ここから本文です。

施政方針(平成22年2月23日)

更新日:2013年3月1日 ページID:006859

平成22年度 施政方針

平成22年2月23日、平成22年第2回市議会定例会の冒頭において、田上富久 長崎市長が市政運営に対する所信を述べました。

目次

はじめに

1 市政運営の基本的な考え方

(1)激しい変化の時代

(2)3つの方向性

2 平成22年度の市政運営

(1)予算編成にあたって

(2)平成22年度の主な取組み

商工業に活力があるまちをつくる

農水産業が元気なまちをつくる

福岡に新たな「長崎」拠点をつくる

個性が輝き交流が広がるまちをつくる

歩いて楽しいまちをつくる

コンベンションで賑わうまちをつくる

元気でいきいき暮らせるまちをつくる

子育てしやすいまちをつくる

人が育つまちをつくる

安全で安心なまちをつくる

環境にやさしいまちをつくる

市民生活を支える基盤をつくる

合併地区の魅力を掘り起こす

文化とスポーツに親しむまちをつくる

平和の輪を広げるまちをつくる

地域コミュニティが豊かなまちをつくる

市民活動が活発なまちをつくる

市民の立場に立った行政サービスを提供する

市民に信頼される市役所をつくる

まちのかたちをつくる

むすび

本年度は、私が市民の皆様から市政の舵取りを託されて以来、4年目となり任期の最終年度を迎えます。
改めまして市民の皆様、議員の皆様の日頃からのご理解とご協力に心から感謝申し上げます。

1 市政運営の基本的な考え方

(1) 激しい変化の時代

私は、就任直後の施政方針で、「私たちはまさに、激しく変化する時代の真っ只中にいる」と申し上げました。あらゆる分野で、大きな変化が、急激に起きていることを私たちは実感しています。
医療、健康保険、年金、教育、地方自治など社会を支えてきた制度が、どれも新しい形を探しています。農業、水産業、製造業、サービス業など、どの産業も苦しみながら新しい可能性を探しています。子どもの育て方、高齢者の生き方、地域コミュニティのあり方など日本中が迷いながら新しい方法に挑戦し始めています。
激しい変化の時代は、時代認識とそれに向かう姿勢次第で、大きな格差が生まれる厳しい時代でもあります。そこで私は、ただただ変化に翻弄されることがないように、変化にしっかりと対応しよう、むしろ変化を自らつくりだそうと、様々な取組みを進めてきました。

(2) 3つの方向性

取組みの基本的な方向を示すものが、「個性的なまちをつくる」「暮らしやすいまちをつくる」「みんなでまちをつくる」という3つの方向性です。
「個性的なまちをつくる」という方向性は、画一的なまちよりも個性的なまちの方が魅力的であるという価値観に立って、長崎の個性を徹底的に磨こうという方向性です。幸い長崎市は、特異な歴史の中で独特の文化を育んできたまちであり、オリジナル性の高い資源を数多く持っています。近年の7町との合併により、自然を含む魅力的な資源はさらに増えることにもなりました。
この個性的な魅力を「見える化」し、提供する仕組みの一つが「長崎さるく」であり、ここ数年の取組みの中で、スタイルを確立し、多くの皆様に楽しんでいただいています。上陸を解禁した軍艦島や坂本龍馬ゆかりの亀山社中跡など、昨年も新たな長崎の個性が光を放ち始めました。世界遺産登録に向けた準備も進んでいます。
このように長崎独自の価値の高い資源を一つずつ整備し、来訪する皆様に提供する「長崎化」の作業は、一歩一歩着実に成果を挙げてきています。市民のまちへの関心や観光への参画意識も高まってきました。
今後は、景観やデザイン、快適性などまちの質を高める作業にも取り組む必要があります。平和都市ナガサキとしての使命を果たすことも、いうまでもなく重要です。こういった取組みを一つ一つ重ねていくことで、到来しつつある"都市の多様化の時代"に、世界に輝く長崎をつくりあげることができると考えます。
二つ目の「暮らしやすいまちをつくる」という方向性は、地域の課題を地域の視点で解決できるまちになろうという方向性です。
長い間、政策は国がつくり、地方自治体はその手足となって実行するという地方自治のあり方が続いてきました。しかし、全国画一のルールでは解決できない多様な課題が増える中、地方分権、地域主権の流れがようやく動き始めました。基礎自治体である市は、住民に最も近い行政として、現場で起きている課題を見つけ、持っている資源を有効に使って解決方法を組み立て、それを実行して成果を挙げることを期待されています。
例えば、福祉の分野では、要望の多かった乳幼児福祉医療費の現物給付を実施しているところです。今後、障害者や母子家庭・寡婦の立場にも立って、障害者福祉医療費、母子・寡婦福祉医療費の現物給付についても是非実施したいと考えています。
また、学校現場では、今必要とされているのは何かを見極め、校舎の大規模改修や、子どもたち一人ひとりを大切にする特別支援教育支援員やメンタルフレンドの配置、緊急時に対応するためのAEDの設置など、細やかに対応してきました。
さらに、ここ数年の商工行政では、市内の専門家の力を借りて長崎市独自の経済成長戦略を立て、職員が企業を一つ一つ訪問して現状や課題を把握し、販路拡大のサポートなどの事業を組み立て、地場産業を支援する取組みを進めています。
まだ道半ばではありますが、到来しつつある"新しい地方の時代"に、しっかりと市民の皆様の負託に応えることができる市役所を、職員一人ひとりが努力を重ね、つくりあげたいと考えています。
三つ目の「みんなでまちをつくる」という方向性は、公的な課題は行政が解決するのが当たり前という社会ではなく、だれもがそれぞれの立場で解決に参加する"全員プレーヤーのまち"を目指そうという方向性です。
現実に行政は万能ではなく、今も自治会などの地縁組織が多くの地域の課題を解決してくれています。NPOなど特定のテーマで社会と関わろうとする人たちも増えてきました。
一方、このような社会的課題の解決にいくつかの主体が力を合わせて取り組む"協働"の事例も増えてきました。今年2月6日から8日まで行われた「第4回核兵器廃絶・地球市民集会ナガサキ」は、市民と行政の協働によって運営された国際会議であり、長崎の市民力の高さを力強く示してくれたものでした。今年1月2日に浜町で行われた「長崎1万人乾杯!」も市民の皆様の発案と運営によるものでした。
自治会と大学、NPO同士、企業と地域など様々な協働のパターンが生まれています。平成20年10月に開設した市民活動センター「ランタナ」は、市民活動のための小さな拠点ですが、ここからも様々な協働による活動が誕生しています。
長崎市は今、この方向を目指して試行錯誤を繰り返しながら、ノウハウを蓄積し、ネットワークを広げています。それぞれに自立した個人やグループが、必要な時には力を合わせることのできるまちを目指しています。それが市民生活の様々な問題に対して、より柔軟で、課題解決力の高いまちだからです。
私は、これら3つの方向性の取組みは、必ず5年後、10年後の長崎で実を結んでいると確信しています。

