支えを図るため、放流の効果を最大限に発揮する手法について、漁業者を対象とした勉強会を実施するとともに、放流効果の調査を行います。

また、養殖業者の経営安定に向け、養殖用新魚種としてガザミの飼育試験を実施するほか、付加価値を向上させる手法として「ゆうこう」を混ぜた餌を使用し、トラフグの飼育試験等を実施します。

次に、農林業の振興については、自然環境の保全にもつながる農業生産活動を普及促進するため、農業者が組織する団体等が行う有機質肥料の使用など、環境保全に効果が高い取組みを支援します。

また、有害鳥獣による被害軽減を図るため、引き続き、長崎市有害鳥獣対策協議会や捕獲隊と連携した、計画的な捕獲対策の取組みを進めるとともに、住宅地に隣接する市有林の適正な伐採を行い、有害鳥獣が出没しにくい環境づくりを行います。 

(4)環境との調和

「環境負荷の少ない持続可能なまち」「環境と調和する潤いのあるまち」を次の世代へ引き継ぎ、環境面においても世界に貢献するための取組みを進めます。

まず、地球温暖化対策の国民運動「クールチョイス(賢い選択)」を推進することは、市民総参加の継続的な環境行動をめざす「ながさきエコライフ」の取組みの浸透と拡大につながることから、引き続き、エコカー・エコ住宅・省エネ家電の普及啓発を中心とした取組みを進め、市民の具体的なCO2削減行動につなげます。

加えて、持続可能な地域づくりを担う人材を育成するため、小・中学校が地域や団体と連携しながら、それぞれの特色を活かした活動を展開する「ながさきサステナスクール」の取組みを広げるとともに、市民の環境活動拠点「サステナプラザながさき」については、地域の様々な団体とのつながりを広げるなど、利活用を推進します。

また、更なる実効性のある温室効果ガス排出削減策としては、地域で生み出されたエネルギーを地域で循環利用する、エネルギーの地産地消の仕組みづくりが重要です。そこで、太陽光以外の長崎市版再生可能エネルギーとして、「木質バイオマスの熱エネルギーを活用した地域振興モデル」を検討するための基礎調査を行います。

併せて、長崎市が所有する廃棄物処理施設やメガソーラー等から生まれる良質かつ安定的な電力を、公共施設の一部に供給する「地域エネルギー事業」については、平成29年度に環境省が実施した長崎市における調査結果をもとに、実現に向けた具体的な検討を進め、環境負荷の少ない低炭素な地域づくりをめざします。

ごみの減量化とリサイクルの推進については、小型家電と古布の拠点回収箇所を拡大し、資源の有効活用を図ります。

また、三京クリーンランド埋立処分場に搬入されたマットレスやソファの解体分別のための作業場を新たに建設し、作業効率を向上させるとともに、マッサージチェアについてもリサイクルを行い、更なるごみの減量化と埋立処分場の延命化を図ります。

さらに、長崎総合科学大学及び長崎大学と連携し、新たに地球温暖化対策の観点を加えた中で、長崎市のごみ処理の現状と課題を総合的に整理し、今後のごみの分別、収集、処理のあり方について、基本的な考え方をまとめます。

また、廃棄物処理施設の整備については、昭和63年に操業開始した東工場の老朽化に伴い、新工場の建設地についての検討を行うため、地質調査等を実施します。

 (5)安全・安心で快適な暮らしの実現

安全・安心な暮らしの形は、自然環境や地形など、その都市を取り巻く要素によって様々です。人口減少時代における、長崎に合った、長崎らしい暮らしやすさとはどのようなものかを念頭におき、「長崎型」のまちづくりを進めていく必要があります。

そこで、長崎市では「ネットワーク型コンパクトシティ長崎」を、めざす将来の「まちの姿」に掲げ、「まとまり」と「つながり」のまちづくりを進めることにしています。

そのようななか、平成29年度には「立地適正化計画」を策定し、平成30年度からは、この計画をもとに大きく2つの取組みを進めていきます。

1つ目は「暮らしに必要な施設を守る取組み」です。公共交通などを利用して集まりやすい場所に「都市機能誘導区域」を設定し、多くの市民が利用する医療施設や商業施設などをこれからも維持していきます。

2つ目は「暮らしに必要な施設をみんなで支える取組み」です。暮らしに必要な施設を維持・存続させるため、より多くの市民が利用して支えていけるように、都市機能誘導区域やその周辺の安全で暮らしやすい場所に「居住誘導区域」を設定し、一定の人口密度が維持されたコンパクトなまちをめざします。

