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施政方針(平成25年2月21日)

更新日:2013年4月5日 ページID:023637

 

 

平成25年度施政方針

平成25年2月21日、平成25年第1回市議会定例会の冒頭において、田上富久 長崎市長が市政運営に対する所信を述べました。

 目次
1 はじめに
2 平成25年度の予算編成
3 平成25年度の主な取組み
(1)個性を活かした交流の拡大
(2)平和の発信と世界への貢献
(3)地域経済の活力の創造
(4)環境との調和
(5)安全・安心で快適な暮らしの実現
(6)ともに支え合い、いきいきと暮らせる地域社会の実現
(7)創造的で豊かな心の育成
(8)多様な主体による地域経営
4 おわりに

1 はじめに

平成の時代に入り、四半世紀が経過しようとしています。

この間、わが国も、世界も大きく変化してきました。

半世紀近く続いた東西冷戦の終結、欧州連合(EU)の設立、アジアをはじめとする新興国の急速な経済発展など、世界の政治・経済をめぐる地図は大きく変化し続けています。

国内においても、バブル崩壊と経済の長い低迷、人口減少時代の到来、政治の混迷、東日本大震災と原発事故による様々な課題の噴出など、押し寄せる変化への対応が迫られています。

こういった内外の変化は、直接的、間接的に長崎市にも影響を与えています。市町村合併など地方自治をめぐる動きは、長崎市に直接影響を与えているものの一つです。

 加えて、長崎市は今、市庁舎や県庁舎、駅舎や市立病院をはじめとする大型施設の更新の時期を一度に迎え、百年に一度あるかないかといわれる「まちの形」の再整備の時期を迎えています。

地域コミュニティなど「まちを支える仕組み」も、従来のままでは機能しにくくなっており、新しいあり方が必要になっています。

「経済」のあり方も、より外向きの経済への変化を求められています。

 このような「大変化の時代」には、次々と押し寄せる変化に的確に対応すると同時に、自らの持っている資源を見つめ直し、変化を先取りし、未来のビジョンを描いて、一歩一歩着実に歩を進めることが必要です。

第四次総合計画に示した「個性輝く世界都市」「希望あふれる人間都市」は、長崎市がめざす都市像であり、その実現に向けて、私たちは着実に歩みを進めなければなりません。

また、そこに向かう基本姿勢として掲げた「つながりと創造」という言葉は、市民、企業、学校、団体、行政など長崎市を構成するすべてのメンバーが、ビジョン実現の当事者として協力し合うことで、これまでになかった取組みや新しい手法にも挑戦しながら成果を出していこうという姿勢を示しています。

その具現化に向けて、全庁横断的に取り組んでいる11の重点プロジェクトについては、「世界都市」「人間都市」実現のための中核をなすものとして、「経済」「観光」「福祉」「まち」「地域」「行政」をテーマとする具体的な取組みであり、このプロジェクトを中心として、各部局で定めた重点的取組みを着実に推進することで、長崎の進化をしっかりと「形」にしていかなければなりません。

まず、「世界都市」の実現に向けては、「世界の人が往来するまち」をめざし、国際クルーズ客船や航空路線などを利用した観光客の受入体制の充実に向けた4ケ国語表記の案内板整備や情報の発信、大規模な会議等の開催が可能となるコンベンション施設の具体的検討などについて、官民協働の中で進めています。

また、九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)については、平成34年の完成をめざすとともに、長崎県と連携を図りながら、長崎駅周辺の整備を進めます。

長崎の強みを活かした「世界に貢献するまち」をめざし、被爆者、長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)、国連など国内外の人々と連携しながら、核兵器廃絶に向けた具体的な提案や提言につながる取組みを進めていくとともに、被ばく者医療に従事する人材の育成に取り組む長崎・ヒバクシャ医療国際協力会(NASHIM)の活動を推進します。

また、長崎大学が取り組んでいる経済及び医学の分野におけるグローバルな人材を養成するための事業については、国際舞台で活躍し、世界に貢献する優秀な人材の育成につながることから、積極的な連携や支援に努めます。

長崎の個性を活かした「世界から評価されるまち」をめざし、二つの世界遺産候補の登録に向けた準備、まちなかの再生に向けた「まちぶらプロジェクト」の推進、表門橋の架橋に向け、準備を始めた出島や「世界新三大夜景」として認められた夜景をはじめとする“資源みがき”に積極的に取り組みます。

さらに、「世界とつながるまち」をめざし、5,500以上の都市が加盟する平和市長会議の活動などを通じて、世界の様々な都市とのネットワークを広げていきます。

また、去る2月4日には、シーボルトをゆかりとして、オランダ・ライデン市と市民友好都市の提携を行い、また、ドイツ・ヴュルツブルク市からも提携の承認を受けており、今後とも市民友好都市の提携による市民や民間団体の国際交流を促進する取組みを進めていきます。

「人間都市」の実現に向けては、まちづくりの主役は市民一人ひとりであり、自分たちで課題を見つけ、共有し、解決しながら、「長崎に合った暮らしやすいまち」をめざし、協働型・参加型の取組みを進めていく必要があります。

地域のつながりが希薄化しているといわれるなかで、自治会や青少年育成協議会、子どもを守るネットワークなどが連携した環境の美化、防犯パトロール、支えあいネットワーク活動、防災活動などに自主的に取り組む事例が増えています。

本来、地域は独自のまちづくりの力を持っており、それを発揮するため、自治会をはじめ地域の主要な団体が中心となって進める、地域のつながりを広く、強くするための取組みを積極的に支援していきます。

少子高齢化や核家族化の進行等により増加している高齢者や子育て家庭の悩みに対応するため、子育て世代の親同士のつながりや情報交換の場を提供する「子育て支援センター」、高齢者の方々が地域の身近な場所で交流できる場として「高齢者ふれあいサロン」などを設置しており、今後とも、より多くの皆様が地域でつながり、支え合うための仕組みづくりに取り組んでいきます。