施政方針 目次へ

2 平成22年度の市政運営

(1) 予算編成にあたって

本年度の当初予算編成において、歳入面では、国による「地域主権改革」の第一歩として、地方が自由に使える財源である地方交付税が増額されるなど、一定の地方財政対策がとられていますが、根幹となる市税は、景気低迷の影響から個人及び法人市民税とも大きく落ち込んでいます。
また、歳出面では、臨時一括償還に伴い公債費が増加することや、景気低迷等に伴い生活保護費など扶助費が増加することから、義務的経費は大きく増となります。
このように、依然として厳しい財政状況ではありますが、長崎市が抱えている喫緊の課題、また、今やらなければならない重点施策には積極的に取り組むこととしています。
一昨年の世界的な金融危機から引き続く景気低迷の影響により、市民生活にも景気や雇用に関する不安が広がっている中で、今、長崎市が最優先で取り組むべきことは、このような市民の不安を払しょくし、市民の暮らしを守るということです。
そこで、本年度は、地域経済の活性化に資する投資的事業に重点的に取り組むとともに、地域経済を支えている中小企業に対する支援と雇用対策の強化に努めます。
本年度予算を、2月臨時補正予算を含む14か月でみると、投資的事業については8年振りに200億円を確保しました。また、緊急的な雇用創出事業として29事業を実施し、257人の雇用を創出することとしています。
その他、市民生活にしっかりと目配りをしながら、いきいきと子どもたちが成長できる環境づくり、社会的にサポートが必要な人への支援などに重点的に取り組みます。
また、「長崎化」をさらに徹底するために、歩いて楽しいまちづくり、合併地区の活性化、核兵器廃絶に向けた取組みなどにも重点を置きます。
このような喫緊の課題及び重点施策を実施するにあたっては、行政改革の推進や給与制度の見直しなどによる人件費の縮減及び事務事業の見直し等により財源を捻出し、重点的に予算を配分したところです。
長崎市が取り組むべき課題は決して少なくありません。その中で、現場の視点で市民ニーズを的確に捉え、市民の皆様が日々安らかに暮らし、将来に向けた夢が持てるよう、現在の課題に対応しながら、未来への投資ともなるような施策に重点的に取り組んでいきます。
以下、主な取組みについて、その概要を説明します。

施政方針 目次へ

(2) 平成22年度の主な取組み

商工業に活力があるまちをつくる

日本経済の厳しい状況が続く中、「長崎市経済成長戦略」を踏まえ、地域経済を支えている中小企業に対する支援と雇用対策の強化に努めます。
まず、中小企業に対する経営全般に係るものとして、販路開拓を中心とする経営課題を解決し、経営力を強化するため、商工部に中小企業振興室を設け、スタッフの企業担当制を敷くことにより、個々の企業に対応したきめ細やかな支援を行います。
また、金融支援として、昨年4月に創設した国の緊急保証に連動する、低利で長期返済型の融資制度をさらに1年間継続して、経営の安定化を図ります。
さらに、少子高齢化や人口減少などにより域内市場が縮小している中、国内外への事業進出を目指して、展示会等へ出展しようとする企業に助成を行うとともに、市内の企業が開発した優れた新製品を、長崎市の認定製品として広く公表することで、競争力強化と域外への販路開拓を支援します。
雇用対策については、雇用の維持を図る上で有用な制度である国の雇用調整助成金や中小企業緊急雇用安定助成金の活用を図るため、中小企業等の相談にきめ細やかに対応ができるよう、新たに産業雇用支援課を創設し、地場企業の雇用維持を支援します。
また、新卒大学生等の就職環境が厳しさを増す中、本格的な就職活動に入る前の大学3年生等に向けたセミナーを開催し、就職に関する学生の不安解消や準備活動の早期化を促すとともに、地場企業を研究する機会を創出し、地元学生の地域への定着を図ります。
地域商店街の多くが抱える問題を解消するため、商店街と長崎市が協働で、現状分析、消費者ニーズの把握、将来像の設定等を行い、将来性のある活性化計画の策定を行うとともに、イベント等による地域内の消費拡大に向けた取組みや空き店舗を活用した地域コミュニティ施設の整備に対する支援を行います。
企業誘致については、昨年暮、全日本空輸株式会社の予約・案内センターの長崎市への立地が決定したところであり、このような企業誘致の実績が一つでも多くなるよう、長崎県とも密接な連携を図りながら引き続き努力します。
また、水道料金の企業負担の軽減を図るため、使用水量が多いほど単価が高くなる逓増度の緩和など、かねてからご要望が多かった水道料金体系の見直しを本年度中に実施します。

