◆パンパンッ!
探してでも行きたい!
穴場の神社4

福を招くエビス様には
2006年の商売繁盛を祈願!

1.蛭子神社(恵比須神社)

◆御祭神……蛭子命(ひるこのかみ)
◆通称……エビスさん

諏訪神社の本殿横の石段をのぼった場所に蛭子神社を発見! 蛭子命(ひるこのかみ)は、『古事記』の中で、伊邪那岐命(いざなぎのかみ)と伊邪那美命(いざなみのみこと)との間に最初に生まれた御子神で、体が不自由だったために葦舟に乗せられ海に流され摂津の国(兵庫県西宮)に漂着。土地の人が夷(えびす)三郎殿と呼び大事に育てたことと、日本古来より海の彼方からやってきた神様を「エビス」と呼び、幸福をもたらす神霊として祀ったエビス信仰から、海の神として信仰され、後に市場の神、産業繁栄の神として発展していった。


諏訪神社拝殿横でみつけた蛭子人神社
字も「夷」「戎」から「恵比須」「恵美須」と変化。長崎市街にも、かつては海であった証拠の「恵美須」の地名が残されているし、その場所にはその名も「恵美須市場」まである。全国的には、毎年1月10日の「十日戎(とおかえびす)は、商売繁盛を祈願する祭りとして有名だ。

◆気になるご神徳……商売繁盛、諸産業繁栄、豊漁、縁結び、学業成就など
 
 ナガジン独断●こんな人にオススメ!
やっぱり商売繁盛! 自営業を営んでいるご主人におすすめデス。


呪術者!役行者の力を借りて
病気や災難をはね返そう!

2.役行者(えんのぎょうしゃ)神社(東町/最寄りのバス停:鶴の尾)


◆御祭神……役行者(えんのぎょうじゃ)

矢上町から諫早方面へ向かう途中、八郎川に沿ったかつての長崎街道端にある小さな神社を発見! 修験道の開祖である役行者は、7?8世紀に活躍したといわれる伝説の人物で、悪霊を祓いのける悪霊跋除(ばつじょ)の神として信仰されている神様。


長崎街道沿いの役行者神社 

役行者が開山したと伝えられる道場は、葛城山(奈良県)をはじめ、金峰山・大峰山(奈良県)や英彦山(福岡県)、富士山(静岡県)、愛宕山(京都府)など日本各地にあり、それらの霊山には役行者のお堂や石碑などが建てられている。この神社の背後にあるのは普賢岳と行仙岳、どちらかが役行者が開山したのかもしれない! 役行者は長年修行し真言密教の祈祷のひとつである“孔雀の呪法”を修得して神通力を身につけたといわれ、伝説の中でその神通力を操る呪術者として鬼を支配する話が出てくる。この場合の鬼とは、病気や災難などあらゆる災厄をもたらす悪霊のこと。“孔雀の呪法”とは天変、祈雨、止雨、病気、安産などの効験がある呪法なのだ。

◆気になるご神徳……悪霊跋除の神、開運長生、産業興隆、癌封じ、縁結び、合格祈願、身体安護、ぼけ封じなど
 
 ナガジン独断●こんな人にオススメ!
病と闘っている人! 役行者の悪霊をはね返す活力を授かろう!


慣れ親しんだあの神社の御祭神は
古くから比叡山に宿る山の神様!

3.日吉(ひえ)神社(飯香浦町/最寄りのバス停:日吉)ほか
 
山王(さんのう)神社(坂本町/最寄りのバス停:坂本町)ほか


◆御祭神……大山咋大神(おおやまぐいのおおかみ)
◆通称……ヒエイさま、山王さま

滋賀県の本社と同じ坂本町にある山王神社

山王神社の御神木は被爆した大クス

本社は滋賀県大津市坂本の日吉神社。御祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)で、全国に広がる有力神だ。