併せて、老人福祉施設や在宅の高齢者の趣味や話し相手などを行うボランティアとして養成する「生活・介護支援サポーター」の活動にポイント制度を導入するなど、やる気や参加を促すような仕組みづくりにも取り組んでいきます。

さらに、長崎らしく、暮らしやすい仕組みづくりにも取り組む必要があることから、地方分権改革の推進により、自治体独自のルールをつくることができる範囲が広がったことを受け、斜面都市である長崎の特性に応じた市道認定基準における勾配の見直しや、狭い道路に対応した小型の警戒標識を認める新たな基準づくりなどに取り組んでおり、これからも知恵を出し合い、長崎に合った仕組みをつくっていきます。

「世界都市」「人間都市」を実現するための基本姿勢である「つながりと創造」においては、力を合わせることで、単独ではできないことができ、単独よりも、より早く、より少ないコストで、より大きな成果をあげることが可能となる「協働」の事例も増えています。

これを実践する仕組みとして設けた「提案型協働事業」から誕生した「ながさきエコネット」については、地球温暖化防止に向けて、市民、企業、行政などが協働して取り組み、会員の輪も着実に広がっており、また、団塊の世代のための情報誌「ながさきダンカーズ」についても、全国のマスコミ等に取り上げられるなど注目をあびています。

また、東長崎地区においては、長崎総合科学大学や地元自治会、企業などがつながり、次世代エネルギーの地産地消、環境にやさしいまちづくりなどをめざした「東長崎エコタウン構想」の実現に向けた取組みが進められています。

長崎サミットや核兵器廃絶長崎連絡協議会などは、産学官がつながり、協働して取り組むことで、行政だけでは及ばなかった分野で新たな手法や成果を生み出す事例でもあります。

このように、様々な協働が形となって成果をあげるような取組みを今後とも積極的に推進していきます。

第四次総合計画の目標を達成するためには、まず職員全員が、総合計画がめざす将来の都市像をしっかりと意識したうえで、社会の様々な変化を理解し、認識し、これまで通りのやり方に捉われず、考え方や仕事の仕方を自ら変えていく必要があります。 

そのためには、これまでの「依存型」の意識について、国や県の動きや仕組みに頼るだけではなく、自ら必要なものを選択し、発想する「自立型」へと転換しなければなりません。

また、市役所の予算や職員のみで取り組むべきものだと考えてきた「自己完結型」の意識については、パートナーとなる市民や企業等を求め、協力しながら新たな成果や効果を生み出す「協働型」の仕事の進め方をプラスし、身に付けていく必要があります。

さらに、すでにある仕組みや事業を確実に実行しようとする「維持管理型」の意識に加えて、様々な意見や発想を取り入れながら、新たな仕組みや手法に挑戦し、創り出す「創造型」の発想をプラスしていく必要があります。

併せて、「長崎のまち全体が職場である」との意識の定着を図ることが重要となります。

現場へと足を運び、直接目で確認し、地域の方々の声に耳を傾けることや、長崎の文化・地域性を肌で感じることにより、より的確な情報の把握が可能となり、それをもとにこれまでの取組みを検証することで、仕組みの見直しや、新たな取組みの創造へとつなげていかなければなりません。 

2 平成25年度の予算編成

長崎市の財政状況は、社会保障費が伸び続けるなか、市税や地方交付税などの伸びは見込めず、自由に使える財源が徐々に目減りするという厳しい状態が続いており、今後は、さらに地方交付税の合併算定替対象期間の終了に伴い、約39億円の減が見込まれるという課題も抱えています。

その一方で、持続可能な財政運営をめざし、将来の世代に負担を先送りにしないためにも、既存事業の見直しにより財源を捻出し、未来への投資につながる重要な施策には思い切って財源を投入するという予算編成が必要となります。

そこで、平成25年度の予算編成にあたっては、社会変化の方向性をしっかりと踏まえ、過去の必要性に基づいて取り組んできた事業が、今本当に必要か、これからは何が求められるのかなど、現状を見据えた十分な検証を行い、過去に捉われず、今と未来のために必要な取組みを行うことを念頭に予算編成を行いました。

各部局においては、部局長が定めた重点的取組みを職員全員が共有し、めざすべき目標や戦略等をしっかりと意識しながら、すべての取組みをあらためて「検証」し、既存事業の廃止・縮小・改善・発展などの「変化」に向けた検討を行いました。

そのうえで、今までの取組みだけでは解決できない課題に対しては、効率性や効果等を確認するため、「創造」・「挑戦」事業として実証的に取り組むこととしています。

平成25年度の予算のポイントとしては、国の予算編成が遅れるという異例の状況のなかで、依然として厳しい経済情勢や雇用情勢にあることから、景気・雇用対策を優先して取り組むべき課題と位置付け、道路、公園、校舎等の施設整備に取り組むことなどにより、投資的経費については、当初予算において、前年度を大きく上回る約215億円の予算を確保しております。

また、現在の経済情勢等を踏まえ、引き続き失業者等の雇用機会を確保するための取組みを進めるとともに、地域経済の活性化や住宅の質の向上と長寿命化を図るため、本年度も「住宅リフォーム緊急支援事業(ながさき住()みよ家()リフォーム補助)」を延長して実施します。

こうした取組みに加え、今後、国の「15ケ月予算」の財源を活用し、追加の経済対策に取り組んでいきます。

併せて、平成25年度の予算編成にあたっては、第四次総合計画の着実な推進と持続可能な財政運営との両立を図りながら、長崎市のさらなる進化を形にする取組みに予算を重点配分したところです。 

