深海を連想させる瑠璃色は
長崎の海の賜物…長崎ビードロ


涼しげな長崎ビードロは夏にフル活用!
(コーディネート:一瀬厚子)

ビードロの語源はポルトガル語でガラス製品の総称。ビードロは天文11年(1542)、日本に来航したポルトガル人の手によって渡ってきた。ポルトガルとの貿易港として繁栄した長崎は、ガラス製品伝来の地でもあるのだ。そんな中、18世紀頃に長崎で作られていた冷酒用急須『長崎チロリ』を長崎で初めて復元したのが瑠璃庵長崎工芸館の代表・竹田克人さん。
厳選した調合原料に酸化化合物を混合して独自に調合し生み出した瑠璃色は、まさに長崎の海の賜物という印象を受ける。
瑠璃色のチロリは、今では長崎ガラスの象徴的存在だろう。
こちらの工房では吹きガラスやステンドグラスを制作。全国各地の教会のステンドグラスの新たな制作や修復など、常に新しいことを試みている。


竹田さん
「現在チロリのオーダーはかなり待って頂いている状況です。また、うちの工房では、ガラスの持つ魅力をより多くの人に知ってもらうために、キーホルダー、花器、茶器、ランプなど、大小様々な製品を制作して身近に見て頂くようにしています。フラッシュドガラスという最高級ガラスがあるんですが、これは断片は透明で片側だけに色が入っているもので、教会などのステンドグラスに用いるものです。その破片を使った万華鏡がありますが、これなんかは大人の遊び心を刺激するのか、手にして気に入った方は迷わず買っていかれますね。」




フラッシュドガラス




最高級ガラスが織りなす華麗な光の
芸術品・カレードスコープ(万華鏡)は
大人の遊び心を刺激する逸品


■吹き込む ■模様を入れる ■出来上がり

吹きざおに巻きとったガラスの塊に息を吹き込む。
これを数回繰り返しながらさおをまわし成形していくのだ。


こちらの工房では手作りガラスを体験することができる。
※手作りガラス(宙吹きガラス)体験
●吹きざおにガラスの生地を巻きとり息を吹き入れて成形する吹きガラスでは、タンブラーや一輪挿し、ぐい呑を作ることができる。(所要時間約15分/翌日、翌々日渡し、もしくは別料金で後日発送/1名〜/要予約/3,150円)
●色ガラスのキットに銅テープを巻いてハンダ付けで接合して作るステンドグラスでは、キーホルダーやウインドペンダントを作ることができる。(所要時間約30分〜2時間/即日渡し/5名〜/要予約/1,050円〜)


●問合せ

TEL095-827-0737 松が枝町5-11
9:00〜18:00
火曜定休
●アクセス
路面電車:長崎駅前電停から正覚寺下行きに乗車し、築町電停でのりつぎ券をもらい下車。石橋行きにのりつぎ大浦天主堂下電停から徒歩3分。(所要時間約20分)
長崎バス:長崎駅前東口バス停から田上、大平橋行きに乗車し、大浦天主堂下バス停から徒歩3分(所要時間約30分)
車:長崎駅前から約8分。


瑠璃庵長崎工芸館2代目ガラス職人
竹田礼人(あやと)さん
 
●一瀬先生のアドバイス!


「長崎ビードロは色が素敵です。そこに置いているだけで絵になるようなものも多いですから何に使おうか、何が合うだろうって考えるのは難しいですけれど、思い切った使い方もいいように思います。この微妙な紫色の茶器にはお造りを入れると、スーパーのパックで買ってきたお刺身が料亭の一品に早変わり。また、この曲線がユニークなターコイズブルーの大皿には、お素麺を入れるとオシャレですよね。今回は、夏らしく爽やかな彩りの野菜サラダを盛ったり、お庭に咲いた小ぶりの花や、フローティングキャンドルを浮かべてみました。涼しげで夏の食卓にピッタリですよね。」

 


(コーディネート:一瀬厚子)




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