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施政方針(平成28年2月19日)

更新日:2016年2月19日 ページID:028104

平成28年度施政方針

平成28年2月19日、平成28年第1回市議会定例会の冒頭において、田上富久 長崎市長が市政運営に対する所信を述べました。

目次
1 はじめに
2 平成28年度の予算編成
3 平成28年度の主な取組み
(1)個性を活かした交流の拡大
(2)平和の発信と世界への貢献
(3)地域経済の活力の創造
(4)環境との調和
(5)安全・安心で快適な暮らしの実現
(6)ともに支え合い、いきいきと暮らせる地域社会の実現
(7)創造的で豊かな心の育成
(8)多様な主体による地域経営
4 おわりに

1 はじめに

私は、昨年4月、長崎市長として3期目の市政運営をスタートさせていただきました。

この間、市政を担う責任の重さを胸に刻みつつ、市民の皆様の負託にしっかりとお応えしていかなければならないという強い使命感のもと、市政の推進に全力を傾けてまいりました。

ふり返りますと、昨年は、将来の長崎のまちの進化につながる重要な出来事があった年であり、また、長崎のまちの更なる進化に向けて決意を新たにした節目の年でもあったと思います。

一例をあげますと、昨年7月、長崎市の8つの資産を含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界遺産に登録されました。

“長崎のたから”が“世界のたから”としてその価値を認められたことは、私たち長崎市民にとって大変喜ばしい出来事であったと同時に、登録されたことで今後のまちづくりの強力な追い風になるといった意味からも大きな出来事であったと思います。

その一方、過去から現在へと引き継がれてきた、かけがえのない人類の遺産を適切に保全し、その価値を未来へと伝えていかなければならないという大きな責任も生じました。今後は、保存活用等に向けた財源確保も含め、市民の皆さんをはじめ広く国内外の方々にもご支援とご協力を呼びかけながら、しっかりと責任を果たしていきたいと考えています。

もう一つは、被爆70周年という節目の年であったことです。

被爆70周年は、被爆者の方々が年々少なくなる現実を感じる一方、市民団体が主体となって実施した「被爆70周年記念事業」などを通し、新しい平和のメッセージの伝え方が生まれていることや、若い世代の活動も年を追うごとに盛んになっているなど、試行錯誤を重ねながら新たな継承の形が生まれつつあることを強く感じた一年でありました。また、世界の人々との交流を通し、お互いのことを知り、仲間を増やすことが確実に平和をつくる力になるということも改めて実感した一年でもありました。

被爆の実相や被爆者の体験を今後どうやって伝えていくのか。被爆71年目からの今後10年間は、これまでにも増して重要な時間になると思います。長崎は、これからも世代を超えて平和のバトンを受け継ぎながら、「長崎から平和を創っていく」という強いメッセージを発信し、核兵器のない世界に向けてたゆむことなく歩みを進めていきます。

平成28年度は、長崎のまちづくりの設計図である、「第四次総合計画」後期基本計画のスタートの年です。

平成23年度から平成27年度までの前期基本計画においては、「第四次総合計画」に掲げる将来の都市像である“世界都市”“人間都市”をめざし、“つながりと創造”という基本姿勢のもと、まちづくりを進めてきました。

また、時代や環境の変化にしっかりと対応し、今までの形をより良いものへと進化させるため、特に「進化」が必要な重点分野として、「経済」「まちの形」「まちを支える仕組み」を掲げ、これらを具体化するための事業群である「重点プロジェクト」を精力的に推進してきました。

今なお、道の途中ではありますが、その進化は、世界遺産登録やクルーズ客船をはじめとした外国人観光客の増加、まちぶらプロジェクトの進展といった将来につながる成果を生みだし始めたものから、車みち整備や地域防災力の向上、高齢者の交流の場づくりといった市民生活に身近なところでの改善などについても、これまでの取組みが形になりつつあります。

平成28年度からの5年間を計画期間とする後期基本計画は、このような前期基本計画に基づく取組みを踏まえつつ、これまでの成果等を検証したうえで、社会経済情勢の変化や地方創生等の動きも見据えながら策定しました。また、策定にあたっては、全庁・全職員による検討後、「長崎市総合計画審議会」にお諮りし、職員とともに計20回に及ぶ審議を行なっていただきました。

これらの過程で出されたご意見等を踏まえながら、この後期基本計画においても、これまでの進化の歩みを更に進めることで、「第四次総合計画」の着実な推進につなげていきたいと考えています。

次に、地方創生についてですが、平成28年度は、人口減少克服と地方創生を目的とした「長崎市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の本格的な実行段階に入る年です。

この戦略の策定にあたっては、オール長崎市で取り組むという姿勢で、市議会における「地方創生対策特別委員会」での調査をはじめ、現場の実情に精通している産業界・教育機関・行政機関・金融機関・労働団体・メディアのいわゆる「産・学・官・金・労・言」等の各団体や市民の皆さんに幅広くご参画いただき、多くの意見をいただきました。

これらを踏まえ、総合戦略では、「経済を強くし、雇用をつくる」「新しいひとの流れをつくる」「安心して子どもを生み育て、子どもが健やかに育つまちをつくる」「将来を見据えたまちの基盤としくみをつくる」という4つの目標を基本戦略として掲げ、人口減少の克服に取り組むこととしています。

また、地方創生においては、人口拡大期のような全国一律の取組みではなく、それぞれの地方が独自性を活かし、その潜在力を引き出すことにより多様な地域社会を創り出していくことが求められています。