その中で、地域の連携強化を図る公共交通については、平成29年度から策定に取り組んでいる「公共交通総合計画」に基づき、地域の実情を踏まえながら、利便性などにも配慮した地域公共交通のあり方について具体的な検討を行います。

次に、良好な道路ネットワークの形成については、長崎自動車道の完全4車線化が進められており、平成29年度には国道34号新日見トンネルの4車線化が着工されました。また、南部地区の幹線道路である長崎外環状線の新戸町から江川町間の事業も着手されており、国や県などへ早期完成の働きかけを行います。

都市計画道路東長崎縦貫線については、平成28年12月に都市計画の変更を終え、新規区間の整備に着手しました。国道34号の混雑解消や将来のまちづくりのために整備を加速させていきます。

また、長崎市と佐世保市を約1時間で結ぶ地域高規格道路の長崎南北幹線道路と西彼杵道路は、交流人口の拡大を図り、観光振興だけでなく、産業・経済振興にも大きな効果をもたらすことが期待される道路であることから、未整備区間の早期事業化に向け、国や県などに対し積極的に働きかけます。

併せて、地域と地域を結ぶネットワーク道路として虹が丘町西町1号線、江平浜平線などの整備を進めます。

また、「坂のまち長崎」らしい長崎方式の生活道路整備として、長崎市と地域が一体となって「車みち」整備事業を進めています。平成25年度の事業開始以来、17路線、約2,400メートルの整備を行っており、この道路ができたことで、「家族や友人が遊びに来てくれるようになった」「安心して暮らすことができる」など、地域の方から嬉しい声をいただいています。平成29年度からは条件を緩和し、これまでできなかった里道も「車みち」として整備を行っており、今後も着実に事業を進めます。

次に、都市の防災性の強化については、過去の大規模災害を教訓としながら、風水害や土砂災害等への対策に総合的に取り組む必要があります。

まず、市民が安全・安心に暮らせるように、災害の危険性が高い密集市街地において、「空家等対策計画」に基づき、老朽化した危険な空き家を解体し、地域の方々が管理する広場などの公共空間として整備を推進するほか、所有者による解体を進めるため、指導と助成を行います。

併せて、市内にある空き家を活用し、住宅の確保に配慮が必要な高齢者や子育て世帯等のため、昨年10月から開始したセーフティネット住宅の登録を促進します。

また、引き続き、民間建築物や木造戸建て住宅の耐震化に対して支援を行います。

斜面地においては、住宅の石垣などが年々老朽化するとともに、近年の気象変動によって、風水害の危険性が増していることから、安全・安心な生活環境を確保するため、災害等によって崩れたがけの復旧費用の一部を助成する制度を拡充し、これまでの崩れた部分への補助だけでなく、その両側についても対象とします。

防災対策については、防災行政無線の平成32年度のデジタル化への完全移行をめざし、整備工事に取りかかります。

また、大規模災害発生時における、人的・物的支援の受入れを明確にした受援計画を策定し、危機管理体制の充実を図ります。

さらに、平成33年度の運用開始に向けて総合消防情報システムを再構築することで、消防通信体制を充実させ、災害対応力の向上を図ります。

地域における防災力の向上については、市民防災リーダーを小・中学校の教職員にも対象を広げて育成するとともに、長崎市保健環境自治連合会防災部会と協働し、自主防災組織の結成の促進と活動の活性化に努めます。

火災予防については、地域の防火意識を高めるため、引き続き消防団と連携し、防火訪問や防火指導に取り組むとともに、地域の実状に応じた防火防災訓練を推進します。

また、家庭内などで発生する子どものけがを未然に防ぐため、昨年、楽しみながら事故防止について理解することができる絵本を作成したところ、「わかりやすかった」という声が多く、効果が高かったことから、今年は「紙芝居」を作成するとともに、高齢者向けにも「消防かるた」を作成し、火災予防と予防救急の普及啓発に努めます。

上下水道事業については、人口減少などによって収益の減少が見込まれるなか、将来にわたって、良好な上下水道サービスを安定的に提供するとともに、より効率的な事業運営を行うため、アセットマネジメント支援情報システムの構築に取り組みます。

また、水道事業においては、市民へ安全・安心な水を安定して給水するため、老朽管を計画的に更新し、破損事故等の未然防止を図ることとしています。そこで、5ヶ年で総額100億円規模の継続事業として、第11次配水施設整備事業に着手するとともに、基幹浄水場の耐震化事業を推進します。下水道事業においては、引き続き、施設の統廃合などに取り組みます。  

 (6)ともに支え合い、いきいきと暮らせる地域社会の実現

時代が変わる中では、暮らしやすさの基準も変わっていきます。その暮らしの変化に応じて、長崎市がサポートしなければならない部分を見極め、市民の生活に寄り添って施策を変化させていくことが大事です。