3 平成25年度の主な取組み

平成25年度における主な取組みについて、第四次総合計画の体系に沿ってご説明いたします。

(1)個性を活かした交流の拡大

長崎ならではの様々な魅力をさらに磨き、市民が誇れるまち、世界の人々が訪れたいまちをめざし、交流の拡大に向けた取組みを進めます。

世界遺産の登録に向けては、ユネスコの世界遺産暫定一覧表に記載された「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」、「九州・山口の近代化産業遺産群」について、平成27年の登録をめざし、関係自治体と連携しながら具体的な作業を進めます。

都市機能の充実に向けた取組みのうち、「長崎駅周辺エリア」においては、九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)の開通に向け、長崎県が進める連続立体交差事業と一体的に長崎駅周辺土地区画整理事業を進め、新しい駅舎の検討や駅前広場、道路等の整備を推進します。併せて、市道大黒町筑後町1号線の拡幅整備に向けた作業を進めるとともに、長崎駅前電停や宝町電停のバリアフリー化のための横断歩道の設置について検討を進めます。

整備可能性の調査を進めている「コンベンション施設」については、調査結果を精査のうえ、長崎サミットにおいて認識を共有しながら、平成25年度にその方向性を明確にします。

また、大黒市場等があった岩原都市下水路の開渠化を進め、本年度、河川や歩行空間の整備など、水に親しめる良好な河川環境の確保に向けた設計に着手し、長崎駅周辺からまちなかへの回遊性の向上につなげます。

一方、「まちなかエリア」においては、新大工から浜町を経て、大浦に至るルートをまちなかの軸と設定し、この軸を中心とした5つのエリアそれぞれの個性や魅力の顕在化による賑わいの再生を図るため、「まちぶらプロジェクト」の具体化に着手します。

回遊路や公衆トイレなどの市が取り組む整備とあわせて、まちなかの賑わいを生み出そうとする市民や商店街の皆様の様々な取組みについても、ハード・ソフト両面からの展開を促進します。

新大工エリアでは、商店街等と連携した活性化の取組みや、近隣のふれあいセンターとの動線づくりの検討などを実施します。また、都市計画道路中通り線の伊勢町工区については、本年度整備が完了します。

中島川・寺町・丸山エリアでは、町家の保存活用や和のまちなみの形成、エリア内の歩きやすい環境を整える中島川川端やししとき川沿いの道路整備、魚の町公衆トイレの整備などを実施します。

浜町・銅座エリアでは、国際クルーズ客船の乗客の受入促進や新たな賑わいの仕掛け、路地裏の魅力を顕在化する取組みなどを実施し、銅座地区においては、防災や交通上の問題解決と地域の魅力を高めるため、銅座川プロムナードの整備に向けた調査を実施します。

館内・新地エリアでは、住環境の改善や、まち歩き型観光拠点としての整備を進めている「唐人屋敷顕在化事業」を推進するとともに、唐人屋敷誘導門の建設や富士市場跡地の整備などに取り組むほか、都市計画道路新地町稲田町線の整備、出島とまちなかを結ぶ動線を強化する歩道の整備などを実施します。

東山手・南山手エリアでは、グラバー園内の重要文化財旧グラバー住宅など3棟を含む洋風建物9棟の円滑な保存・活用に係る計画策定に着手するとともに、県市共同による旧香港上海銀行長崎支店での孫文・梅屋庄吉常設展示に向けた整備を行うほか、エリア内をばらの花で彩る「ばらチャレンジ」事業などを実施します。

これら5つのエリアをつなぐ軸づくりとしては、わかりやすい誘導サインのあり方の検討や、10年後のまちなかの未来像を市民や企業等と広く共有するための「まちなか未来予想図」を作成するほか、まちなかの様々なイベント等の情報を発信する「まちぶらプロジェクト情報板」を中心商業地に掲示します。

景観づくりに向けては、住民の皆様と協働して、地区の特徴を活かしたまちなみ形成のルールづくりなどに取り組み、公共事業等においても、専門家からの指導、助言を積極的に取り入れ、公共空間の質の向上を図ります。

また、長崎の特色ある歴史的資産を積極的にまちづくりに活かすため、その基本方針となる「歴史文化基本構想」を策定し、長崎の特色ある歴史、文化、産業と豊かな自然について、文化財を中心に総合的に把握し、保存・活用に取り組みます。

さらに、昨年1月に寄贈いただいた貴重な文化遺産である「心田庵」を広く一般に公開します。

観光においては、「長崎さるく博」プレイベントから10年目を迎える「長崎さるく」について、長崎国体の開催など多くの方々が集まる機会を最大限に活かし、「長崎ファン」の増加につながる満足度の高い、日本一の「まち歩き・まち体験」観光をめざし、本年度から、さるくガイドの魅力の向上等を図り、あわせて、短時間ルートや夜景などのテーマに沿ったメニューの設定など、観光客のニーズに対応した様々な見直しに積極的に取り組み、「長崎さるく」のさらなる進化を図ります。

昨年10月に、長崎の夜景が「世界新三大夜景」に認定されました。

「長崎は夜景のまち」というイメージの浸透を図るために、積極的な情報発信を行い、「世界新三大夜景」ブランドを確立します。

併せて、出島及び観光丸のライトアップを行い、長崎港界隈に夜の賑わいを創出するなど、長崎の夜のさらなる魅力向上を図りながら、情報発信や宣伝活動に取り組み、宿泊・滞在型観光をさらに推進します。

「出島」については、乙名詰所など中央部6棟について、平成28年度の復元をめざし、これまでの遺構調査や基本設計をもとに、建造物の実施設計を行うとともに、出島表門橋についても、平成28年度の架橋に向けた準備を進めます。併せて、夜間における食や音楽、観劇などのイベントの充実に取り組み、さらなる「出島」の魅力向上を図ります。

また、国際クルーズ客船への歓迎行事などによるおもてなしや、港湾の環境整備は、港町長崎の認知度を国際的にも高めつつあることから、引き続き受入体制の整備充実に取り組みます。