そのためには、地方自らが、将来の成長・発展の種となるような地域資源を掘り起こし、それらを活用していく新たな取組みにチャレンジしていくことが重要となります。

歴史的に見ても、長崎市は人の交流によって発展してきたまちです。そこで、「人を呼ぶまち」から「人を呼んで栄えるまち」へという方向性を定め、長崎らしい取組みとして、“交流の産業化”をキーワードに特定戦略を取りまとめています。

この方向性のもと、行政と民間の力を結集させ、これからの時代にふさわしい新しい交流の形をつくり出すことで、「雇用の創出」と「所得の向上」をはじめとする経済の好循環を生み出し、ひいては、定住人口の維持、移住の促進、更には、市民力の向上、文化の維持・継承、国際交流の活性化、学術・教育の充実などの多面的な効果が生まれるものと考えています。

今年1月には、国において、訪日外国人観光客を地方に呼び込むためのモデルケースとなる「観光立国ショーケース」に、長崎市をはじめ全国で3都市が選定されました。これにより、企画立案や財政面において、関係省庁が一体となった集中的な支援が受けられることになりましたので、長崎市においても、この流れもしっかり活用し、世界に通用する魅力ある観光地域づくりに更に取り組み、地方創生の実現に向けた動きを加速させていきます。

“交流の産業化による長崎創生”という物語を紡いでいくことで、国際文化都市としてのシビックプライドが高まり、将来にわたって活力ある長崎としての未来が必ず開けるものと確信しています。

この他にも、都市の基盤をつくる重要な事業である新市庁舎建設や新たな文化施設の整備、長崎駅西側の交流拠点施設用地の活用方法などにつきましても、方向性をしっかりと固め、着実に推進していきます。

まちづくりは、一年で形になるものではありません。10年先、50年先を見据えて方向性を定め、そのために必要な取組みを一つひとつ積み重ねていくなかで、次第に形になっていくものだと思っています。

平成28年度につきましても、これまで積み重ねてきた長崎のまちづくりの方向性に確信を持って、しっかりと前を向き、市民の皆様や議員の皆様に適時適切に説明を尽くし、ご議論を重ねさせていただきながら、一歩一歩着実に歩みを進めてまいります。

 2 平成28年度の予算編成

長崎市の財政状況は、他都市に比べて税収基盤が弱く、地方交付税などに大きく依存したものとなっていますが、これまでの行財政改革の取組みにより、厳しいながらも、少しずつ財政的な余力が出てきています。

しかしながら、今後の人口減少が、経済、税収、地方交付税に大きな影響を及ぼす可能性もあることから、税収基盤の強化など“自らの力で財源を生み出す”ことが求められており、引き続き健全かつ持続可能な行財政運営に努めていく必要があります。

平成28年度の予算編成にあたっては、このような状況の中で、長崎に合った市民の暮らしやすさをつくっていく事業や、次の時代の長崎の基盤づくりなどの未来への投資につながる事業、特に喫緊の課題である人口減少克服と地方創生を目的とした「長崎市まち・ひと・しごと創生総合戦略」については、着実に推進していくこととし、必要な事業の重点化を図ることを念頭に置いて予算編成に取り組みました。

3 平成28年度の主な取組み

平成28年度における主な取組みについて、平成27年度の国の補正予算成立に伴い、今議会に補正予算として計上させていただいている事業も含め、第四次総合計画の体系に沿ってご説明いたします。

(1)個性を活かした交流の拡大

世界に誇れる歴史と文化に裏打ちされた長崎ならではの地域資源を更に磨きあげ、その魅力を広く発信していくことで、市民が自分たちのまちに誇りと愛着を持つとともに、世界の人々が訪れたいまちをめざし、交流の拡大に向けて様々な取組みを進めます。

まず、「明治日本の産業革命遺産」については、世界遺産登録時にユネスコ世界遺産委員会から示された8項目の勧告について、平成29年12月までにその対応状況を報告する必要があることから、関係機関と連携して課題の解決を図るとともに、その構成資産である端島炭坑と高島北渓井坑の遺構調査や整備を進めます。

また、観光客の理解促進と満足度の向上を図るため、世界遺産のインフォメーション施設の整備や多言語対応のガイドブックの制作、ICTを活用したガイドシステムを構築します。

野母崎地区においては、観光客に対して端島の魅力や価値をよりわかりやすく紹介するため、軍艦島資料館を旧野母崎福祉保健センター内に移設し、観光案内など機能拡充を図ります。

一方、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」については、いったん推薦を取りさげることになりましたが、“2つの世界遺産があるまち”の早期実現をめざし、国や県、関係市町と連携しながら再推薦の作業に取り組むとともに、引き続き登録に向けた機運の醸成と受入態勢の充実に努めます。

次に、歴史や文化を活かしたまちづくりについては、平成26年度に策定した「長崎市歴史文化基本構想」を踏まえ、歴史的風致を活かしたまちづくりを推進する取組みの具体化に向け、「歴史的風致維持向上計画」を策定し、国の計画認定をめざします。

平成27年度に開校した「ながさき歴史の学校」については、長崎の歴史や文化を学ぶ方々の裾野を広げるため、既存コースの内容の見直しに加え、「観光客おもてなし初級コース」や「ジュニア向けコース」など魅力ある講座を開設し、市民参加の促進に取り組みます。

また、長崎学の研究・発信拠点として、新たに長崎学研究所を設置し、これまで蓄積されてきた長崎学の研究成果や財産を後世に継承していきます。

次に、出島については、いよいよ今年10月、第3)期復元事業の建造物6棟が完成し、これにより貿易の重要な機能を担った出島西側のまちなみがほぼ甦ります。出島と世界のつながりをテーマにした展示を行い、交流を通して世界に貢献してきた長崎の歴史を発信します。