農水産業が元気なまちをつくる

農水産業については、高齢化により担い手が不足している反面、新たな雇用創出の場として期待されている産業でもあります。後継者育成のための研修の充実や、企業をはじめとした新たな担い手の堀り起こしなど様々な取組みにより、農水産業の振興を図ります。
水産業では、平成23年度から5年間の施策の指針となる、新たな水産振興計画を策定し、活力あふれる水産業の実現に向けた道筋を作ります。
また、生産者、料理店等と連携し、のもざき伊勢エビまつりや戸石はも祭りのような旬の魚をメインとした料理フェア等のイベントを開催し、魚に親しんでいただくとともに、地域の活性化につなげていきます。
つくり育てる漁業の推進では、中国福州市との水産技術交流の成果として、成長が早く病気に強い長崎産ハイブリッドアワビの生産技術の開発を促進し、陸上養殖の普及、拡充を図るとともに、産学官協働のもと、トラフグ白子の利用による養殖トラフグの付加価値向上に努めます。
農業では、より高品質で収益性の高い農産物の生産や特産品の加工を推進するため、小規模のハウスや農産物加工設備にも新たに支援を行います。
また、日本一のびわ産地を維持するため、大玉で甘くやわらかい優良品種「なつたより」への転換を促進するとともに、遊休市有地を活用した三和宮崎地区のほ場が完成することから、入植者を募集し、収益性の高い農業に取り組みます。
道の駅夕陽が丘そとめについては、レストランと店舗を拡張し、地元農水産物を使用した美味しい料理を市民や観光客に提供するとともに、大中尾の棚田米やド・ロ様そうめんをはじめとした地元農水産物や加工品の販売にさらに力を入れることにより、地域の活性化に取り組みます。

施政方針 目次へ

福岡に新たな「長崎」拠点をつくる

福岡との新しい関係をつくる産業拠点として福岡市博多区に「佐世保・雲仙・長崎アンテナショップ」を開設します。このアンテナショップでは、食・物産・観光資源を含めた長崎の魅力を知ってもらうことや様々な情報を収集することで、アジアにつながる大きな経済圏であり発信力を有する福岡を長崎の市場と捉え、食材や特産品の販路拡大を図るとともに、長崎の魅力を積極的に発信して長崎ファンを増やしていきたいと考えています。

個性が輝き交流が広がるまちをつくる

長崎には、国内のみならず世界の方々にも誇れる価値のある資源がたくさんあります。これらの資源を長崎の個性として磨き、まちの品格と魅力を高めることが、市民にとって誇りとなるとともに、長崎を訪れる方々の喜びとなり、ひいては交流人口の増加につながるものと考えています。さらに、この交流人口の増加をベースとして、産業が活性化し雇用が生み出されるような持続可能な「観光の産業化」を目指します。
今年は、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の放送により、多くの皆様を長崎へお迎えすることになるものと期待しており、"龍馬と長崎"の魅力を十分に満喫していただきたいと思っています。
本年1月2日、浜町・ベルナード観光通りに「長崎まちなか龍馬館」を開館しました。この施設は、坂本龍馬と深い関わりを持つ長崎の歴史や文化の魅力に触れていただけるとともに、観光インフォメーションの機能を併せ持っており、今年の長崎観光の拠点になるものと考えています。
併せて、龍馬をはじめとする長崎で活躍した人物にスポットをあてたまち歩き「長崎さるく英雄(ヒーロー)編」を本年末まで開催し、多くの皆様が長崎市内を回遊して楽しめる仕組みづくりに努めます。
この「龍馬伝」の効果を一過性のものとせず次のステップへ踏み出すため、全国の龍馬ファン、歴史ファンにアピールしながら、稲佐山や出島をはじめとした長崎の個性を磨くことにより、更なる集客に努めていきます。
日本三大夜景の一つである稲佐山からの夜景の魅力を市民や観光客の皆様に改めて堪能していただくとともに、滞在型観光を推進するため、展望台の快適性を高め、併せてロープウェイのゴンドラを長崎らしいデザインのものにリニューアルします。
出島復元整備については、これまで懸案であった表門橋の架橋に向けた具体的な検討に入ります。本年度は、出島史跡整備審議会の小委員会等において、構造等の技術的・学術的な検討を行います。また、史跡中央付近の遺構調査を実施し、筆者部屋など建造物6棟の復元にも着手します。
出島については、これらのハード事業を着実に進めるとともに、旧長崎内外クラブを活用し、長崎街道シュガーロード展開事業としての企画展、スイーツフェスタなども行います。
また、市民の方々に出島の魅力を体感していただく機会を増やすため、イベント等に合わせて市民無料期間の拡大を図ります。
世界遺産登録への取組みとして、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」では、構成資産の確実な保存や活用を市民と一体となって進めるためのアクションプランを策定します。また、「九州・山口の近代化産業遺産群」では、「(仮称)端島・高島炭鉱調査検討委員会」を設置し、端島等の文化財としての価値や今後の保存・活用のあり方を検討します。
長崎ペンギン水族館では、ふれあいペンギンビーチの魅力をさらに高めるため、ペンギンの動きをより身近に観察することができ、餌やり体験もできるステージ等の整備を行うとともに、バーチャルシアターに最新の映像技術を導入するための設計に着手します。
長崎の文化財や歴史、伝統を活かしたまちづくりを行うために、国指定史跡である長崎台場跡魚見岳台場跡の保存管理計画の策定や、県指定有形文化財である伊王島灯台旧吏員退息所等の保存整備に着手します。また、合併地区などにおいて、地域の歴史や文化財に触れる機会を増やすため、文化財資料の移動展などを実施します。
国際観光への取組みについては、近年急増しているクルーズ客船による中国からの観光客をはじめ、長崎市を訪れる外国人観光客のニーズを的確に把握し、より快適に過ごせるまち、訪れて楽しいまちづくりを目指します。
また、本年3月には松が枝国際観光埠頭ターミナルが竣工しますので、その機能を十分に活用し、海外からのお客様に市内観光を快適に楽しんでいただくと同時に、市民の皆様が港やクルーズ客船をより身近に感じられるよう、長崎県と連携を図りながら取り組んでいきます。