さらに、今年10月からJR九州が運行する日本初のクルーズトレイン「ななつ星in九州」の立ち寄り先に、九州の数ある観光地の中から魅力あるまちの一つとして選ばれたことを受け、長崎市ならではのおもてなしでお迎えし、魅力の発信に努めます。

合併地区においては、地域の活性化と交流人口の拡大に向け、市町村建設計画に掲げる事業を引き続き推進します。

また、これを補完するものとして策定を進めている地域振興計画に基づき、地域の個性を活かした振興策に取り組むとともに、地域おこし協力隊員と住民の皆様が連携したイベントの開催や情報発信に積極的に取り組みます。

さらに、交流拠点としての魅力を高めるため、伊王島地区において、既存施設を活用し、特産品の開発などを行う活性化交流拠点施設を整備します。

より多くの方々が長崎の歴史や文化に対する関心や愛着を高めるために刊行する「新長崎市史」については、本年度中に、いよいよ全4巻が刊行されることになり、これにあわせ、普及版や年表の作成にも取り組みます。 

(2)平和の発信と世界への貢献

被爆から68年が経過し、被爆者の高齢化が進み、被爆体験の風化が懸念されるなか、原爆による被害の凄まじさを今に伝える被爆遺構の果たすべき役割は、ますます高まっています。

そこで、城山小学校の被爆校舎をはじめ、爆心地周辺に今も残る4か所の被爆遺構について、国の文化財登録に向けた取組みを進めます。

また、原爆資料の充実を図るため、米国国立公文書館に保存されている長崎原爆に関する文書や写真、フィルムなどの資料の調査・収集に着手するほか、多くの国際機関が拠点を置いているオーストリアの国際連合ウィーン事務所において、国際連合や外務省、広島市と連携して被爆資料等の常設展示を行うことにより、被爆の実相を広く世界に伝えます。

核兵器廃絶に向けた取組みとしては、まず、今年4月に、スイス・ジュネーブの国際連合欧州本部において開催されるNPT再検討会議準備委員会のNGOセッションに出席するほか、平和市長会議主催の会議等に参加し、「核兵器のない世界」に向けた平和のメッセージを強く発信します。

また、今年8月に、広島市において開催される第8回平和市長会議総会へ国内外から訪れる参加者を長崎市へ受け入れ、原爆被爆の実相について理解を深めていただくよう努めるとともに、8月9日の平和祈念式典では英訳音声によるインターネット動画配信を行い、世界の人々へ平和への想いを伝えます。

さらに、今年11月に開催予定の「第5回核兵器廃絶―地球市民集会ナガサキ」を長崎県と協力して支援するとともに、長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)や国内外のNGO等との連携を深めながら、被爆地長崎から、核兵器廃絶に向けての国際世論のさらなる喚起に努めます。

世界平和の礎となる国際交流については、今年、ポルト市、ミデルブルフ市、ヴォスロール村との姉妹都市提携35周年を迎えることから、記念イベントを開催するとともに、ポルト市の職員を協力交流研修員として受け入れ、都市間ネットワークの形成へつなげていきます。  

(3)地域経済の活力の創造

長崎市の経済活性化のためには、外貨の獲得と域内経済の好循環により、雇用の拡大と所得の向上を図る必要があります。

その実現に向け、基幹産業である造船業の競争力を強化し、高付加価値船の建造体制に対応する地場企業の連携・高度化を図るため、企業、県、市など官民が一体となった環境整備や、県と連携した高度溶接などに対応できる人材育成の支援を行うとともに、中小企業を中心とした域内企業の経営力の強化にも取り組みます。

長崎港の物流機能は、長崎市の基幹製造業を支える重要な産業基盤であることから、長崎港の競争力強化や活性化をめざし、定期コンテナ航路の拡充に向け、官民一体となった取組みを進めます。

地場産品の販路開拓については、市内外での商談会・展示会の開催や新商品開発に対する支援を引き続き実施するとともに、地場産品の掘り起こしと商品力強化を目的として、商品ごとの販売戦略を立てる「地場産品ブラッシュアップ事業」を実施します。

また、農水産物及び加工品の新たな販路開拓や消費拡大を図るため、テレビ・ラジオ局とのタイアップによる広告宣伝事業を実施し、PRを強化するとともに、福岡市内において佐世保市、雲仙市と共同で開設しているアンテナショップ「キトラス」を拠点として、アジアにつながる大きな経済圏である福岡地区での販路拡大に引き続き取り組みます。

アジアに向けた販路開拓については、試験販売の実施や飲食店向けフェアを開催するとともに、国内の貿易商社と輸入国の食品バイヤーをつなぐ流通ルートの確立をめざします。

商業振興については、中心市街地において人材や組織を育成するエリアマネージメント事業を推進するとともに、まちなかの賑わい向上及び売上増加を図るため、「まちなか商業人材サポート事業」を実施します。

また、地域の商店街と協働で策定した活性化計画の実施を支援するとともに、より安全に安心して買い物ができる環境整備への支援に取り組みます。

長崎市中央卸売市場においては、昨年度策定した「経営展望」に基づき、卸売市場の認知度向上とイメージアップを図るため、「青果まつり」の開催や「長崎市場直送の店」のPRを行うなど、中央卸売市場のオープン化事業を実施します。

企業誘致については、今年秋の完了に向け、県立長崎南商業高等学校跡地の整備を進め、雇用の場の早期確保と茂木地区をはじめ長崎市の活性化に資するよう、長崎県や財団法人長崎県産業振興財団と連携を図りながら、積極的な誘致活動に取り組みます。

また、国において引き続き緊急雇用創出事業が実施されることを受け、長崎市においても「未就職卒業者緊急就職支援事業」をはじめ、10事業69人の新規雇用創出に取り組みます。

農業については、生産量日本一を誇る農産物である、露地びわの寒害などの気象災害対策として、果樹共済保険負担を軽減するための支援を行うとともに、大玉で食味()の良い優良品種「なつたより」の生産量の拡大を図るなど、地域ブランド力を高め、消費拡大と農家所得の向上を図ります。