また、出島表門橋の架橋については、周辺の中島川公園の整備とあわせ、平成29年の供用開始をめざします。

今後は、現在策定中の「出島保存活用計画」をもとに、往時の出島の完全復元をめざし具体的な検討を進めます。

次に、都心部のまちづくりについては、「都市の魅力の強化」「回遊性の充実」「国際ゲートウェイ機能の再構築」を整備目標として、都市再生に向けて策定した「長崎駅周辺エリア」「松が枝周辺エリア」「まちなかエリア」「中央エリア」の4つのエリアの整備計画に基づき、長崎県と長崎市が共同で整備を進めています。平成28年度におきましても、引き続き各エリアの整備計画に掲げられた施策の推進に取り組みます。

「長崎駅周辺エリア」については、九州新幹線西九州ルートにおける諫早・長崎間の調査、設計、工事などが順次進められています。平成34年度の完成をめざし、建設主体の鉄道・運輸機構や長崎県と連携しながら事業の着実な推進を図ります。また、新幹線の整備やJR長崎本線連続立体交差事業が一体となった土地区画整理事業を引き続き推進するとともに、専門家等で構成する「長崎駅周辺エリアデザイン調整会議」等において、“長崎の玄関口”を形成する新しい駅舎や駅前広場等のデザインについて引き続き検討を進めます。

「松が枝周辺エリア」については、クルーズ客船の寄港による観光客の増加に対応するため、松が枝国際観光船ふ頭の2バース化の早期完成に向けて国や長崎県と連携を図ります。また、市営松が枝町駐車場内に安全な歩行者通路を整備するとともに、トイレの改修やエレベーターの設置によるバリアフリー化を行い、多様化する来訪者の満足度向上を図ります。

次に、まちなかについては、市民はもとより、商店街、企業、金融機関、大学、そして行政が一体となって、「まちぶらプロジェクト」を更に推進し、まちなか軸を中心とした5つのエリアの個性と魅力の顕在化を図り、賑わいの再生に取り組みます。

まず、「新大工エリア」では、市場や商店街の魅力を磨き、賑わいを創出する再開発事業などを積極的に支援します。

次に、「中島川・寺町・丸山エリア」では、長崎の「和」の歳時を顕在化するため、町家の保存活用や回遊路の整備、花で地域を彩るあじさいチャレンジ、丸山の魅力向上などを実施します。

「浜町・銅座エリア」では、中心商業地の魅力向上と地域経済の活性化を図る浜町地区の再開発事業について、早期の事業化に向け積極的に支援します。また、銅座地区においては、防災性の向上や地域の魅力を高めるための取組みとして、銅座川プロムナードや路地の整備などを実施します。

「館内・新地エリア」では、唐人屋敷の歴史的価値の顕在化と、それを活かしたまちづくりを推進するため、土神堂前の公園整備計画を進めるための設計、建物等調査を実施します。

「東山手・南山手エリア」では、長崎の「洋」の魅力を顕在化するため、旧長崎英国領事館や旧グラバー住宅など洋館の保存整備、エリア内を花で彩るばらチャレンジなどを実施します。

これら5つのエリアをつなぐ軸づくりとしては、誘導サインの設置や回遊路の整備、民間施設のトイレの開放に係る支援などを実施します。

また、地域力によるまちづくりを応援するため、「まちぶらプロジェクト認定制度」に基づく市民主体の取組みの推進を図るとともに、まちなかの賑わいを創出する活動に対する支援などもあわせて実施します。

景観づくりの推進については、地域の特徴を活かした魅力ある質の高いまちなみとするため、都市景観に関し専門的知識を有する景観専門監や「ながさきデザイン会議」からの指導・助言をいただきながら、公共事業や大規模建築物のデザイン誘導を積極的に行うとともに、地域の景観形成に大きな役割を果たす建造物等を景観重要建造物に指定し、良好な景観の保全及び創出を図ります。

次に、観光客の誘致については、国内観光客及び外国人観光客を対象とした観光動向調査・分析の充実を図り、交通事業者や宿泊・観光施設等と連携し、戦略的な観光振興策の展開を図るとともに、関連自治体とも広域的な連携を強化し、周遊型の観光を推進します。

また、観光による地方創生の実現に向けて、民間主導の観光地域づくりの推進主体となる日本版DMOについては、産学官が連携して「長崎市版DMO」のあり方の検討を進めます。

今年秋に、長崎で開催される国内最大規模の観光キャンペーンである「JRデスティネーションキャンペーン」を好機と捉え、長崎独自の観光資源の発掘や磨きあげに努め、新たな旅行商品の造成や販売活動を促進します。

「長崎さるく」については、10周年を契機として、より魅力的な着地型観光商品とするため、コースの見直し等を行います。

外国人観光客の受入れについては、グラバー園、ロープウェイ、原爆資料館において、観覧料等の支払いにクレジットカード及び電子マネー決済を導入し、外国人観光客をはじめ長崎を訪れる方々の利便性の向上を図ります。

次に、夜景観光の推進については、夜景の更なる魅力向上を図るため、斜面地や観光地周辺等の灯りの整備などに向けた基本計画を策定し、夜景の整備を進めるとともに、「世界新三大夜景」及び「日本新三大夜景」に認定されている長崎の夜景の魅力を、国内外に向けて積極的に発信していきます。

合併地区については、市町村建設計画及び地域振興計画に基づき、それぞれの地域の個性や魅力を活かした振興策に積極的に取り組みます。外海地区池島においては、これまで民間事業者により実施されていた池島産業遺産観光事業を、長崎市が主体となって取り組むことで、観光振興をはじめ地域の活性化を推進します。