施政方針 目次へ

歩いて楽しいまちをつくる

生活空間の質を高め、長崎を訪れる方々にも快適に過ごしていただくために、デザイン性に優れ、バリアフリーなどの快適性を兼ね備えた、歩いて楽しいまちづくりを目指します。
本年度は、その第一歩として、新大工方面から大浦方面に至る一本道、いわゆる"まちなか軸"を「長崎の歴史・文化の軸」と捉え、この軸上に位置する新大工や中島川・寺町、浜町・銅座、館内・新地、東山手・南山手などの個性漂う地域の魅力をさらに磨きます。
まず、コンセプトづくりとして「まちなかデザイン会議」の協力を得ながら、10年後を目途としたまちなかのデザインの全体計画を策定します。
また、人の輪づくりとして、市民のまちづくりに対する意見交換の場である「まちなか座談会」を開催するとともに、昨年度実施した「市民参加型まちづくり推進事業」をさらに発展させ、地域や市民団体などの多様な人との連携を図ります。
さらに、まちの舞台づくりとして、銅座川周辺や中通りをはじめとした道路等の整備、休憩広場の設置、町家等の歴史的建造物の保全・活用、説明板・誘導サインの整備、トイレ設備の快適化など、地域の魅力を伝えるトータルデザインを意識して整備を進めます。
これらまちなかの整備のほか、「平和の歩道」整備事業として、被爆都市長崎を象徴する平和公園のエントランス部において、歩行者の安全で快適な動線と滞留空間を確保するとともに、高齢者や障害者の方々が祈念像前広場へ安全安心に移動ができるよう、平成24年度の完成に向けて歩道の拡幅とエスカレータ等の整備に着手します。併せて、松山交差点から浦上天主堂までの電線の地中化にも新たに着手し、平和公園周辺の快適性を高めます。

コンベンションで賑わうまちをつくる

今年は、全国的・世界的なコンベンションやイベントが長崎で数多く開催されます。
まず、5月には第78回日本プロゴルフ選手権大会がパサージュ琴海アイランドゴルフクラブで開催されます。長崎市としても、この大型スポーツコンベンションを側面からサポートし、大会を盛り上げるとともに、今後の新たなコンベンションの誘致等につなげていきたいと考えています。
また、7月には長崎水辺の森公園、松が枝国際観光埠頭などをメイン会場に、「海の日」の意義を再認識することや海に親しむ環境づくりを目的として、「海フェスタながさき~海の祭典2010長崎・五島列島~」を開催します。
期間中、長崎市の豊富な水産物・食の紹介や、長崎市の世界最先端の技術力を体感できるような大学・民間団体との連携事業、体験航海などの参加型イベント、五島市・新上五島町の子どもたちとの交流事業など様々なイベントを展開します。
そのほか、長崎帆船まつり、ながさきみなとまつり、長崎ペーロン選手権大会などを関連事業として開催し、長崎県内外の多くの皆様に、長崎港を中心として栄えてきた長崎市の歴史・文化、豊富な水産物などの魅力を堪能していただきたいと思います。
さらに、ユニオン・ネットワーク・インターナショナルの第3回世界大会が、2001年のベルリン、2005年のシカゴに続き本年11月に長崎で開催されます。約1週間の大会期間中、世界各国から延1万人の方々が参加し、労働者の福祉の向上を目指すとともに、市民との国際親善交流や被爆地からの平和の発信が計画されています。
また、国際文化観光都市としてのコンベンション機能の強化が重要となってきており、長崎にふさわしいコンベンション施設のあり方や、誘致の可能性などを調査・検討します。

施政方針 目次へ

元気でいきいき暮らせるまちをつくる

高齢者や障害者など社会的サポートが必要な方への支援を優先することはもちろん、だれもが健康を保ち安心できる環境のもと、地域社会の一員として活躍しながら、いきいきと暮らせるまちを目指します。
これまで障害者に対しては、就労支援相談所や授産製品の販売所の開設などの就労支援に力を入れてきました。本年度は、これをさらに充実させ、ホームヘルパー2級資格を取得するための講座を実施し就労につなげていくとともに、障害者雇用の成功事例などの情報収集を行い、企業向けの啓発活動や環境整備に取り組みます。
さらに、障害者及び母子・寡婦福祉医療制度については、市役所での手続きの負担解消を図るとともに、医療機関での支払いを軽減し、安心して受診していただけるよう、現物給付方式の本年度中の導入に向けて関係機関と協議を進めます。
高齢者に対しては、心身ともに健康を維持していくための取組みも重要であり、その一つとして、地域における世代間交流の場として「ふれあいサロン」を開設します。また、住み慣れた地域で快適に暮らし続けることができるよう、小規模特別養護老人ホーム12か所の整備に対する補助を行うとともに、介護認定調査に必要な人員を確保し、迅速に介護サービスを受けられるよう、審査期間の短縮を図ります。
健康づくりでは、死亡率の高いがん対策として、肺がん検診をレントゲン車による巡回検診から個別医療機関への委託方式に変更し、受診機会の拡大を図ります。
被爆者援護については、高齢化した被爆者救済のために、被爆実態に即した原爆症認定制度の見直しを含め、より一層の速やかな審査について、引き続き議員の皆様のお力添えをいただきながら、国に強く要望していきます。

