TEL095(823)0707 鳴滝2丁目7-40

開館  9:00〜17:00(入館は16:30まで)
入館料  大人100円/小中学生50円
休館  月曜日、年末年始(12月29日〜1月3日)
駐車場  13台


●JR長崎駅からのアクセス
路面電車/長崎駅前から蛍茶屋行きに乗車し、新中川町で下車、徒歩7分。
バス/長崎駅前東口バス停から県営バス・網場、東長崎方面行きに乗車し、中川町バス停で下車、徒歩7分。
車/長崎駅前から約15分。

●文化財
シーボルト宅跡(国指定史跡)シーボルト記念館と隣接




閑静な住宅地に囲まれた
鳴滝塾跡に隣接する記念館


すぐ側を鳴滝川が流れる閑静な住宅地。シーボルトが門弟達に医学を教え、自らは日本研究に没頭した鳴滝塾跡に隣接した場所に、シーボルトの愛用品や功績を今に伝える記念館がある。そこはシーボルトの人物像と共に彼が日本に与えた影響を強く実感できる空間。今回は平成元年の開館から15年、平成15年11月、来場者が50万人を突破したシーボルト記念館へ……探検隊いざ潜入!



順おって見ていくと
シーボルトが見えてくる!


館内は3階から構成されている。1階はシーボルトの生涯と功績を紹介したビデオコーナー、2階はシーボルトの生涯を「当時の世界と日本」「東洋への関心」「日本研究と医学教育」「江戸参府前後」「帰国と再渡来」「子孫と顕彰」の6つのコーナーに分け常設展示。3階では年に数回の企画展が行なわれ、シーボルトや彼の門弟、蘭学などに関する資料等を展示している。
また記念館はシーボルト宅跡(鳴滝塾跡)に隣接。建物は、明治7年(1874)の台風で大破し、明治27年(1894)に解体されてからは跡地だけが残っている。現在本格的な発掘が行われているが、今のところ当時の様子が窺(うかが)えるものは発掘されていないのだという。今後の発掘作業にぜひ期待したいものだ。しかし、裏山の竹林、石垣、井戸などは当時からのものだと考えられている。そして6月にはこの場所に、シーボルトが愛するお滝の名をつけたオタクサ(アジサイ)の花が静かに咲き誇る。

シーボルト宅跡の倉庫跡




おすすめチェックポイントベスト3


1.シーボルト家の紋章がモチーフに!

吹き抜けの壁面にはシーボルト家の紋章がレリーフとステンドグラスに表現されているのだが、その紋章の中央には医者の家系だけにメスを持つ手が施されている。(これはステンドグラスの方が分りやすい)この紋章は2階に展示されているお滝さんがシーボルトに贈ったシーボルト妻子像螺鈿合子に施されたお滝さんの着物の紋も同様。2人の愛の深さを垣間見ることができるのだ。この紋章はシーボルト宅跡の門扉のモチーフにもなっているのでチェックしてみよう。


シーボルト家の紋章をモチーフとした
ステンドグラス


シーボルト妻子像螺鈿合子(複製)


シーボルト宅跡の門扉


2.どれがシーボルトだ?

シーボルトのお抱え絵師として知られる川原慶賀が描いた『唐蘭館絵巻』は、絵はがきになってもいるし、出島の生活などの資料として様々な機会で目にすることも多い。がしかし、この中にシーボルトが描かれているのを知っているかな? この『唐蘭館絵巻』を立体的に楽しめるコーナーでは、絵巻の中のシーボルトをクイズ形式で教えてくれる。




(左、上) 川原慶賀『唐蘭館絵巻』より
   (長崎市立博物館所蔵)


また、シーボルト記念館のパンフレットの中には様々な人が書いたシーボルト像や年代ごとの写真が載っているが、どれも別人のように違っていて楽しめる!



記念館の入口には若き日のシーボルトの銅像、そして隣接するシーボルト宅跡には晩年のシーボルトの胸像も見ることができる。


若き日のシーボルトの銅像


晩年のシーボルトの胸像


3.シーボルトが日本で研究したこと


館内で見つけたこんな展示物。このボードにはシーボルトが日本で調査・研究したものと、収集し持ち帰ったものが記されているのだが、宗教、政治、農業、音楽、植物……その分野の幅の広さには驚かされる。それはシーボルトが日本(出島)へ来たのは商館医としてだけでなく、日本の調査官という目的もあったからなのだ。シーボルトの名声を聞き全国いたる所から集まってきた門弟たちは高野長英など約50名。隣接した鳴滝塾で、医学、薬学、動植物学、物理学などなど、科学全般にわたって学び、日本の近代学問の基礎を築いたというわけだ。




日本をこよなく愛し、様々な角度から研究し海外へ日本文化を広めたシーボルト。記念館の建物はオランダにある彼の旧宅、玄関は祖父カール・カスパル宅をモチーフにデザインしたものだという。今でも当時の面影が感じられる閑静な住宅地の中に突如現れる洋館……いかにも長崎らしいシチュエーションだ。
長崎を訪れた際は、彼が暮らしたこの鳴滝を歩き、彼の生涯を垣間見ることができるシーボルト記念館へぜひ立ち寄ってみよう。


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