(2)平和の発信と世界への貢献

核兵器のない世界の実現に向け、原子雲の下で起きた事実や被爆者の体験を引き続き次の世代に語り伝えていくとともに、世界の人々との交流を深めながら、多くの平和のメッセージを発信していきます。

まず、被爆体験の次世代への継承については、被爆者の高齢化が進むなかで、家族証言者に加えて「交流証言者」を募集し、被爆者との交流会を開催するなど、継承のための支援を充実します。また、平和活動への参加が少ない子育て世代等を対象とした平和出前講座「ぴーすとーくカフェ」を開催し、平和意識の高揚を図ります。

さらに、米国国立公文書館での原爆資料の調査・収集活動を引き続き実施するとともに、これまで収集した写真・映像資料を活用し、市民団体との協働により企画展を開催します。

史跡指定をめざして文化庁への意見具申を行った「長崎原爆遺跡」については、補完調査に取り組むとともに、経年劣化している旧城山国民学校校舎の補修整備を行います。

次に、平和の発信については、今年5月に行われる伊勢志摩サミットにあわせて広島市と共同で原爆展を開催し、各国関係者に被爆の実相を伝えるとともに、4月の広島外相会合の関連行事にも出席し、各国首脳や政府関係者の被爆地訪問などを要請します。

また、米国で進められている「マンハッタン計画関連施設」の国立歴史公園化については、長崎から専門家を派遣し、被爆地の意見が反映された展示内容となるよう引き続き要請していきます。

昨年まで国際会議に派遣してきた「ナガサキ・ユース代表団」についても、これまで培ってきた経験やネットワークを活かし、アジアを中心とする同世代の若者との交流や日本各地での平和教育等の実践活動を開始します。

(3)地域経済の活力の創造

長崎サミットをはじめとした産学官金の連携により、外貨獲得を強化し、経済交流と域内経済の活性化による経済成長の実現をめざします。

まず、地場産業の活性化については、これまで培ってきた造船造機の技術を活用して、新たな産業分野である海洋再生エネルギー関連産業への進出に挑戦する地場企業を支援し、新しい産業の集積を図ります。

さらに、基幹製造業を支える重要な産業基盤である長崎港の活性化をめざし、週3便就航の「長崎-釜山国際コンテナ定期航路」の定着を図るため、官民一体となった取組みを進めます。

また、ものづくり企業の生産現場における中核人材育成の取組みや、基幹製造業の次世代を担う新規採用者への技術・技能の伝承に対する支援を行い、官民一体となって人材育成を進めます。

地場企業の人材確保を図るため、企業を紹介するテレビ番組の放送や、その映像の動画投稿サイトによる発信、DVD配布などを通じて、企業の情報を広くお知らせするほか、長崎工業会が実施する地元の高校生を対象とした職場見学会や意見交換会などの取組みに対する支援を行います。

また、学生の地元就職を促進するため、大学生等と地元企業との交流会である「ジョブ・コミュニケーション」を開催するとともに、大学生による地元企業紹介パンフレットを作成します。

併せて、市外に流出した人材を呼び込むため、首都圏や福岡都市圏の大学等を通じて、学生や求職者に市内企業に関する情報提供を行うとともに、県外で開催される合同企業面談会等に参加する地元企業に対し、その参加経費の一部を助成することで、UIJターンによる若年者の長崎市での就職を促進します。

創業支援については、平成26年6月に国から事業計画の認定を受け、長崎商工会議所、金融機関等とともに「創業サポート長崎」による支援を行なっています。事業開始以降、平成27年12月末までに334人が創業し、多様な雇用の場を生み出しており、平成28年度は、子育て世代の創業者の掘起こしにも力を入れるなど、引き続き関係機関との連携を密にし、それぞれの強みを活かしながら創業者の創出と支援に取り組みます。

企業誘致については、平成25年以降、13社と立地協定を締結し、約1,800人の雇用創出につながっています。今後も更なる雇用拡大と所得の向上を図るため、長崎県及び長崎県産業振興財団と連携して、企業誘致活動に積極的に取り組むとともに、その受け皿となる企業立地用地の整備やオフィスフロアの確保にも努めます。

次に、商業の振興については、域外からの需要の取込みに意欲とアイディアのある小規模事業者の取組みを支援することにより、外国人を含む観光客等の誘客と消費拡大を図ります。

また、商店街の活性化については、組織の基盤となる商業人材の育成を図るとともに、商店街の活性化計画づくりを通じ、マネジメント力の高い運営体制づくりを支援します。

次に、長崎ならではの食材である、「長崎の魚」「なつたより」「長崎和牛・出島ばらいろ」については、関係団体や生産者と一体となって知名度向上と消費拡大を図り、生産者の経営安定に努めます。

まず、「長崎の魚」については、四季ごとに旬の魚や飲食店を紹介する新たな情報誌の発行やホームページでのPR、タペストリーによる四季の魚の提供店舗の顕在化など、豊富な魚種を誇る「魚の美味しいまち長崎」の魅力を発信していきます。また、関係団体と連携し、四季折々の旬な魚を素材としたご当地グルメを料理店等で提供し、観光客等にPRします。

日本一の生産量を誇るびわのなかでも、大玉で食味の良い「なつたより」については、大都市圏での販売キャンペーンやびわ専用ホームページによる情報発信、加工品としてのスイーツ開発を支援します。

日本一の称号を手にした長崎和牛の一翼を担う「出島ばらいろ」については、市内及び大都市圏での取扱店舗の定着化を図るとともに、「高級感」と「歴史性」、「希少性」を売りにした地域ブランドとして、全国から長崎を訪れる観光客を対象とした情報発信を強化します。