子育てしやすいまちをつくる

長崎の未来を担う子どもたちが健やかに育ち、子育ての喜びや楽しみを実感できるまちになるよう、子育て支援や子どもたちの健全な居場所づくりに、さらに力を入れていきます。
産後の精神的・身体的負担を軽減するため、育児や家事の支援を行う「産後のママサポート事業」を新たに始めるほか、乳幼児の保護者同士が互いに学び合いながら成長していく「親育ち学びあい事業」などにより子育てを支援します。
また、子育て支援活動を自主的に行っている団体の活動や人材育成を支援し、地域の子育て支援活動の輪を広げていきます。
保育所の待機児童解消に向け、民間保育所が定員を増やすために行う増改築や「認定こども園」開設のための施設整備に助成します。
放課後児童クラブについては、未設置校区の解消などのため6小学校区で施設を整備するとともに、運営費補助を増額し、指導員の研修に対する助成を拡大するなど質の向上にも力を入れます。また、「小学校区子どもプラン」に基づき、放課後子ども教室を実施するほか、7月には滑石児童館を移転オープンするなど、子どもたちの健全な居場所づくり、活動の場の充実に力を入れていきます。

人が育つまちをつくる

子どもたちが学ぶ場である学校については、ソフト、ハードの両面から、さらに整備を進め、すべての子どもが安全で安心して学校生活を送れるよう取り組んでいきます。
すべての子どもが学びやすい環境を整えるため、発達障害を含む特別な支援が必要な子どもたちをサポートする特別支援教育支援員を10人増員し、支援が必要なすべての学校に配置するとともに、対応できる日を週4日から週5日に拡大するなど、きめ細やかな対応をしていきます。
また、不登校解消に大きな成果を挙げているメンタルフレンドを増員し、必要なすべての学校に派遣します。併せて、メンタルフレンドを総括する専任指導員の配置や臨床心理士による専門的指導などで資質向上を図り、子どもたちが学校に復帰し、充実した学校生活を送れるよう支援します。
昨年度から取り組んでいる学校図書館司書配置モデル事業において、市立図書館と連携した研修や図書の活用を行うほか、図書のデータベース化を進め、利用しやすい学校図書館づくりを進めるとともに、図書購入費を増額し、図書の充実を図ります。
教育環境のハード面での整備については、子どもたちの安全を確保するため、震度6強以上の大規模地震で倒壊等の危険性が高いと判断された小中学校校舎等の補強工事を本年度中に完了させます。
また、老朽化した校舎等の大規模改造を実施するほか、上長崎小学校の改築工事、戸町小学校、東長崎中学校の改築に向けた設計に着手するなど、計画的な環境整備に引き続き取り組みます。
野母崎地区においては、4小学校を統合し、新たに野母崎小学校として開設します。この統合に併せ、地域との協議を踏まえ小中一貫教育を念頭に置いた小中学校施設一体型校舎の整備に向けて設計に着手します。
生涯学習の場として大きな役割を担っている公民館においては、7月に滑石公民館を移転オープンするなど施設の充実を図るとともに、家庭、学校、地域をつなぐことを目指した取組みを充実させ、地域の教育力を高めていきます。
また、公民館講座の企画立案への協力や講座をサポートする公民館支援ボランティアを育成し、学習した成果を公民館活動や地域活動、市民活動につなげていきます。

施政方針 目次へ

安全で安心なまちをつくる

緊急・非常事態の備えとしては、6月に中央消防署矢上出張所を開所するとともに、中央消防署丸尾出張所及び北消防署西海出張所の建替えや最新鋭のはしご車の配備を行い、地域の消防・防災体制の強化を図ります。さらに、防災行政無線の難聴地域解消のための抜本的な整備や消防救急無線のデジタル化に向けた調査に着手します。
また、一人暮らしの高齢者などの救急救命活動を迅速かつ的確に行うため、万が一の救急時に命を救う手助けになる健康情報などを記載しておく安心カードの普及に努めます。
建築物の耐震化については、長崎市が所有する特定建築物の耐震化率を平成27年度までに90%にすることを目標に、本年度は幼稚園、保育所、児童クラブ、防災拠点施設である行政センターなどの耐震化にも引き続き取り組みます。また、私立小中学校、保育所、共同住宅などに限定している民間特定建築物の耐震診断に対する助成の制限枠を撤廃するなど、制度の充実を図りながら耐震化を推進します。
さらに、地震時の地盤の揺れやすさを示す「ゆれやすさマップ」の作成・周知により、市民の耐震化に対する意識の啓発を図ります。
だれもが利用しやすい庁舎の整備として、小ヶ倉支所などの合同庁舎7施設にエレベータを設置し、市庁舎のバリアフリー化を推進します。
だれもが安心して医療を受けることができる体制の充実については、これまでも救急医療体制の充実、医療体制の確保などに取り組んできましたが、今後も、関係機関との連携のもと、医師確保などの課題について早急に検討を進め、必要な対策を講じます。
また、新市立病院の整備運営事業に着手するとともに、野母崎地区の医療については、地域住民の命と健康を守るため、引き続き医療機能を存続させます。