また、地域単位で、強い経営体の育成や確立、生産力の強化、耕作放棄地の解消など、安定した農業経営を実現するため、地域農業・農村の未来の設計図である「人・農地プラン」を市内全域で策定します。

さらに、大中尾棚田の保全の継続と地域の活性化を図るため、農業従事者の高齢化や担い手不足を補完する仕組みづくりとして、市民などの支援による「大中尾棚田トラスト制度」をスタートします。

イノシシ、シカ等の有害鳥獣による被害軽減を図るため、「防護対策」「棲み分け対策」「捕獲対策」について、地域と協力した取組みを強化し、特に「防護対策」として市内全域で設置を進めているワイヤーメッシュ柵については、昨年度の約80キロメートルに加え、本年度は新たに約70キロメートルを整備します。

また、「捕獲対策」については、猟友会への捕獲委託のほか、市民等からの被害相談への対応や、狩猟者の担い手育成を充実するため、民間業者の参入を図り、機能的かつ効率的な体制づくりに取り組みます。

水産業については、長崎沿岸域において魚の産卵場として重要な藻場の再生を図るため、地域の活動グループが行う食害生物の駆除や母藻()の設置等に対する支援を行います。

また、藻場の消失が著しい野母崎地区において、実証実験として食害生物防護ネットを設置し、藻場再生をめざす「よみがえる海の森づくりモデル事業」に取り組みます。

さらに、担い手の確保を図るために実施している技術習得研修への支援や研修後の着業を支援するフォローアップ事業に加え、漁業に関心を持つ方に、気軽に漁業を体験する機会を提供するため、短期の漁業体験研修を新たに実施します。 

(4)環境との調和

魅力ある故郷を次の世代へと引き継ぐため、環境負荷の少ない循環型で低炭素な社会の実現に向けた取組みを進める必要があります。

そのために、平成25年度以降の新たな実施計画となる「重点アクションプログラム」に掲げる取組みを推進することで、さらなる地球温暖化対策へとつなげていきます。

再生可能エネルギーへの転換を推進するため、新たに「ながさきソーラーネットプロジェクト」を掲げ、市民、企業、行政などが連携する次の三つの取組みを進めます。

一つ目に、市自らが大型太陽光発電設備である「メガソーラー」を三京クリーンランド埋立処分場敷地内に整備するとともに、その売電収入を財源とした市民の環境活動への支援について検討します。

二つ目に、市が保有する土地や建物の屋根等を太陽光発電事業者へ提供することで、企業と共同した取組みを進めます。

三つ目に、市内の環境NPOが、再生可能エネルギー転換に賛同する市民の出資による「市民エネルギーファンド」の設立を準備していることから、その連携に努めます。

また、省エネルギーの推進については、本年度からの5年間で、市有街路灯を、蛍光灯から消費電力が少なく寿命が長いLED灯への転換を図ります。

  ごみ排出量の削減とリサイクルの推進については、家庭から排出される小型電子機器等の回収可能性について検証を行うとともに、あぐりの丘のフリーマーケット開催にあわせて資源物の回収などを行い、市民の環境意識の向上をめざします。

また、一般廃棄物の焼却施設である西工場の建替えについては、高効率のごみ発電施設として平成28年10月の供用開始をめざし、建設に着手します。

人と自然がふれあう場と機会を創出するため、黒崎永田湿地自然公園にウォーキングコースを設置するほか、湿地内の花を増やし、入口部分を再整備するなど、地域の方々と協働しながら、訪れる人が楽しみ憩う場としての魅力ある公園づくりに取り組みます。

また、いこいの里については、これまで以上に多くの方々が身近に感じ、親しんでもらえるよう、市民や団体等が直接、企画・運営に関与できるような新たな仕組みづくりに着手します。

下水道事業については、公共用水域の環境を良好に保つため、引き続き下水道未整備地区の解消を図り、おおむね本年度までに公道への汚水管整備を完了するとともに、施設の長寿命化・不明水対策を推進します。

(5)安全・安心で快適な暮らしの実現

市民が安全・安心に暮らし、賑わいや住みやすさを実感できるまとまりの良い快適なまちづくりを重視した取組みを進めます。

まず、市庁舎については、老朽化や耐震強度の不足、窓口の分散などの課題を解決し、防災拠点としての機能を高め、市民活動や市民サービスがより円滑になるよう、公会堂敷地を中心とした場所を建設地と定め、平成31年度中の完成をめざし、新庁舎の基本計画を策定します。

都市の防災機能の向上を図るため、浸水の恐れのある地域を表すハザードマップを新たに作成します。また、台風等による高潮被害防止のための調査検討を行うとともに、東望地区における海岸保全事業に着手します。

さらに、指定避難所となっている体育館等の出入口の段差解消等を行うとともに、民間の指定避難所における施設改修に要する費用の助成を継続するなど、避難所機能の充実を図ります。

市民の防災力向上については、自主防災組織の老朽化した防災資機材の再支給を行い、地域防災の要である自主防災組織の活動の活性化を図ります。

消防体制の強化については、外海地区の消防・防災の拠点である北消防署神浦出張所の建替事業を継続するとともに、平成28年5月までの移行期限に向けて、消防救急無線のデジタル化整備事業を推進します。

また、広く市民に自助・共助の必要性を周知するために行っている、消防団員による一般家庭の防火訪問を拡大するとともに、地域住民が相互に顔の見える関係を強固にするための新たな取組みとして、各種防火協力団体、自治会、消防団、消防隊による合同訓練の実施を推進します。

建築物の耐震化については、木造戸建住宅や学校、病院等の民間特定建築物の耐震化に関する費用の助成を継続するとともに、新たに地震時等に著しく危険な密集市街地における木造戸建住宅の除却に対する助成や、緊急輸送道路沿いにおける民間建築物の耐震改修設計に対する助成を実施するなど、建物の安全性の確保を図ります。