もともと比叡山に宿る山の神、地主の神で、『古事記』の中で近江(おおみ)の日枝山と京都山城の松尾に坐すとある。日吉神社は山王社とも呼ばれるが、これは平安遷都後、唐から帰った伝教大師・最澄が、延暦寺において天台宗を開いた際、日吉神社を唐の天台山国清寺の山王祠にちなみ、「日吉山王」と呼んだことに由来する。「山王」もまた山の神という意味なのだ。ちなみに被爆した一本柱鳥居で有名な山王神社があるのは坂本町。本社が大津市坂本だから坂本町となったということはあまり知られていない話。さて、大山咋神は、矢に化身する“丹塗矢(にぬりや)伝説”を持っている。矢になった穀霊とそれを祀る巫女の神婚の秘儀とされ、いわゆる新しい穀霊の再生によって豊穣を願う古代の農耕祭祀だ。また、同じく大山咋神を祀る京都最古の神社といわれる松尾神社では、酒造の守護神として信仰をあつめているのだとか。

◆気になるご神徳……諸産業繁栄、家系繁栄、家内・業務安全、厄除け、開運招福など
 
 ナガジン独断●こんな人にオススメ!
登山家や2006年に家を建てる人!古来の山の神、地主の神に祈願しよう。


強く!逞しく!なりたいアナタや
勇気が欲しいアナタにおすすめ!
4.鹿島神社(小江町/最寄りのバス停:小江)

◆御祭神……武甕槌命(たけみかづちのみこと)
◆通称……鹿島さま

御祭神は、武甕槌命(たけみかづちのみこと)で、日本の建国に大きな功績をたてられた神様。

小江町に見つけた鹿島神社

鹿島神道流が生まれるなど、武道の神として崇められている神様だが、武甕槌命を祀る神社は関東、東北に多いので、長崎で見かけることは少ない。日本の神話における「国譲り」の場面で、天照大神(天照大御神/あまてらすおおみかみ)が最後の切札として地上に派遣した武甕槌命は、地上を支配する大国主命(おおくにぬしのみこと)と対峙した際、長く立派な十柄剣という剣の上にあぐらをかいて威嚇し、交渉を進め、地上統治権を譲り受けるという功績をあげた。もともとは雷神である武甕槌命は、水神として祀られ、農耕とも深く関係するが、やはり、「国譲り」の印象から武道の神のイメージが根強いようだ。また、『万葉集』に関東から九州に旅立つ防人達が鹿島の神に出立祈願をしていく歌があるように、鹿島神社は古くから交通安全に最高の功徳を持つといわれている。

◆気になるご神徳……武道・競技・政治必勝成就、試験合格、芸能上達、旅行安全、五穀豊穣、殖産興業、安産、厄除け、縁結び、豊漁、航海安全など
 
 ナガジン独断●こんな人にオススメ!
ズバリ、武道家! そして全ての頑張る人。


◆最後にこんな話

両神社に参拝して縁結び祈願!
野母町の熊野神社と日の山神社


今年長崎市と合併した野母崎エリアの野母町に、熊野神社と日の山神社という2つの神社がある。熊野神社の本拠地は、ご存知!紀伊の国(和歌山県)の熊野。野母漁港近くの丘に位置する斉明天皇4年(658)に創建された熊野神社は、野母町を拓いた紀州熊野の漁師夫婦がこの地に漂着したのは、夫婦の故郷の神、熊野神社の加護によるものと感謝し勧請したものだといわれている。この神社の御祭神は伊邪那美命(いざなみのみこと)。また、朝日が昇ってから西の水平線に陽が沈むまで輝いている山、という意味で名付けられた権現山の日の山神社には、伊邪那美命の夫神である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が祀られている。


熊野神社


権現山展望台へ向かう途中にある
日の山神社

この二神は、神話の中に最初に登場する夫婦神で、『古事記』に出てくる天照大神(あまてらすおおみかみ)や月読命(つきよみのみこと)、素盞鳴尊(須佐之男命/すさのおのみこと)を生んだ両親であることから結婚の神といわれ、また数々の国土や自然神、文化神を誕生させたことから国堅めの神や生命の祖進とされている神様。両神社のご神徳は共に恋愛・縁結び・子宝。2006年元旦に両神社に詣でると、夫婦円満、縁結びなどの御利益があるのではないかな?

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