環境にやさしいまちをつくる

長崎の恵み豊かな自然や歴史的・文化的遺産を将来の世代に引き継ぐためには、市民や事業者と行政とが一体となって、環境の保全に向けた積極的な取組みを実践することが重要です。
そこで、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するとともに、新たな環境問題に対応していくため、平成23年度を初年度とする第二次環境基本計画を策定します。
地球温暖化対策については、低炭素社会の構築に向けた温室効果ガス削減の中長期目標の設定と、その道筋を示した工程表の策定を行うとともに、長崎駅周辺地区においては、新エネルギーの利活用や、省エネルギー機器の導入、公共交通機関の利便性向上など低炭素型のまちづくりに先導的に取り組むための計画を策定します。
また、市民総参加による継続的な環境行動を喚起するため、「だれでも」「いつでも」「簡単に」CО2の排出量を削減することができる取組みをイベント等により広く周知するとともに、市民活動団体と協働して地球温暖化防止に向けて行動する市民のネットワークをつくり、広げていきます。
長崎市が率先して行う取組みの一環として、電気自動車及びハイブリッド自動車を導入し、次世代自動車の普及を促進していきます。
さらに、本年度からの新たな取組みとして、野焼き解消と循環型農業を推進するため、農作業で発生する刈り草や剪定枝の堆肥化容器購入費の助成を行うとともに、農業・漁業集落排水の未水洗家屋の早期解消を図るため、経済的な理由により水洗化が困難な家庭への支援を行います。

市民生活を支える基盤をつくる

道路整備については、まず、国道499号などの主要幹線道路を補完する道路として小ヶ倉蛍茶屋線がいよいよ全線開通します。これにより、矢の平1丁目から桜木町までの交通の利便性が向上するとともに、都心部の交通渋滞の緩和が期待されます。
また、浦上川線の稲佐橋から梁川橋までを本年中に供用開始し、長崎南環状線の新戸町インターチェンジから田上インターチェンジまで、及び油木町西町線全線の本年度中の完成を目指します。
国道499号などの道路についても引き続き整備を進めるとともに、左底滑石線、神浦向町3号線などの新たな生活道路の整備にも着手し、市民の利便性の向上を図ります。
長崎駅周辺地区においては、事業認可を得て土地区画整理事業とJR長崎本線の連続立体交差事業に本格的に着手しました。長崎市の陸の玄関口に相応しい機能的なまちづくりを目指して早期整備を進めます。また、九州新幹線西九州ルート諫早~長崎間を含む未着工区間については、現在、国においてその取扱いが検討されていますので、早期認可・着工の実現に向けて、長崎県をはじめ関係団体の皆様と一体となって引き続き取り組んでいきます。
東長崎地区土地区画整理事業のうち、「平間・東地区」については、区域の一部縮小を検討し、平成28年度までの完了を目指します。また、未施行地区については、住民の意向を踏まえた上で、今後、区域廃止などの都市計画変更手続きを進めながら、地域住民の生活に必要な道路整備について検討します。
市営住宅の整備については、「公営住宅等長寿命化計画」を策定し、市営住宅のライフサイクルコストの縮減や長寿命化を図るとともに、大園団地の建替事業を引き続き行います。
土地の最も基礎的な情報であり、個人の土地取引や公共事業などに有効活用できる地籍を明確にするため、地籍調査に着手します。

施政方針 目次へ

合併地区の魅力を掘り起こす

合併7地区は、それぞれの地区の人材をはじめとして伝統文化や豊かな自然などの素晴らしい個性と魅力を兼ね備えています。合併してから約5年が経過することになりますので、これまでの取組みの検証を行いながら着実な市町村建設計画の推進に努めるとともに、地域住民の皆様のご意見を伺いながら新たな地域振興策の策定も進めていきます。特に、若年層の流出による人口減少や少子高齢化の著しい離島や過疎地域については、地元からの要望、提案等もお聴きしながら、池島の炭鉱施設等の活用計画、高島地区の地域資源の掘り起こしとその活用計画、また、野母崎地区の魅力である海辺の活用計画も策定することとしています。
離島地域については、島の特産品等の研究開発を行うグループがそれぞれ活動を始めたことから、引き続きその活動を支援するとともに、伊王島、高島、池島の連携と交流を促進していきます。
また、南部合併5地区においては、長崎南商工会や漁協、地元のまちづくりグループ等と協働し、海フェスタながさきの関連事業として、直径500メートルの大輪が咲く2尺玉を香焼と高島の2か所で同時に打ち上げる花火大会、ビーチバレー・釣り大会の開催やハワイアンカヌーの体験交流事業を実施し、活性化を図ります。
さらに、「(仮称)伊王島大橋」がいよいよ平成23年春に完成します。架橋後の対応として、伊王島に駐車場や多目的広場、観光案内誘導板の整備を図るなど、島内の交通対策、離島航路の対策にも配慮しながら、交流人口の拡大による振興を図っていきます。

