江戸時代、長崎では正月の2日から15日頃までの間に市街を囲む七つの山をわらじ履きで1日かけて巡拝するならわしがあった。その名も七高山巡り(しちこうさんめぐり)。七つの山とは、金比羅山(こんぴらさん)、七面山(しちめんさん)、烽火山(ほうかざん)、秋葉山(あきばやま)、豊前坊(ぶぜんぼう)、彦山(ひこさん)、愛宕山(あたごやま)のこと。愛宕山の代わりに岩屋山に登ってもいいとされている。今回は現代でも登山家の一部には浸透しているこのならわしにチャレンジ!


ズバリ!今回のテーマは

「長崎近郊の七つの山制覇!」なのだ



江戸時代から行なわれる神参り
七高山巡りにチャレンジしよう!

この七高山巡りでは、家族や親族・親戚から使用人まで一緒に登るという行事だった。幸い七つの山はどれも標高が低く、ある程度の高さまでは車でも行ける。山登りの経験がないという人もチャレンジしやすいのではないだろうか。
1日で全部巡ることも可能ではあるが、今日は金比羅山、明日は七面山と烽火山と秋葉山といった具合に分けて登ってもいいのだ。また現在、七高山巡りは成人の日にも行なわれている。これは諏訪神社から金比羅山へと登り、烽火山、秋葉大権現、妙相寺。そして豊前坊、彦山、愛宕山、風頭山をまわって最後に若宮稲荷神社へと辿り着くコースなのだそうだ。

●七高山巡りのねらい!●
それぞれの山には神社やお堂が数多く点在する。年の初めに一年間の無病息災を祈願。七高山巡りはかねてから神参りを兼ねたハイキングだったのだ。今回取材班を案内くださった登山家の方々の中には、“受験生の父”が数名いて、kit catを供え、念入りに我が子の合格を祈願しておられた。



受験者の合格は“kit cat=きっと勝つと”いう長崎弁ならではのげん担ぎ

●七高山巡りの秘かな楽しみ!●
美味しい空気を吸いながら、素晴らしい眺めを満喫する。気負いなく登り、用意していった食事を山頂で堪能。“美味しい食事と軽く1杯!”これが最大の楽しみで登るという人も結構多いみたいだ。



登山シーズン
本来は正月に登るのだが、環境を考えると新緑の頃と紅葉の頃、つまり春と秋が適しているだろう。春は常葉樹の新緑が美しく、空気が澄んだ秋は山頂からの眺めが最高だ。

参考コースタイム
諏訪神社一の鳥居→(60分)→金比羅山→(90分)→烽火山→(25分)→秋葉権現神社→(15分)→妙相寺→(60分)→豊前坊→(20分)→彦山→(35分)→愛宕山→(25分)→風頭山→(15分)→若宮稲荷神社


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