そのような中で、だれもが住み慣れた地域で住み続けられるまちとなるよう、暮らしに必要な支援やサービスを提供する体制を整えます。

まず、長崎版地域包括ケアシステムの構築については、医療・介護・福祉の専門職が一体となって地域を支援する体制を整備するとともに、地域における支え合いの体制づくりを推進します。

また、高齢者の自立支援に向け、在宅支援リハビリセンターの充実を図るとともに、多機関型地域包括支援センターにおいては、高齢者に限らず、子育てや障害、生活困窮など、様々な複合的課題を抱える方の支援を継続していきます。

介護サービスの基盤整備については、「第7期介護保険事業計画」に基づき、在宅生活を支えるための小規模多機能型居宅介護や、居住系サービスである認知症対応型共同生活介護など、地域密着型サービスを中心に整備を進めます。

健康づくり環境の充実については、国民健康保険の被保険者の健康維持・増進を図るため、医療機関等と連携し、健康被害のおそれから併用してはいけないとされている薬の飲み合わせの解消など、服薬の適正化に取り組みます。

障害者の経済的自立を支援する取組みとしては、就労系の障害福祉サービス提供事業所等を対象に、経営手法や収益増大に向けたノウハウの習得を目的とした研修や、専門家による相談・指導を行い、障害者の収入増加につなげます。

また、手話を言語として定め、理解と普及を促進し、すべての人がお互いにコミュニケーションをとることができる環境を整えるため、手話通訳や聴覚障害に関係する団体等と協議しながら、手話言語条例の制定に向けた取組みを進めます。

次に、被爆者援護については、高齢化が一段と進み、介護を要する方が年々増加するなか、被爆者に寄り添った援護施策の充実を引き続き国に要望します。

併せて、被爆体験者の支援については、被爆体験者精神医療受給者証の有効期間が3年に延長され、被爆体験者支援事業の対象合併症に「糖尿病の合併症」が追加されますが、引き続き国に対し、高齢化し病気に苦しむ被爆体験者の救済と、支援事業の充実を要望します。

次に、子育て支援について、まず、子ども医療費においては、これまで助成対象を順次拡大するとともに、支給方法についても、市民の利便性を考慮し、必要な見直しに取り組んできました。

子ども医療費の助成は、すべての子育て家庭の経済的な負担軽減が図られるとともに、医療が必要な子どもたちが安心して医療機関を受診できるようになるといった効果もあり、心理的な不安の解消や子育てのしやすさの実感にもつながるものと考えています。

そこで、今年10月からは、中学生について、これまでの入院に加え通院まで助成対象を拡大し、子育て支援の更なる充実を図ります。

さらに、聴覚障害による音声言語発達等への影響を最小限に抑えるため実施している新生児聴覚検査については、公費負担額を増額し、保護者の負担軽減を図ります。

子育て支援センターについては、発達障害のある子どもや発達が気になる子どもを育てる保護者が、気軽に交流や相談などができる「発達障害支援に特化した子育て支援センター」を新たに開設し、子どもの発達や子育てに関して特別な悩みや不安を抱えている保護者の負担軽減を図ります。

また、子どもや子育てに関する情報をよりわかりやすく提供するため、長崎市子育て応援情報サイト「イーカオ」をリニューアルします。スマートフォンなどへの対応や情報を検索しやすくし、子育て家庭が必要とする情報の発信に努めます。

こども総合相談については、児童虐待問題や子育てに関する様々な相談に応じていますが、年々、相談内容が複雑・多様化していることから、相談対応件数が増加している状況にあります。子どもや保護者からの相談にきめ細やかに対応し、効果的な援助を行うため、相談員を1名増員して相談体制の充実を図ります。

また、産後うつの予防や新生児への虐待予防を図るため、出産後間もない産婦に対する健康診査を昨年9月から開始しています。併せて、産後ケア事業のショートステイの利用期間を延長し、利用促進を図ることで、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行います。

保育所における待機児童の解消に向けては、引き続き施設整備等による保育の「量」の確保を図るため、定員増を伴う増改築や、認定こども園への移行を促進します。

次に、放課後などにおける子どもたちの安全・安心な居場所づくりを推進するため、放課後児童クラブの適正な「量」の確保を図るとともに、育成支援が適正に行われているかの確認を行うことで、「質」の確保と向上を図ります。