次に、水産業の振興については、漁業者の所得向上や雇用拡大、地域の活性化を図るため、地域資源を活かしながら、漁業だけでなく、2次産業や3次産業に関わる事業者がネットワークを構築して取り組む6次産業化の事業展開に必要な加工場の整備に対し、国の制度を活用して支援します。

また、長崎蒲鉾水産加工業協同組合が、水産練り製品製造業者に冷凍すり身を安定的に供給するために実施するHACCP(ハサップ)認定加工場の整備を支援し、衛生管理体制の向上による製品の安全性の確保を図り、水産練り製品の販路拡大へつなげます。

次に、農業の振興については、その基本指針となる「長崎市農業振興計画」を策定し、具体的な取組みや成果指標を提示し、今後の農業振興の方向性を明確にします。

また、農業従事者の高齢化が進むなか、定年帰農者を含む多様な農業従事者の確保が重要であることから、中高年層の就農意欲の喚起と就農後の定着に向けた取組みや、栽培経験が乏しい新規就農者等について、農産物の安定供給に向けた適切な栽培指導体制を確立するための仕組みづくりを進めます。

さらに、日本一のびわ産地の強化を図るため、果樹共済加入などを推進するとともに、生産者、長崎西彼農業協同組合、長崎県、長崎市など関係機関で組織される「長崎びわ産地活性化推進協議会」が、生産性の向上や栽培管理技術の確立に向けて、一体的に取り組むための支援を進めます。

今年1月の記録的な寒波の影響による露地びわ等の被害についても、実態を把握し、必要な対策に取り組みます。

(4)環境との調和

環境と調和する潤いのある長崎のまちをつくり、次の世代へ引き継ぐための取組みを進めます。

まず、持続可能な低炭素社会の実現に向けては、平成28年度以降の新たな実施計画となる「重点アクションプログラム」に掲げる取組みを推進することで、更なる地球温暖化対策へとつなげていきます。

「ながさきエコライフ」については、この取組みを更に浸透させ、拡大を図るため、「ながさきソーラーネットプロジェクト」から生まれた「ながさきエコライフ基金」を活用し、新たに持続可能な低炭素で豊かな暮らしをめざす「(仮称)ながさきサステナプロジェクト」に取り組みます。

平成28年度は、多くの市民が気軽に集い、利用できる、市民主体の環境活動の拠点として「(仮称)サステナプラザながさき」を万才町に開設します。この拠点を中心に、市民、事業者、行政等が連携し、市民の環境活動を活性化することで、市民が普段の生活のなかで、環境にやさしい行動を継続的に実践しているまちをめざします。

併せて、市民ネットワーク「ながさきエコネット」に参加する「ながさきエコスクール認定校」の活動を支援し、地域との連携を深めながら、学校における環境教育を進めます。

また、省エネルギーの促進については、市所有の街路灯の蛍光灯からLED灯への転換を進めており、平成28年度にはすべての街路灯約3万6千灯の転換が完了します。

次に、一般廃棄物の焼却施設である新西工場については、今年10月に供用開始します。これに伴い、プラスチック製容器包装以外のプラスチック製品等の焼却が可能になるため、新西工場の試運転を開始する7月からごみ分別品目の一部を変更するとともに、この機会を通して改めてごみの適正処理の徹底を図ります。

 (5)安全・安心で快適な暮らしの実現

だれもが安全で安心して快適に暮らすことができ、それを市民が実感できる長崎型の暮らしやすさを重視した取組みを進めます。

まず、地域における防災力の向上については、市民防災リーダーと協働した地域防災マップづくりを拡大しながら、地域目線で自主防災組織の結成促進と活動の活性化を図ります。

特に、長崎市特有の斜面地における火災を予防し、高齢者等を火災から守るため、関係機関と連携した防火指導に取り組むとともに、斜面地等に設置している初期消火用具を活用した地域住民との合同訓練を推進します。

また、地域での防火防災活動を牽引する消防団員については、指導的役割を担うことができる人材の養成を図るとともに、若い世代を中心とした将来の地域防災の担い手となる人材育成に着手します。

さらに、外国人に対する安全・安心のための支援策として、国際クルーズ客船の寄港等により、外国人観光客が年々増加していることなどを踏まえ、多言語による119番通報等に適切に対応できるよう、通訳業者を介した通報受信体制の整備に取り組みます。

災害時における市民への防災情報の伝達については、現在稼働中のアナログ防災行政無線のデジタル化に向けて、設備更新を行うための調査・基本設計に取り組みます。

次に、暮らしやすいまちの形成については、市街地のコンパクト化と周辺地区との公共交通によるネットワークの形成を図ることで、賑わいと暮らしやすさを実感できる都市づくりをめざした「都市計画マスタープラン」の改訂を行うとともに、その計画を推進するための「立地適正化計画」の策定に取り組みます。

市街地再開発事業については、長崎市の経済・消費活動を担う中心市街地の活性化を促進し、市全体の賑わいの創出につなげていくため、現在、新大工町地区と浜町地区で進められている取組みを積極的に支援していきます。

斜面市街地についても、居住環境の改善及び再生を図るため、斜面市街地再生事業で進めている生活道路の早期完成をめざすとともに、高齢者等の交通弱者の移動支援を行うモデル事業として、十人町において、企業と大学、地域と連携し、電動手すりを設置します。

次に、安全・安心な建築物の普及を促進するため、耐震診断の実施が義務化されている病院、店舗、ホテル、旅館等に対し、引き続き耐震改修設計費の助成を行うとともに、新たに耐震改修工事費の助成も行います。

民間住宅については、引き続き老朽危険空き家の除却に対する助成を実施するとともに、木造戸建住宅については、これまでの耐震改修の促進に加え、斜面市街地にある住宅の防火性能を向上させるため、耐震改修工事を行う際にあわせて防火改修工事を行う場合は、新たに上乗せした助成を行います。

