池島海底炭鉱跡に、いざ!入坑

神浦からフェリーにて池島へ。多少波があったが、差程揺れることもなく30分。快適な船旅だ。

フェリーさいかい

池島に近づくと、まず目に飛び込んでくるのが白いアパート群。


到着! 漁船が碇泊するフェリー乗り場の背後に、白いアパートが建ち並んでいた。このアパートは高層の炭住(炭鉱住宅)と呼ばれていたもの。閉山時に綺麗な塗装が施されたため、とても新しい建物に見えた。現在は海外研修生の宿舎にも利用されているが、ほとんどが空家状態なのだという。


フェリー乗り場からマイクロバスに乗って体験学習が行なわれる第二立坑の坑口事務所まで走ると、石炭が見られる海岸や、荒波が打ち寄せる断崖絶壁など池島の大自然が満喫できる。現在ではごく少人数になってしまった池島小学校と中学校の立派な校舎も通過。現在は海外研修生のお子さんも通っていて、その割合が池島の子ども達とほぼ同数のため、将来はインターナショナルスクールになるかも? なんていう解説が入り一同爆笑!


第二立坑の坑口事務所前には女神・慈海像がここからはるか先の蟾島(ひきしま)方向を向いて建てられている。



また、第二立坑の坑口事務所前には、日の丸と共に、インドネシアとマレーシア、受け入れている海外研修生の国旗がはためいていた。


安全を呼びかける銅像も!


それでは、現在は研修センターとして利用されている第二立坑の坑口事務所へ足を踏み入れる。


大会議室で待っていたものは、題して“炭鉱弁当”。アルミの弁当箱に入った手作り弁当は、味わい深くとっても美味だった。


弁当を戴きながら、池島炭鉱の概要をまとめたビデオを鑑賞。こちらで知識を叩き込む。


つぎは、繰込み場と呼ばれる入坑前の準備室へ入室。ヘルメットに付けるライトを一人一人取りに行くなど様々な入坑用具を装着し、注意事項説明を受ける。身の引き締まる思いで一同緊張。



マイクロバスで坑内入口へ。人車(トロッコ)に乗車する。



いよいよ入坑。後ろ向きに降りるのと振動とで多少恐怖感を感じた。が、やはり好奇心の方が勝る! 始めに東京タワーでいうとちょうどお土産物屋辺りという130m地点で降り解説を受けた。


ロードヘッダという石炭を削る大規模な機械の実演を見学。その轟音と迫力に驚かされる。
視界に広がるのはまるで映画の世界だ。

再び人車に乗り込み、今度は240m地点へ。ここには記念撮影用に“海面下240m”の標があり、皆で記念撮影。
その傍らには大小様々な石炭の塊がゴロゴロ。




見学を終えて人車に乗り込むときには、その揺れにも轟音にも慣れ、心地よささえ感じられるようになっていた。ただちょっと狭いのが難点。坑道入り口へ向けて昇坑。外界の光りが差し込んでくるこの光景を、坑夫達も仕事を終えた安堵と家族へ会える喜びいっぱいで同じように眺めていたことだろう。


上陸し、模擬切羽にて採炭機械、掘進機械を見学。先程、坑内で実演を見たロードヘッダや、ドラムカッターなどの迫力ある動きに感動!



先程の国旗もそうだが、あらゆる場所でインドネシアとマレーシア、海外研修生へ向けた配慮が見られる。


池島炭鉱の坑内を走っていた高速人車。なんと坑内を時速50kmで走っていたのだという。名前は、第二立坑の坑口事務所前の慈海像から採って「女神号慈海」だった。


最後に、研修センターの写真展示室にて池島炭鉱の歩みや、現在の研修の様子、また、今回私達と同じように体験学習を体験した全国の修学旅行生や様々な団体などの体験の様子などの写真、パネルなどを見学して終了。


池島自体は、閉山と共に人口も減り、閑散としているのだが、炭鉱内部には地域を、そして日本を支えたヤマの男達の力強い熱気が溢れていた。
ハードではあったが、未知の世界へ足を踏み入れた興奮と感動は何モノにも替えがたい体験をさせてもらった。

フェリー乗り場まで見送りに来てくださった職員の皆さん! ありがとうございました。

現在、坑内の観光はまだ個人レベルでは行なっていない。興味が湧いた方は、ぜひ、プレ、また来年行なわれる「長崎さるく博‘06」の本番で「池島海底炭鉱さるく」に参加してみよう。

■長崎さるく博‘06予約受付 
095-811-0369(9:00〜17:00)
http://www.sarukuhaku.com

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