安全・安心な住環境づくりを促進するため、「空き家等の適正管理に関する条例」を制定し、所有者等の意識の啓発を行うとともに、指導の強化を図り、あわせて、老朽危険空き家の除却に対する助成を充実させるなど、老朽危険空き家対策を強化します。

斜面市街地再生事業については、引き続き、斜面市街地の住環境改善に取り組むとともに、基本的な指針である「長崎市住環境整備方針」を現状に即して見直します。

東長崎平間・東地区土地区画整理事業については、引き続き、住環境の改善等を進め、平成28年度末までの完成をめざします。

なお、廃止予定区域については、地元関係者の要望を踏まえながら、地域の発展に不可欠な幹線道路の整備など、東長崎地区の住環境改善に取り組んでいきます。

市営住宅については、香焼地区丹馬団地1棟60戸の建替えを完了し、大園団地第2)期の建替事業を継続するとともに、子育て世帯の優先入居を引き続き実施します。

道路整備については、江平浜平線をはじめ、中川鳴滝3号線、虹が丘町西町1号線、清水町白鳥町1号線などの補助幹線道路の整備を引き続き進めるとともに、生活道路についても、琴海戸根町2号線などの工事に着手し、通学路の安全確保や狭あい箇所の拡幅などに重点を置きながら整備を進めます。

斜面地においては、幅員や勾配などを地域の実情に応じて工夫を行い、人のみしか通れなかった道路を車が通行可能な道路へ改良する「車()みち」整備に着手し、住環境と防災面での改善を図ります。

高速道路の4車線化は、交流人口の拡大や安全性・高速性の向上、災害時の基幹道路としての大きな役割を果たすことから、引き続き、九州横断自動車道長崎芒塚インターチェンジから長崎インターチェンジ間の早期事業化に向けた要望活動を進めるとともに、東長崎地区の利便性向上のため、スマートインターチェンジの設置の可能性について調査検討を行います。

さらに、一般国道34号日見バイパスの東口交差点から奥山交差点間の暫定2車線区間についても、4車線化に向けた国への要望活動などに取り組みます。

コミュニティバス等の公共交通については、地域住民の方々と意見交換を行いながら、生活実態に即した今後の方策等を検討するとともに、国の補助制度を活用し、その確保、維持、改善を図ります。

公園整備については、長崎の夜景が「世界新三大夜景」に認定されたことから、稲佐山公園展望台への遊歩道に照明や誘導サインを増設するなど、夜間に安全かつ快適な利用ができるよう再整備を行うとともに、鍋冠山公園、立山公園の展望台についても、魅力ある視点場の整備に向けた基本設計を行います。

また、金比羅公園については、車での乗り入れができるよう園路の整備を図るとともに、広場や展望台などの再整備に取り組みます。

さらに、健康遊具とウォーキングを組み合わせた「高齢者いきいき健康プログラム」に基づき、中心部及び各地域の拠点の公園に健康遊具や解説板を設置し、あわせて、健康教室を開催するなど、公園を活用した健康づくりを推進します。

水道事業については、安全でおいしい水の安定供給に向け、引き続き水道施設統合整備事業や高度浄水処理施設の整備を推進するとともに、新たに、第10次の配水施設整備事業に着手し、老朽管の更新を積極的に進めます。 

(6)ともに支え合い、いきいきと暮らせる地域社会の実現

一人ひとりが個性を発揮して社会とつながるとともに、元気で長生きできる社会基盤を整え、だれもがいきいきと暮らせるまちをめざします。

高齢者については、これまで以上に社会参加を促すため、「高齢者ふれあいサロン」において活動を行うサポーターに加え、市内の東西南北各地区において、介護老人福祉施設や在宅等で活動するサポーターを養成します。併せて、それらの活動に対し地域支援ボランティアポイント制度を導入し、高齢者の生きがいづくりや居場所づくりを進めます。

また、野母崎診療所に併設する特別養護老人ホーム等を運営する事業者に対し、初期の施設改修に係る費用を補助するなど、高齢化が進む野母崎地区の住民が安心していきいきと暮らすことができるよう、施設の早期開設に向けた取組みを進めます。

 障害者の支援については、平成25年4月の「障害者優先調達推進法」施行を踏まえ、障害者の店「はあと屋」に、受注円滑化のための共同受注窓口機能を構築するなど、安定した供給体制を確立し、福祉的就労を行う障害者の社会参加の促進と、さらなる売上向上、工賃アップを図ります。

 また、心身障害者福祉医療費については、精神障害者を新たに支給対象とするなど、拡充に向けて取り組みます。

生活保護受給者の支援については、就労可能な生活保護受給者に対し、新たに民間企業と連携した就業訓練や求人先の開拓により個々の就労能力に応じたきめ細かな就労支援を行い、経済的自立を促進します。

また、就職活動の長期化に伴い、社会とのつながりが希薄となり、早急な就労が容易ではない生活保護受給者に対しては、ボランティアや就労体験等の場を提供して社会参加を促し、社会的自立を図ります。

被爆者援護については、高齢化し、病気に苦しむ被爆者の立場に立ち、引き続き、原爆症認定制度の見直しなど、援護施策のさらなる充実を強く国に要望していくとともに、在外被爆者の支援については、台湾現地における情報提供や各種申請、健康相談等ができる体制を整えていくため、関係機関との協議を進めます。

乳幼児期の子どもの育ちとその親育ちの支援については、0歳時期から始まる親子の絆づくりのお手伝いをするファシリテーターを養成します。併せて、はじめて子育てをする母親が、親としての知識や役割を学び、子どもと適切な関わりを持つための「親育ち講座」を実施します。

