● 亀山社中跡が保存、復元されるまで

長崎龍馬の道--7  亀山社中記念館



龍馬ら社中の面々が身を寄せていた亀山に残された通称「亀山社中跡」。現存するこの建物は、登記簿によると幕末に亀山焼の再興を図った高田文平氏の一族が大正9年まで所有していました。産経新聞に『竜馬がゆく』が連載中だった昭和39年、著者 司馬遼太郎氏は、取材のために長崎を訪れました。当時、龍馬ゆかりの地であるこの亀山社中跡に司馬氏を案内したのは、郷土史家の故永島正一氏と、永島氏と師弟関係にある越中哲也氏。取り壊しが噂される建物を前に司馬氏は「この書き物をかいている私としてはすこし惜しいような気がした」と当時の見聞に記されました。このことをきっかけに、社中の建物保存を求める声が広がり、亀山社中跡は保存されることとなりました。亀山社中跡は、平成元年から、地元住民と市民有志で構成された「亀山社中ば活かす会」の皆さんが全国からの龍馬ファンはじめ多くの観光客のために展示公開を行っていましたが、様々な事情から平成18年に閉鎖。しかし、昨年8月1日、復元整備工事を終え、再び一般公開されることとなりました。内部は亀山社中結成当時の様子が再現され、龍馬が残した貴重な書簡や古写真など、ゆかりの資料が展示されています。初めての方も、一度訪れたことがあるという方も、龍馬らの息づかいを感じに、ぜひ、足を運んでみてください。






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