さらに、住宅の質の向上や地域経済の活性化を図るため、「ながさき住みよ家リフォーム補助」を引き続き実施します。

次に、道路整備については、道路ネットワークの強化を図るため、高速道路の長崎自動車道や国道34号日見バイパスの完全4車線化の早期事業化に向け、国などに対し働きかけていきます。

また、南部地区の幹線道路である長崎外環状線の新戸町から江川町間については、早期事業化に向け、事業主体である長崎県に対し最大限の協力を行う方向で協議を重ねた結果、県において平成28年度の当初予算に関係予算が計上されました。このことは、長崎市にとりましても大きな前進であると考えており、引き続き早期整備に向け、県に対し働きかけていきます。

地域と地域を結ぶ生活道路については、交通の円滑化と安全性の向上等を図るため、中川鳴滝3号線、清水町白鳥町1号線、虹が丘町西町1号線、江平浜平線などの整備を引き続き進めます。

都市計画道路については、左底滑石線や新地町稲田町線の湊公園前交差点から大門までが平成27年度中に完成しますが、引き続き良好な道路ネットワークの形成と住宅市街地の生活環境の改善を図るため、片淵線、新地町稲田町線、銅座町松が枝町線などの整備を進めます。

また、仁田佐古小学校の建設にあわせて、外周道路を拡幅整備し、周辺の住環境と防災性の向上に取り組みます。

さらに、車が入れなかった階段や狭い道路を車が通行可能となるように改良する「車みち」整備事業についても、地域の実情に応じた工夫を行いながら、地域と一体となって整備を進めていきます。

公園整備については、鍋冠山公園において、平成27年度の展望台のリニューアルに引き続き、駐車場の増設や園路拡幅整備を行うとともに、グラバー園第2ゲートからつながる園路に照明灯や案内板の設置を行い、安全性の確保と夜景観光の魅力向上に努めます。

また、稲佐山の山頂展望台へのアクセス向上を図るため、稲佐山公園中腹駐車場から山頂展望台へのスロープカーの整備に係る実施設計等に着手します。

上下水道事業については、収益の減少が見込まれるなか、昨年改訂した「長崎市上下水道事業マスタープラン」に基づき、経営基盤の強化を図るとともに、老朽化した施設を計画的に更新します。

特に、市民生活への影響が大きい水道管路については、優先度を十分に検証し計画的に布設替えを実施します。

 (6)ともに支え合い、いきいきと暮らせる地域社会の実現

誰もが、心身ともに健康で生きがいを持ち、地域で支え合い安心して暮らせるよう、地域における包括的な支援・サービス提供体制の構築及び地域の特性に応じた環境整備に取り組む必要があります。

団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を見据え、住み慣れた地域で安心して暮らせるように、地域ごとに必要な在宅医療や介護サービスの充実、健康づくり・生きがいづくりのための介護予防、安心して生活できる住まいと買物や外出などの日常生活の支援を一体的に提供する「長崎版地域包括ケアシステム」の構築をめざします。

具体的な取組みとして、地域ごとに医療や介護、福祉の専門職がチームとなり、地域ケア会議等を通じて、高齢者を支援する体制を構築します。

特に、認知症対策として、認知症高齢者等の初期支援を集中して行う「認知症初期集中支援チーム」を配置し、かかりつけ医と連携しながら認知症に対する適切な治療につなげ、自立生活のサポートを行うとともに、認知症の方やその家族等が交流する「認知症カフェ」を2箇所増設し、引き続き介護負担の軽減を図ります。

また、在宅介護が困難な要介護高齢者の増加に対しては、地域密着型特別養護老人ホームを平成29年度までに2箇所整備します。

次に、子どもから高齢者まで気軽に行えるラジオ体操の普及に向け、身近な地域での一斉ラジオ体操に取り組みます。幅広い世代が一緒に楽しむことができるラジオ体操を通して、人と人とが笑顔で元気につながりあえる活力ある地域づくりと市民の健康づくりを進めます。

障害者支援については、増加する相談ニーズに適切に対応するため、委託相談支援事業所を増設し、障害者のサービス利用や権利擁護を図るための支援に取り組みます。

また、一般企業等への就労を希望しながら、その機会が無く、福祉的就労の場で働く障害者が、自身の特性を知り、就労スキルを伸ばして就職活動に臨むことができるように、長崎市立図書館を活用した就労体験事業を実施します。

次に、安心して子どもを生み育てることができるまちをつくるため、結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援の充実を図ります。

結婚を望んでいる方々の結婚活動、いわゆる「婚活」への支援については、現在、企業・団体間の独身男女の交流を促進するために行っている独身グループ同士のマッチング支援を、近隣市町を含む取組みへと拡大させるとともに、セミナー等の実施により企業・団体において結婚や子育てがしやすい職場環境をつくるための意識の醸成を図ります。

安心して妊娠、出産できる環境の充実については、子どもを望む夫婦に対する不妊治療への助成を拡大するとともに、産前産後の相談体制の充実と、デイケアやショートステイによる産後の母子の心身のケアや育児の支援を行い、妊娠・出産期の不安や負担の軽減を図ります。

子育て支援については、子どもの健康保持と子育て家庭の経済的負担の軽減を図るため、今年4月から子どもの医療費助成の対象を小学生までに拡大します。

また、父親の子育てに関わる意識を高めるため、父親向けの講座を実施するとともに、民間企業の協力を得ながら、授乳スペースやオムツ替えスペースを乳幼児親子に開放できる施設を「赤ちゃんの駅」として認定し、子ども連れでの外出を応援します。