また、「父親のための育児手帳」を作成し、これから父親となる方に活用していただくことで、父親としての自覚を育みながら育児ができるよう支援します。

さらに、上長崎地区における地域コミュニティの拠点施設として本年4月にオープンする「上長崎地区ふれあいセンター」内において、子育て支援センター事業を実施し、子どもや子育てに係る保護者の不安や悩みの軽減を図ります。

保育所待機児童の解消については、幼稚園と保育所の機能を活かした「認定こども園」への移行を推進するとともに、認可保育所の設備や職員配置に関する基準を満たす、質の確保された認可外保育施設に対して運営費を助成し、定員の増加を図ります。

また、就労等の理由により私立幼稚園の預かり保育を利用している保護者に対し、保育料の補助を増額することで保護者の負担軽減を図ります。

放課後児童クラブについては、増加する保育ニーズに対応するため、未設置校区の解消、大規模クラブの規模の適正化、狭あい化の解消などを計画的に進めます。

健康づくりについては、慢性腎臓病の予防・早期発見のため、その危険性を広く市民へ周知し、健診の受診につなげていきます。

併せて、かかりつけ医と専門医の病診連携システムを稼動させ、医療機関等から紹介された患者に対し、管理栄養士の栄養指導のもと、腎機能の低下防止、人工透析への移行防止に取り組みます。

また、医師、歯科医師、薬剤師等で構成する「長崎市禁煙支援ネットワーク」を活用した禁煙対策を推進し、本年度は、国民健康保険の被保険者で禁煙を希望される方に対し、薬局でニコチンパッチを提供し、禁煙指導を行っていきます。

さらに、本年度スタートする長崎市歯科口腔保健推進計画の重点施策である「障害者・要介護者に対する歯科口腔保健の支援」、「むし歯予防のためのフッ化物の利用」の推進を図ります。

救急救命体制の充実に向けては、新たに中央消防署飽の浦出張所に高規格救急自動車を配置します。

また、新たな取組みとして、市内すべての中学1年生を対象に、AEDの取扱いを含めた心肺蘇生法の実技の修得に加え、応急手当の重要性や命の大切さを学んでもらう、スクール救命サポーター育成事業を実施します。

地域医療については、合併地域を含む南部地区の救急医療体制を維持するため、地域の救急拠点病院に対し、休日・夜間の救急医療に係る運営費の一部を補助します。併せて、外海・野母崎・三和地区の救急医療体制を強化するため、新たに同地区の病院を救急医療協力病院に指定します。

また、持続可能な医療体制を確保していくため、中長期的な医療需要などの統計情報収集及び分析を行い、今後の医療機関の機能分化や地域医療連携を促進する取組みにつなげます。

さらに、新市立病院については、ER型の救命救急センターの整備や、高度・急性期医療の充実など、市民が安心して医療を受けられる環境を整えるため、平成26年2月の第1)期開院をめざし着実に建設を進めます。 

(7)創造的で豊かな心の育成

変化の激しい社会情勢のなか、次代を生きぬく子どもには、「知・徳・体」のバランスのとれた生きる力を育むことが肝要であるとの認識のもと、学校・家庭・地域がそれぞれの教育力を発揮し、協力することで教育効果を高め、心身ともに豊かで主体的に行動できる子どもの育成に取り組みます。

生涯にわたる人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期である幼児期からの子どもの発達や、学びの連続性・一貫性を踏まえた教育を行うため、幼稚園・保育所と小学校との連携は極めて重要です。

そこで、先般、幼保小連携検討懇話会において作成していただいた手引書を、市内すべての幼稚園・保育所・小学校へ配付し、幼児期の育ちの重要性を意識した、具体的な連携の取組みを進めます。

また、昨年度から、長崎市PTA連合会と協働で取り組んでいる、子育てについて親が学び合う、ファミリープログラムについては、市立の全小中学校へ拡大して実施し、家庭教育力の向上を図ります。

学校教育においては、小中学校9年間を通して学校・家庭・地域・教育委員会が一体となって取り組む「長崎市学力向上プラン」に基づき、個々の児童生徒の課題に沿った細やかな学習指導を行うとともに、小中連携の強化により、継続した学力向上に努めます。

また、電子黒板やデジタル教科書などの情報機器の効果的な活用について、さらに研究を進め「わかる授業」づくりに努めます。

国際理解教育においては、国際性豊かな子どもを育成するため、小中学校9年間継続した英語教育の充実を図ります。

本年度は、市立の全小中学生が、給食や休み時間なども含め日常生活の中で外国人と触れ合うことができるよう、外国人ALTを26人から32人に増員し、外国語を使ったコミュニケーション能力などの向上に向けた取組みを強化します。

また、国際クルーズ客船で訪れた観光客との交流や、アジア諸国からの修学旅行生との交流、出島などの施設を利用したALTとの国際交流イベントの実施など、外国人と児童生徒が直接触れ合う国際交流体験の充実に努めます。

さらに、長崎市内の中学生を韓国に派遣し、体験研修や団体生活を通じて、地域の子どもたちのリーダー及び国際人としての人材育成を図るとともに、現地の子どもたちとの相互理解と友情を深め合う「子どもゆめ体験事業」を実施します。

教育環境の整備については、校舎等の老朽化と教室不足の解消を図るため、小榊小学校において、移転改築に着手するとともに、戸石小学校においては、特別教室とプールを合築した校舎棟の増築に取り組みます。また、長崎市初の試みとして野母崎地区で整備を進めている小中一貫教育校については、平成26年4月の開校をめざすとともに、改築を進めている東長崎中学校についても、平成26年4月の供用開始に向けた新校舎の建設に引き続き取り組みます。

科学館については、老朽化したプラネタリウム施設を全面改修し、世界最多の星が再現される先進的な施設として、平成26年3月のオープンをめざします。

日吉青年の家については、自然体験や農業等の作業体験を通して、「人との関わり方」や「役割分担の重要性」を学ぶとともに、「郷土愛を育むこと」を目的として、市内すべての小学校5年生が2泊3日で長崎ならではの宿泊体験学習ができる自然体験型宿泊研修施設として、建替えに向けた設計を行います。