また、放課後子ども教室については、すべての子どもたちに学習や様々な体験・交流活動の機会を提供できるよう、実施する小学校区を拡充します。

このほか、婚活支援としては、地域の魅力を体験するメニューを組み入れた交流会の開催により、結婚の意思を持つ独身男女に、楽しみの要素をプラスした出会いの機会を提供します。

 (7)創造的で豊かな心の育成

次の時代を担う子どもたちの育ちを応援する中で、時代が変わっても変わらない価値がある一方、時代が変わり子どもたちが身につけるべき力が変わってきている面もあり、そのどちらも大事にしながら、子どもたちの可能性をのばすチャンスをしっかりと与えることが必要です。

その中で、子どもたちが、安全・安心に学校生活を送りながら、国際理解と平和を創造する能力を身に付けるとともに、科学や芸術文化、スポーツを身近に感じながら、一人ひとりが夢や希望を持って成長できる場の提供や環境整備を進めます。

まず、学校教育においては、子どもたちがグローバル化に対応できる英語力を身につけ、外国人とコミュニケーションをとる能力の向上を図るため、新たに英語能力測定テスト「英検IBA」を市立中学校2年生の全生徒を対象に実施します。

また、中学生がふるさと長崎への愛着をより一層深めることができるよう、「新長崎市史 わかる!和華蘭」を各学校で活用し、長崎の歴史や文化、世界遺産などを学習することで、長崎が持つ世界的な価値を発信できる子どもの育成をめざします。

平和教育については、これまでの「被爆体験の継承」と「平和の発信」という2つの柱に、新たに「平和の創造」という視点を加えて改訂した、平和教育教材「平和ナガサキ」を活用し、他の人の意見を尊重しながら、自分の言葉で平和を語り、平和をつくる子どもたちを育成します。

教育に係る経済的な支援については、国や県の奨学金制度が充実するなか、貸与者が減少している大学生への奨学金を平成31年度の募集から廃止し、一時的に多額の費用が必要となる高校入学準備の負担軽減のため、平成30年度に、入学に係る給付型奨学金制度を創設します。

次に、少子化によって児童生徒が減少するなか、将来にわたってより良い教育環境を提供するため、学校建設事業については、前年度に引き続き、外海中学校と伊良林小学校の新校舎等の建設に加え、小島養生所等遺跡の保存と学校建設の両立をめざす仁田佐古小学校の建設を進めます。

また、通学区域の見直しや学校の統廃合による、学校規模の適正化と適正配置にも、引き続き取り組みます。

併せて、児童生徒の通学に係る心身への負担と保護者の経済的な負担の軽減を図るため、通学費補助の距離要件を見直し、補助の拡充を図ります。

学校給食については、給食施設の集約化を図り、安全で安心なおいしい給食を安定的に提供できるよう、新たな学校給食センターを整備することとしています。これにより、これまで課題であった、献立内容の学校間の違いの解消や食物アレルギーへの対応の充実などが可能になります。

まずは、その1ヶ所目である「(仮称)長崎市三重学校給食センター」の整備に取り組みます。

さらに、学校の規模により給食の内容に差が生じることがないよう、現在、学校ごとに管理している給食費を長崎市の公金として取り扱う「学校給食費の公会計化」を進めます。

次に、科学への興味や関心を高めるため、長崎半島で発見された恐竜等の化石を活用し、野母崎田の子地区に恐竜博物館を建設します。平成30年度は、建設に向けた基本計画の策定と、展示・建築工事の設計に着手します。

科学館については、今年12月末のリニューアルオープンに向け、展示物の製造を行うなど、着実に準備を進めています。

芸術文化の面では、長崎ブリックホールが開館20周年を迎えることから、市民文化団体など、日頃から芸術文化活動に取り組む市民の皆さんが一堂に会し、ブリックホールを舞台に多彩な分野の発表を繰り広げ、交流を深める、市民参加型の記念事業を実施します。

また、外海の風景美や、作家・遠藤周作の言葉と思想に出会い、静かに思いを巡らせながら自分と向き合うことで、新しい自分に出会う空間として、遠藤周作文学館の一部を改修します。

歴史文化の面では、「長崎くんち」に関する貴重な資料である「諏訪祭礼図屏風」を取得し、長崎歴史文化博物館で毎年秋に開催するくんち展などにおいて、多くの方に観覧いただくなど、江戸時代の「長崎くんち」の様子を、見て学ぶ資料として、保存・活用を図ります。