保育所待機児童の早期解消に向けては、引き続き保育の量の確保を図るとともに、特に、市中心部における保育ニーズに対応するため、平成29年4月から市立長崎幼稚園を0歳児から5歳児までの保育に対応する幼保連携型認定こども園へ移行することとし、平成28年度は必要な施設整備を行います。

放課後児童クラブについては、小学校の余裕教室等の施設整備による量の確保及び運営の支援による質の向上を図るとともに、放課後子ども教室については、実施する小学校区を拡充することで、放課後等における子どもたちの安全・安心な居場所づくりを推進します。

子育てしやすい住環境をつくるため、引き続き市営住宅への子育て世帯の優先入居の拡大に取り組むとともに、新たに三世代同居・近居への支援を行います。

被爆者援護については、高齢化が進む被爆者援護の充実を強く国に要望し、被爆二世健康診断の検査項目に初めてがんの一種である多発性骨髄腫検査を追加します。

また、被爆体験者支援事業の対象合併症に「認知症」を追加するとともに、国に対し、高齢化し病気に苦しむ被爆体験者の救済を要望します。

次に、生活困窮者等に対しては、長崎市生活支援相談センターにおいて自立に向けた相談支援・家計管理・就労支援を実施するとともに、生活保護受給世帯等の子どもたちの高校進学や社会性の向上を図る学習支援など、自立に向けた支援を行います。

生活保護受給世帯の就労支援については、就労支援員による就労支援、民間企業への委託による就業訓練、職場体験、求人開拓等の支援を引き続き実施し、就労による生活の安定と自立に向けた取組みを進めます。

長崎みなとメディカルセンター市民病院については、今年3月末に成人病センターと統合し、7月に全面開院するとともに、市民が安心できる医療提供体制の充実を図ります。

また、年々増加している救急需要への対策として、引き続き救急車の適正利用の広報に努めるとともに、高齢者や子どもの事故を未然に防ぐための事故防止対策を広く市民に周知する予防救急にも取り組みます。さらに、救急サポートステーションの登録拡大と設置されているAEDの有効活用について、設置事業所の協力を得ながら推進します。

歯科口腔保健を推進するため、平成29年度までにすべての小学校、保育所、幼稚園等でのフッ化物洗口の実施をめざし、関連団体の協力を得て、保護者・教職員への啓発に努めます。

 (7)創造的で豊かな心の育成

長崎の未来を担う子どもたちが、安全・安心に学校生活を送ることができるよう、「学校」と「家庭」、そしてそれを支える「地域」が互いに連携・協力し、教育環境の更なる充実を図るとともに、子どもたち一人ひとりが夢や希望を持ち、その実現に向けて努力することができるよう、学力の向上と社会性を育む取組みを進めます。

学校教育においては、いじめ・不登校等の生徒指導上の問題を抱える児童生徒に対する支援をより適切かつ効果的に行うため、定期的なケース会議等を実施し、「スクールソーシャルワーカー」の専門性の向上を図り、心の教育の充実を推進します。

また、特別な支援を必要とする児童生徒に対しては、必要と認めるすべての学校に特別支援教育支援員を配置し、児童生徒の障害の実態に応じたよりきめ細かな個別対応を行います。

さらに、教科指導においては、中学校の教科書改訂にあわせICTを効果的に活用できるデジタル教科書を整備し、わかる授業の推進による確かな学力の向上をめざします。

平和教育においては、これまでも各学校で特色ある取組みを行なってきましたが、被爆70周年を機に、今後更に平和の大切さの継承・発信に努めるため、小中9年間を見通した未来志向のプログラムを再編成します。

国際理解教育においては、生きた英語を身につけ、コミュニケーション能力を育むとともに、長崎を訪れる外国人に英語で積極的に関わる力をつけるため、中学校において「英語寺子屋事業」に取り組みます。また、ALTが作成した長崎市独自の英語教材の音声・動画版を制作し、小学校の英語教育に活用します。

教育環境の整備については、子どもたちが安心して快適に学校生活を過ごすことができるよう、トイレの洋式化を進めるとともに、壁掛式扇風機を年次計画のもとに設置します。

また、防災機能の強化を図るため、屋内運動場の照明設備について必要な落下防止対策に取り組みます。

校舎の老朽化に伴う改築事業については、伊良林小学校の建替えに向けた実施設計や仮設校舎の建設に着手します。

また、統廃合を行った仁田佐古小学校については、新設校の建設に向けた基本実施設計や旧校舎の解体等を行うとともに、外海地区の中学校統合に伴う新設校の実施設計等に着手します。

長崎ならではの体験活動の推進については、豊かな人間性や社会性を育むため、今年4月に開館する日吉自然の家を利用し、市立小学校の5年生が2泊3日の野外宿泊学習を行います。また、長崎のよさを実感し、ふるさと長崎に誇りを持ち、長崎が持つ世界的な価値を発信できるような子どもを育てるため、長崎の歴史や世界遺産を学習する「“長崎の宝”発見発信学習事業」を推進します。

科学教育の振興に向けては、子どもたちの科学への興味や関心をより高めるため、科学館の展示室のリニューアルに向けた基本・実施設計に取り組むとともに、天体望遠鏡を更新します。また、これまで恐竜等の化石が発見されていることから、平成30年度にかけて引き続き発掘作業に取り組むとともに、新たな発見の可能性を求め、化石発掘の対象となる地層の調査を行います。

生涯学習については、多くの外国人が長崎を訪れており、日常生活においても接する機会が増えていることから、おもてなしの気持ちや態度で、片言の英語でも自然にコミュニケーションがとれるようになるための講座を大型公民館で実施します。