文化とスポーツに親しむまちをつくる

芸術文化の振興については、子どもたちが音楽や演劇、美術、伝統文化に触れる機会を充実させるほか、小劇場型の市民参加舞台の公演や市民演奏家がまちなかで演奏する「まちなか音楽会」を開催するなど、市民が芸術文化に親しむ機会を増やしながら、まちの賑わいを創出していきます。
また、合併地域に現代美術のアーティストが一定期間滞在し、地域の住民と共同で創作活動を行うなど、住民参加で楽しく芸術を体感しながら、芸術によるまちの活性化を図る「アートの苗プロジェクト」にも取り組みます。
開館10周年を迎える遠藤周作文学館では、「遠藤周作と映画」をテーマにした企画展や講演会の開催、原作の映画上映会、未発表原稿の出版等を行います。
それぞれの地域の中で保存・継承されている郷土芸能に市民をはじめ観光客の皆様にも広く親しんでいただくため、これまで屋内で開催していた長崎郷土芸能大会を長崎くんちと同じ公会堂前の桟敷会場で10月3日に開催します。
平成26年には、第69回国民体育大会「長崎がんばらんば国体」が開催されますが、その成功には、行政だけではなく市民の力が必要不可欠です。そのため、国体のホームページを開設するなど情報発信に積極的に取り組み、市民の関心や意識を高めてもらうとともに準備委員会を中心に、競技・宿泊・輸送交通等、国体開催に向けた準備を進めていきます。
一方、競技の円滑な運営と地元競技者の技術力向上を図るため、かきどまり陸上競技場のスタンドや照明施設、電光掲示板の改修や松山町のテニスコートを屋根付きにするための改修に着手するなど、環境の整備を進めます。
また、競技団体や課外クラブとも連携しながら、未来の国体選手となるジュニア層を中心とした競技力の更なる向上に力を入れていきます。

平和の輪を広げるまちをつくる

核兵器をめぐる国際情勢については、昨年、オバマ大統領の就任以降、ようやく変化の兆しが現れつつあります。5月には核不拡散条約再検討会議が、米国ニューヨークの国連本部で開催されます。この会議が「核兵器のない世界」に向けた歴史的な分岐点となるよう、核兵器廃絶のために行動するNGOの一員として会議に参加し、被爆地長崎の市長として演説を行うとともに、核保有国の政府関係者に、オバマ大統領をはじめとする各国指導者の被爆地訪問を訴えます。また、会議期間中に世界中のNGOや平和団体が集結して行う大規模なアピール活動に、被爆者の方々、市議会の代表とともに参加し、核兵器廃絶の願いを世界に伝えます。
被爆の実相を国内外の人々に発信する取組みとしては、原爆資料館が収蔵する資料のインターネット公開や音声ガイドシステムの充実などを行い、原爆資料館を拠点とした情報発信機能を強化します。さらに、本年3月末から一般公開される「三菱兵器住吉トンネル工場」跡をはじめとした被爆建造物等を活用し、被爆体験継承の取組みを充実させます。
青少年に対する平和学習については、長崎で平和の心を学んだ子どもたちをピースメッセンジャーとして国内の都市に派遣し、同世代の交流を通して平和学習の成果を伝えることにより、被爆地から平和の願いを広げていきます。
平和な世界をつくるには、世界の都市間で友好な関係を保つことが不可欠であり、市民の皆様と協力しながら国際交流を深めます。
11月には、非核都市宣言が世界に広まる契機となった英国マンチェスター市において開催される非核都市宣言30周年記念行事に出席し、交流を深めます。
また、市民や市民団体が主体となって国際交流が行われている都市との「市民友好都市」提携を推進し、市民が交流しやすい環境づくりを進めます。その一環として、市民友好都市の候補地である英国アバディーン市を訪問し友好を深めます。
さらに、本年度は、水産業や水道の分野でも協力・連携を図っている中国福州市との友好都市提携が30周年、日本で初めての姉妹都市提携を行った米国セントポール市とは提携55周年、さらには、日本・ポルトガル修好150周年を迎えることから、市民参加の様々な交流事業を展開します。

施政方針 目次へ

地域コミュニティが豊かなまちをつくる

地域コミュニティを活性化させるためには、その中心的役割を担う自治会の活動を知ってもらい、多くの人が参加し、活動が活発になることが重要です。
自治会活動の様子や情報を自らの手で地域の人たちに紹介・発信するため、自治会広報誌の作り方を学ぶ講座を開設します。また、地域の中にある大型公民館のパソコンを活用し、地域で活動する団体の広報活動や情報発信を支援します。
さらに、地域で取り組んでいる素晴らしい活動をケーブルテレビで放映し、活動のヒントにしてもらうとともに、地域と地域が交流するきっかけづくりにしていきます。
自治会集会所の増改築に対する助成については、ご要望の多かった小規模な改修にも対応できるよう、補助対象の下限額を100万円から50万円に引き下げ、よりよい環境で自治会活動ができるよう支援していきます。
また、市民力・地域力を高め、すべての市民が支え合い、安心して暮らせるまちづくりを進めるため、市民や社会福祉協議会と協働して地域福祉計画を策定するとともに、市民の社会福祉活動の拠点である「社会福祉会館」の建替えについて関係団体等と一緒に検討を始めます。

市民活動が活発なまちをつくる

市民活動センター「ランタナ」を交流拠点に、市民活動の支援や人材育成、ネットワークづくりなどをさらに進めるとともに、市民活動へ参加するためのきっかけづくりにも力を入れ、市民活動が活発なまちを目指します。
昨年度募集した「提案型協働事業」については、提案の中から選ばれた4つの事業に本年度から取り組み、市民と行政との協働を実践しながら、ノウハウを蓄積していきます。また、新たな提案も募集し、協働の輪を広げていきます。
住民による地域猫活動が活発になる中、その活動を支援するため、モデル地区において不妊去勢手術費用を助成し、猫の適正飼育の普及を図るとともに地域コミュニティの活性化にもつなげていきます。
あぐりの丘に隣接する「いこいの里」の里山再生地域においては、市民との協働で棚田や茶畑、体験農園の整備や梅や山桜などの植栽による里山景観の整備を進めていきます。また、市民参加による田植えや茶つみ、里山ウォーキング、提案型協働事業として取り組む姫椿の油絞り体験などの里山体験も充実させ、市民の皆様と力を合わせて、より親しんでもらえる「いこいの里」を作っていきます。
合併地区で活動が盛んになってきている「グリーンツーリズム」については、活動団体への支援を拡大し、併せて人材の育成や団体間の連携を強化することで、市民活動を通じた地域の活性化や地産地消の推進などを図ります。
また、長崎のまちをもっとよくしたいという熱い思いを持った人たちが集まり、これまで延べ約8,000人が塾活動に取り組んできた長崎伝習所では、開所から25年を迎えての新たな展開として「長崎の未来を創る、時代の半歩先を行く」という視点での実験事業を行いながら、未来に目を向けた長崎伝習所のあり方を再検討し、市民が主役の魅力的なまちづくりを目指します。