また、長崎市の財産として後世に伝え、継承していくべき価値のある資料の円滑な取得を図るため、「歴史文化資料取得基金」を創設します。

スポーツの振興については、今年からJ1を舞台に活躍が期待されるV・ファーレン長崎を、多くのサポーターでスタジアムが埋め尽くされるよう応援していきます。また、「ラグビーワールドカップ2019」において事前キャンプを実施するスコットランドと、ラグビーを通じた交流を更に深め、スコットランド代表チームを市全体で歓迎するための機運の醸成を図るなど、スポーツを通して市民とともに盛り上がっていけるよう取り組みます。さらに、「東京2020オリンピック・パラリンピック」のキャンプ誘致に取り組み、地域の活性化につなげます。

(8)多様な主体による地域経営

これからも暮らしやすいまちを維持していくためには、地域と市役所が更に連携を強めて、市民の生活を支えていくことが大事です。

その中で、まず、「地域コミュニティを支える仕組み」については、市民一人ひとりが自分たちで地域の課題を見つけ、解決する力を高めるためのチームづくりを提案しながら進めており、地域の実情にあわせ、「(仮称)地域コミュニティ連絡協議会」の設立を支援します。平成30年度はモデル事業の実施による検証を行い、制度化に取り組みます。

併せて、地域の担い手などを対象とした講座や先進地視察を開催し、地域活動のリーダーの発掘・育成に取り組むとともに、まちづくりを支援する職員の資質向上に取り組みます。

この仕組みづくりとあわせて、市役所においては、昨年10月に組織を大きく見直し、市内に20ヶ所の地域センターと4つの総合事務所を置くなど、地域全体を見ながら、地域のコミュニティと連携して、地域を支えていく体制をスタートさせました。身近な道路・公園や、子どもから高齢者までの健康づくりなどについての相談に、身近な場所でスピーディに、きめ細やかに対応する体制となりました。

平成30年度は、特に生活道路の改善などの予算を拡充して、地域の課題解決に取り組みます。新体制になって良かったと思っていただけるよう、しっかりと取り組んでいきます。

地域コミュニティの核となる自治会については、自治会の活動等を広く周知し、市民の理解を促進するとともに、自治会等との連携を図りながら、加入率の向上と活動への参画促進に取り組みます。

次に、市民活動の活性化のために設置している市民活動センター「ランタナ」において、指定管理者による運営を開始します。民間のノウハウが加わることで、これまで以上に市民の目線に立ったサービスの提供に努め、指定管理者と連携しながら市民活動団体への支援の充実を図ります。

また、平成31年度の市制130周年記念事業の一環として、長崎市の新しいシンボルになる「長崎市の鳥」の制定を予定しており、平成30年度は、市民の参画を得ながら制定に向けた取組みを進めます。

行財政運営においては、市民サービスの向上や健全な財政基盤の確立のため、引き続き、行財政改革に取り組む中で、単に人員の削減だけでなく、得られた効果を業務の「質」が向上する取組みや重点的に取り組む分野へ配分するなど、新たな方向性での検討を進めます。

併せて、社会情勢の変化に的確に対応し、着実に成果をあげる市役所となるよう、職員の育成にも力を入れます。

「公共施設マネジメント」については、施設の再配置や複合化など、将来のあり方について方向性を示す「地区別計画」の策定を、地域との話し合いの場を持ちながら順次進めます。

自主財源の確保に向けては、引き続き、市税等の現年分の徴収を徹底し、滞納処分を強化するとともに、その他の債権の全庁的な管理の徹底や、新たな未収金の発生抑止と滞納繰越分の整理を推進し、収納率の向上を図ります。

併せて、売却を含む市有財産の活用や、ふるさと納税のPRなど、自主財源を増やす取組みを行います。

以上、申し述べました方針に基づいて編成した平成30年度予算は、

一般会計  2,044億  694万8千円
特別会計  1,140億 1,428万3千円
企業会計     394億 8,679万3千円
合    計  3,579億  802万4千円 

となっています。

4 おわりに

私は、この変化の時代に対応するため、今、長崎が取り組むべきことは何かを常に考えながら、まちの基盤づくりに力を注いできました。

これほど多くの事業や仕組みづくりを同時に進めたのは、将来の長崎にとって、どれも先延ばしできない大変重要なテーマだからであり、また、それぞれが連動しているからでもあります。

これから、それぞれの事業を更に進めていくにあたっては、広く市民・議会の皆様に、タイミングを外さず、丁寧にわかりやすく情報をお伝えしていきます。

そうすることで、長崎市が進むべきビジョンを共有しながら、オール長崎の取組みとして、着実に歩みを進めたいと思っています。

引き続き、市民の皆様並びに議員各位の大いなるご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げまして、平成30年度の施政方針といたします。

お問い合わせ先

企画財政部 都市経営室 

電話番号:095-829-1111

ファックス番号:095-829-1112

住所:〒850-8685 長崎市桜町2-22(本館4階)

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