茂木びわ

ふっくらした愛らしい形の「びわ」が果物屋さんの店頭に並び始めると、毎年初夏の訪れを感じます。長崎人にとって、びわはなじみの深い果物です。春の初めに産地を通れば、一つ一つの実に白い袋をかけられたびわの木はまるで白い花を満開にさせた木のように見え、目を楽しませてくれます。

びわの実の味は、どこか南の国を思わせる風味と甘さがありますが、原産は中国です。日本にも古くからあったとみなされていますが、現在栽培されているびわは中国から伝えられたものが元になっています。1830年から40年頃、茂木から長崎へ奉公に出ていた「三浦シオ」という女性が、唐船が積んできた唐びわを食べてその美味しさに感動し、その種を持ち帰りそれから栽培が広まったといわれています。そして、このびわが茂木の人たちの手によって、日本一の茂木びわに育っていったのです。


びわ

最近では、いろいろな品種が改良されて新しいびわが生まれています。
特に「なつたより」は、果実が大きく(60g以上)、果肉が柔らかくて甘味が強い人気の品種になっています。また、びわの実に含まれているβカロテンやβクリプトキサンチンは、皮膚や粘膜、消化器官などを正常に保つ働きがあり、高血圧の予防をはじめ、がん予防やアンチエイジングにも効果があるといわれています。  

美味しい上に体にもいい茂木びわは季節の贈り物にも最適ですし、ジャムやシロップ漬けなど保存して食べてもとても美味しいものです。梅雨空に負けない明るいオレンジ色のびわは私たちを元気にしてくれます。



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