TEL095(824)8178 銅座町1-11十八銀行本店3階

開室  銀行営業日 9:00〜17:00
入室料  無料
駐車場  あり
公式HP http://www.18bank.co.jp/


●JR長崎駅からのアクセス
路面電車/長崎駅前電停から正覚寺下行きに乗車し、築町電停下車すぐ。
長崎バス/長崎駅前南口バス停から長崎新地バスターミナル行きに乗車し、終点下車、徒歩2分。



創立130周年を迎えた
地域に根ざした老舗銀行

十八銀行の十八は、周知の通り全国で18番目に創立した国立銀行を表す数字。国立銀行とは日本で最初にできた銀行で、明治6(1873)年から12年にかけて、実に153もの銀行が全国各地に設立された。明治10 (1877)年 、第十八国立銀行として創立されて以来、長崎に密着する地方銀行として変遷を遂げ、平成19年に創業130周年を迎えた十八銀行。実はこの地方銀行、いろんな意味でスゴイ銀行なのだ! 十八銀行の何がスゴイかを確かめるべく銅座町にある本店3階史料展示室へ。十八銀行の歴史から日本の経済金融史にまつわる貴重な資料まで、新発見でいっぱいの十八銀行史料展示室へ……探検隊いざ潜入!
 

一地方銀行の歴史史料に
ビックリ!そして感動!

十八銀行の前身は後に立誠会社と改称する明治5(1872)年に創業した永見松田商社。永見、松田とは創業者2人の名字で、長崎で永見家、松田家といえば知らない人はいない豪商で知られる名家だ。永見傅三郎、松田源五郎両者は、日本資本主義の父と呼ばれ、国立銀行条例制定に携わった澁澤榮一(しぶさわえいいち)とも交流があったが、澁澤榮一が大蔵省時代に指導していた第一国立銀行(現在のみずほ銀行)の頭取に就任する以前、まだ日本に銀行がない時代に大陸貿易の拠点として栄えていた長崎の地で貿易によって財をなし、いち早く現在の銀行と同様な業務を行っていた。まずは何よりそこがスゴイ! また、国立銀行という名称であっても国の経営下にあった訳ではなく、一般の民間人が出資した株式会社。他の国立銀行のほとんどが城下町にあり、大名華族や士族が出資してできた銀行だったのに対し、第十八国立銀行は商人など市民の出資によって作られた全国でも数少ない銀行だった。ここも誇らしいことでスゴイ! ほかにも長崎に支店を構えるより前に、韓国の日本人居留地であった仁川(インチョン)や長崎と海底ケーブルでつながれたロシアのウラジオストクなど、海外支店を出していたというのも海外交流の歴史を持つ長崎らしくてスゴイ! そして、永見傅三郎(初代頭取)、松田源五郎(第2代頭取)両者の社会的貢献もスゴイ! 特に澁澤榮一にも一目置かれていた松田源五郎は、長崎商法会議所(現長崎商工会議所)の初代会頭、長崎新聞の創刊や長崎商業高校の創立、長崎水道の敷設のほか数々の偉業をなし、明治期の長崎の実業界をリード。さらに市議会議員、県議会議員、衆議院議員へと進み、長崎の政財界の発展にも尽力した人物だ。
この史料展示室には、永見松田商社(立誠会社)関係の資料をはじめ、国立銀行時代の貴重な文書類、普通銀行として営業後の数々の資料を展示。大隈重信や澁澤榮一、伊藤博文などの直筆サインが入った文書も数多く見られ、なかにはマニアがうなるような品もチラリホラリ。思わず驚きと感動の“スゴイ!”を連発! 一地方銀行の歴史と共に、日本のこれまでの歩みを“銀行”という側面から辿ることができる。





おすすめチェックポイントベスト3



1.明治時代の銀行の佇まいと銀行員!

入室してすぐに目に入るのがこの一枚の絵。ここには開業当時の様子が描かれているのだが、東濱町(現在の浜町)に建てられた当時の建物は庄屋風の和風建築。道行く人々もそのほとんどが和装のいでたちだ。当時行員さんは、羽織袴に前垂れといういでたちでお客さんを出迎え、内部は畳敷きに椅子が置かれていたのだそうだ。しかし明治30年代半ば、突如頭取より「来月より洋装にするように」との通達があったそうで、一同洋装へ転換。その後、銀行員=ハイカラというイメージが定着したのだそうだ。はて、現代の銀行員さんは如何に?


開業当時の店頭風景
現在の浜市アーケード沿いに創建された第十八国立銀行。
明治初期の長崎の町の情景が切り取られた貴重な一枚。
 

2.貴重な品々に驚きの事実を発見!

展示品の中で、最も注目したいのが国立銀行当時に発行された「第十八国立銀行紙幣」。創立当時日本銀行はまだなく、国立銀行はそれぞれに紙幣を製造できる発行権を持ち、独自の紙幣を発行していた。写真には、まさしく頭取永見傅三郎、支配人松田源五郎の名印が記されている。それにしても驚きなのが、この紙幣の人物や風景を描いたのがエドワルド・キヨソーネというイタリア人絵師だということ。そして、このキヨソーネがあの有名な西郷隆盛の肖像画を描いた人物だということだ! また、明治10(1877)年からは国内で印刷が始められたが、創立当初はアメリカで印刷されていたというからこちらもびっくり。それぞれに特徴を持つ幕末の藩札も必見だ。

十八銀行発行紙幣
左上がアメリカ、左下が国内で印刷された紙幣。
右は古くから捕鯨の町として栄えた平戸藩にふさわしく “鯨”と記された幕末発行為替手形。
 

3.コレクターに大人気のキャラクター貯金箱!


ノベルティグッズ、というのはいつの時代も人気キャラクターを題材にしたものがずば抜けて多い。そんななか、銀行のノベルティといえば、預金をしたらもらえる特典!いわずと知れた“貯金箱”。この展示室には、1円玉を50 枚差し込み「貯まったら銀行口座へ」的な時代が偲ばれるノート型から、キャラクターの立体型まで、歴代の様々なノベルティ貯金箱が展示されている。かつては子どもを意識して起用したものだったのだろうが、現代ではコレクター達が目をつけるお宝品!「ひょっこりひょうたん島」や現役キャラクターの「あらいぐまラスカル」まで、時代を反映したノベルティグッズにも注目だ!

キャラクター貯金箱
今も昔も人気の「ひょっこりひょうたん島」の貯金箱



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