市民の立場に立った行政サービスを提供する

市民生活の24時間化、インターネット利用者の増加など情報ニーズが多様化している中、行政サービスに対する市民ニーズも高度・多様化しており、迅速かつ質の高いサービスの提供が必要です。
また、合併による市域の拡大、高齢者の増加などによる情報格差も課題となっています。このため、市民等から寄せられる様々な問い合わせを電話等により一元的に受け付け、その場で迅速かつ的確に情報を提供する「長崎市コールセンター」を10月に開設します。
また、納税者の利便性向上のため、住民税の給与支払報告書の提出などの市税の申告が、家庭や事業所等からでも電子申告できるようにするためのシステム改修に取り組みます。
さらに、利用者の利便性向上のため、水道料金と下水道使用料がクレジットカードで支払えるようにします。

市民に信頼される市役所をつくる

暮らしやすいまちをつくるためには、住民のニーズを的確につかみ課題解決に取り組んでいく職員の力が重要であるとともに、施策の中身について分かりやすく市民にお知らせすること、さらには、組織のスリム化や財務体質の強化を図りながら、変化に強く持続可能な組織体質をつくることが大切です。これは、市役所が市民から信頼されるための前提条件と言えます。
市民と行政との情報の共有化を図るため、定例的に行っている市政に関する記者会見をホームページ上で動画配信します。
また、市民との協働を進めるには、信頼関係の構築と職員の意識が不可欠であり、常に現場の目線を大切にし、地域の一員であることを忘れない心がけも必要です。引き続き、若手職員を対象として、地元自治会やボランティア団体、市民活動団体など様々な現場を体感する研修を行い、地域に飛び出す職員づくりに取り組みます。
財政基盤の維持と適正な市民サービスの提供を目指し、効率的で効果的な行財政運営を推進するため、新たな行政改革大綱及び財政構造改革プランを策定します。
また、外郭団体等については、有識者により経営分析や経営改善計画の内容の精査を行い、公益法人改革への対応を図るとともに、今後の団体のあり方について検討していきます。なかでも長崎衛生公社については、し尿処理業務に係る市の責務を果たすため、発行済株式の全部を取得し、財団法人化等の作業を進めていきます。

施政方針 目次へ

まちのかたちをつくる

本年度は、現行の第三次総合計画の最終年度になります。また、地域福祉計画など様々な分野でこれからの方向性を定める一年でもあります。現在の長崎市を取り巻く状況を踏まえ、これからの時代の変化と目指す都市像を皆で議論し方向性を共有しながら、長崎市の将来構想の策定に取り組みます。
長崎市中央部・臨海地域の都市再生については、国土交通大臣の指定を受けて、新幹線整備を契機とした長崎駅周辺の再整備や、まちなか再生のための各種施策などを、国際交流拠点都市・長崎の再生という、地域の目指すべき方向性の中に体系づけるため、「都市の魅力の強化」「回遊性の充実」及び「国際ゲートウェイ機能の再構築」を整備目標に掲げる基本計画の策定を、県と一体となって行ってきました。本年度はさらに、計画の具体化を図る動きを進めるとともに、民間事業者の開発事業に対する各種支援制度の適用が可能となる都市再生緊急整備地域の指定を目指します。
また、長崎市の行政機能の中枢である市庁舎をはじめ公会堂などまちづくりの拠点となる施設全体の今後の方向性について、見通しを明らかにする時期に来ています。このため、耐震診断の結果や、市民の皆様や議会の皆様からのご意見を踏まえながら、今後の更新計画の検討に着手します。
このように、本年度は長崎市の将来のまちのかたちを方向づける大変重要な年になります。これからの10年の取組みが、未来の市民にまで影響を及ぼす「時代の転換期」とも言えます。
長崎が進むべき未来について、市民がライフステージに応じていきいきと暮らすことができるまち、また、長崎が世界のどこにもない、より価値の高いまち、しかも持続可能なまちになるためにはどう進めばいいのか、しっかり考え取り組んでいきます。

以上申し述べました方針に基づいて編成した平成22年度予算は、

一般会計 2,082億8,000万円

特別会計 1,042億6,143万2千円

企業会計 540億8,681万2千円

合計 3,666億2,824万4千円

となっております。

これからの長崎市を取り巻く社会経済情勢は厳しい状況がしばらく続くと考えられます。しかし、先人が築いてきた我が長崎を、しっかりと未来へつなぐ責任が私たちにはあります。私も誠心誠意、全力で取り組んでいく所存です。
市民の皆様、並びに議員の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げまして、平成22年度施政方針といたします。

施政方針 トップへ

お問い合わせ先

企画財政部 都市経営室 

電話番号:095-829-1111

ファックス番号:095-829-1112

住所:〒850-8685 長崎市桜町2-22(本館4階)

アンケート

より良いホームページにするために、ご意見をお聞かせください。コメントを書く

ページトップへ