「長崎がんばらんば国体」及び「長崎がんばらんば大会」の開催まで、600日を切りました。

 本年度は、競技会運営能力の習熟と翌年開催される本大会の機運醸成を目的として、10競技11大会の競技別リハーサル大会を開催し、特に、全国規模である7大会においては、ボランティアの皆様の協力も得ながら、万全な運営体制を実現します。

 また、長崎県全域で開催される「第37回全国高等学校総合文化祭(しおかぜ総文祭)」及び長崎市が競泳競技の会場となっている「平成25年度全国高等学校総合体育大会(北部九州総体)」の開催にあたっては、全国から訪れる関係者を温かくお迎えするとともに、生徒相互の親睦を深め、鮮やかな思い出として残る大会となるよう取り組みます。

 文化芸術面においては、市民自らがブリックホール大ホールのステージに立つ「市民参加型舞台公演」を実施し、演劇・音楽や舞台制作全体に市民と一緒に取り組むことで、文化活動に興味を持つきっかけづくりを行い、さらなる活性化を図ります。

また、「マダム・バタフライ」をキーワードとして、ながさき音楽祭と融合した音楽フェスティバルを開催し、音楽文化活動のすそ野拡大をめざします。 

(8)多様な主体による地域経営

まちづくりの主役は、市民一人ひとりであり、市民、企業、行政などがお互いにつながり、ネットワーク化することで、新しい価値や仕組みを創り出していくまちをめざします。

そこで、市民や地域の団体、行政などの役割を明らかにし、それを共有し、お互いが連携していくための自治の方針や基本的なルールを定める「(仮称)自治基本条例」の制定に向けた検討に着手します。

近年、少子高齢化の進行や地域のつながりの希薄化など、地域での助け合いを維持することが難しくなったという声が聞かれる一方で、東日本大震災以降、地域コミュニティの大切さが再認識されています。

地域はその成り立ちや地理的状況など個々の実情に応じ、現状や課題は様々です。だからこそ、地域をよく知る住民や地域の団体の皆様自身が、地域のプレイヤーとして、「自分たちのまちは自分たちでよくする」仕組みづくりを進めていくことが重要となります。

昨年度から、自治会をはじめとする地域の様々な団体が連携して取り組む活動に対し、「地域コミュニティ活性化事業」として補助金交付などによる支援を行っており、この事業を通して、防犯活動などが活発化したり、様々な地域行事への参加者が増加したりするなど、地域のつながりの輪が広がる事例も生まれています。

そこで、本年度も引き続きこの事業を継続するとともに、それぞれの地域に何が必要なのかを地域の皆様と一緒に考えながら、地域コミュニティの力をさらに活性化し、より強く、継続していくための支援に積極的に取り組みます。

また、自治会加入率の低下や高齢化による担い手不足などの課題に直面している各自治会の活動の活性化と役員の負担軽減を図るため、課題解決に向けた取組み事例の紹介や自治会活動に必要な情報を提供する「(仮称)自治会活動マニュアル」を作成し、各自治会に配布します。

地域における行政サテライト機能の核となる支所・行政センターについては、地域の代表者や学識経験者などで構成される「長崎市支所等あり方検討委員会」から提出された報告書の趣旨を踏まえ、身近な手続きの受付や地域支援業務を充実するとともに、権限・予算を持ち、地域の実情に合った事業が実施できる新たな体制の構築に向け、具体的な取組みを進めます。

また、「長崎市行財政改革プラン」に基づき、ごみ収集運搬業務の民間委託の拡大による北部環境センターの廃止や長崎市土地開発公社の解散など、職員数や経費の削減といった「量」の改革を着実に実施するとともに、平成26年度の汎用機廃止に伴う新システムの導入に合わせた事務手順の見直しや、住民記録、税、福祉等のシステムを連携して稼働させるための取組みを引き続き進めるなど、業務の「質」の向上を図り、効果的、効率的な市政運営を行います。

「公共施設マネジメント」については、専任部署を新たに設置し、引き続き、その進捗を図るとともに、遊休地の売却促進などの収入増対策に取り組み、市有財産の効果的・効率的な活用を推進します。

また、職員が、常に市民起点の意識を持ち、自ら長崎のまちを知り、見識を深めながら、「成果をあげられる市役所」をめざし、仕事の実践力を高めるための仕組みの構築や、改善が当たり前の職場風土づくりに向けた取組みをさらに推進します。

自主財源の確保に向けては、市税等の収納率の向上を図るため、滞納処分をさらに強化するとともに、市民の利便性の向上を図るため、市の窓口でも口座振替の申込みができる新たな受付サービスを開始します。

また、新たに整備したマニュアルの活用により、法的措置などの取組みを推進し、全庁的な未収金の縮減を図るなど、収入の確保に努めます。 

以上、申し述べました方針に基づいて編成した平成25年度予算は、

一般会計  2,162億2,000万円

特別会計  1,210億3,411万円

企業会計   438億7,597万6千円

合   計  3,811億3,008万6千円

となっています。

4 おわりに

長崎市を取り巻く社会経済情勢は、今後も厳しい状況が続くと予想しておりますが、一方、このような時代だからこそ、新しいやり方、仕組み、ルールなどを模索しながら、つくりあげていく力をつける絶好の機会でもあります。

だれもが暮らしやすい、長崎らしく魅力的なまちとなるために、私はもちろん職員一丸となって、第四次総合計画がめざす都市像である「個性輝く世界都市」「希望あふれる人間都市」の実現に向け、全力を傾けてまいる所存です。

引き続き、市民の皆様、並びに議員の皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、平成25年度の施政方針といたします。

お問い合わせ先

企画財政部 都市経営室 

電話番号:095-829-1111

ファックス番号:095-829-1112

住所:〒850-8685 長崎市桜町2-22(本館4階)

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