スポーツの振興については、市民のスポーツへの関心を高め、地域活性化につなげるため、平成32年に開催される「東京オリンピック・パラリンピック」のキャンプ誘致と平成31年に開催される「ラグビーワールドカップ2019」におけるキャンプ誘致に積極的に取り組みます。

平成28年度においては、「ラグビーワールドカップ2019」の事前キャンプが決定しているスコットランドへ、長崎の子どもたちを派遣するなど、更なる関係の強化と交流の促進につなげます。

(8)多様な主体による地域経営

まちづくりの主役は市民一人ひとりであり、市民をはじめ、企業、大学、行政などが互いにつながり、自分たちで地域の課題を見つけ、解決する力を高める仕組みづくりを進めます。

昨年12月、「長崎のまちをみんなでつくる」「自分たちのまちは自分たちでよくする」という気持ちを共有し、参画と協働によるまちづくりに取り組むため、まちづくりの理念を定めた「長崎市よかまちづくり基本条例」を施行しました。市民が、まちづくりの当事者として、自分ができることを少しでも広げ、全員がプレーヤーとして取り組む活動を後押ししていきます。

地域コミュニティの活性化の推進については、モデル地区を設定し、新たな仕組みとして、地域が自主的、自立的に地域運営を行う地域自治組織の設立支援に取り組み、本格実施に向けた制度の枠組みを構築します。

また、地域の住民や団体が自分たちの地域の現状や課題について話し合い、解決に向けて取り組む「わがまちみらい工房」の開催地区数を拡大し、地域のなかで話し合う文化の更なる醸成を図るとともに、地域づくりの担い手を対象とした講座等を開催し、地域運営のスキル等の習得を支援します。さらに、まちづくりの専門家を招へいし、まちづくりを支援する職員の資質向上に取り組みます。

次に、協働の担い手である市民活動団体の活動が、様々な社会課題の解決につながるよう、先進的な事例などを参考にしながら学びの機会を設け、団体の活動の充実と運営力向上のための支援に一層努めます。

また、地域コミュニティの核となる自治会への加入率が減少傾向にあるため、新築のマンション・アパート等のオーナーに対し自治会加入の協力を依頼し、加入促進をめざします。

住民が暮らしやすい地域を一緒につくるために、市役所の体制も地域を支える仕組みに進化します。

行政サテライト機能再編成プロジェクトでは、現在の支所や行政センター、本庁の機能を再編成します。具体的には、地域の住民の相談・手続きや、地域が行うまちづくりの窓口である「新たな支所」と、土木事業や福祉・保健サービスなど住民の生活に密着した仕事を行う「総合支所」の機能を整備し、これらが連携して、地域全体を一体的に見て、地域の多様なニーズに迅速に対応していく体制をつくります。

また、西浦上支所滑石事務所に、「地域のまちづくり支援の機能」を持たせるとともに、窓口業務の拡充を図り、併せて災害時などの体制を強化するため、今年10月から滑石事務所を廃止し、滑石支所を新たに設置します。

行財政改革については、これまでの取組みを十分に検証しながら、引き続き経費の削減に向けた取組みと市民サービスや業務の「質」を向上する取組みを進めます。

次に、市民から信頼される市役所をめざし、戸籍等の証明書の不正請求及び不正取得による、個人の権利の侵害の防止及び抑止を図るため、本人の代理人及び第三者に証明書を交付した場合において、事前に登録した本人に対し通知を行う「本人通知制度」を導入します。

自主財源の確保に向けては、市税等の徴収一元化債権について、引き続き現年分の徴収向上と滞納処分の強化に努め、収納率の向上を図ります。また、その他の債権の未収金対策につきましても、債権管理を徹底するとともに、滞納繰越分の整理を推進します。

ふるさと納税については、多くの方々に “心のふるさと”として長崎市を応援していただけるような魅力あるまちづくりを進めるとともに、ふるさと納税として寄附を行った方々に贈る長崎の特色ある謝礼品を充実させ、民間ポータルサイトなどと連携した情報発信の強化にも努めながら、寄附金の増額を図ります。

「公共施設マネジメント」については、地区ごとに施設の再配置や複合化などの考え方を示す「地区別計画」の策定を順次進めるとともに、公共施設の再構築について、地区住民の理解促進を図ります。

以上、申し述べました方針に基づいて編成した平成28年度予算は、

一般会計 2,169億7,000万円
特別会計 1,232億1,313万4千円
企業会計 448億1,978万5千円
合 計 3,850億 291万9千円

となっています。

4 おわりに

現代は間違いなく大きな変化の時代であり、人口減少のほか、社会構造の変化やライフスタイルの多様化など、私たちの周りでは大小様々な変化が日々起こっています。

このなかにあって、将来にわたり、都市の活力をどのように高め、発展させていくのか、今まさに都市の力が試されています。

しかし、困り事の中身やその解決方法、発展の種は、その都市によって様々であり、ただ全国標準の仕組みや手法に合わせるだけでは、想い描く未来に辿りつくことはできません。

また、行政の力だけでは解決できない問題なども増えてきており、多くの市民の皆様に当事者としてまちづくりに参加していただき、自分にできることを少しずつ出し合っていただくことが、時代の変化に柔軟かつ的確に対応していくためには不可欠であると思っています。

今後とも、市民の皆様をはじめ、自治会、企業、大学など長崎のまちを構成する多様な主体と力を合わせて、「世界都市」「人間都市」の実現に向けて邁進してまいりたいと考えておりますので、市民の皆様並びに議員各位の大いなるご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げまして、平成28年度の施政方針といたします。

お問い合わせ先

企画財政部 都市経営室 

電話番号:095-829-1111

ファックス番号:095-829-1112

住所:〒850-8685 長崎市桜町2-22(本館4階)

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