●長崎県立美術博物館

電話095-821-6700 立山1-1-5

●JR長崎駅からのアクセス
市電 / 長崎駅前電停から蛍茶屋行きに乗車し桜町で下車、徒歩3分。
バス / バス停長崎駅前東口から市役所経由(中央橋行き他)に乗車し桜町公園前下車、徒歩3分。
車 / 長崎駅前から約5分。


●開館

昭和40年、美術館的機能と歴史博物館的機能を併せ持つ人文科学系博物館として開館。
日本各地に建設された「美術博物館」であり、県立として最後の「美術博物館」となった長崎県立美術博物館。
しかし、平成14年12月をもってその使命を終え閉館し、平成17年度に新しく長崎県美術館と歴史文化博物館(仮称)とに分離開館することになる。



●文化財(長崎県所有)


紙本著色 南蛮人来朝屏風六曲一双(国認定旧重要美術品)


紙本著色
シーボルト瀉血手術図
(国認定旧重要美術品)


紙本著色
泰西王侯図六曲屏風
(国指定重要文化財)


紙本著色
泰西王侯図六曲屏風
(国指定重要文化財)


刀・対州住長幸(県指定有形文化財)
刀・肥前国忠吉(県指定有形文化財)



●取材メモ1
ファイナル企画展は豪華絢爛!長崎県が所有する美の歴史の集大成


長崎県立美術博物館ファイナル企画展
「美への誘い 美への冒険 --37年の軌跡、そして再生へ--」


会期

〜7月14日(日)

開館

午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分)
7月5日(金)、12日(金)は午後7時まで開館(入館は午後6時30分)

休館日

月曜日

ギャラリートーク

7月5日(金)、12日(金) いずれも午後2時〜

観覧料

入場無料


12月の閉館を前に開催中の長崎県立美術博物館ファイナル企画展「美への誘い 美への冒険 --37年の軌跡、そして再生へ--」は、長崎県立美術博物館、37年の歴史の最後を飾る展覧会。
県所有の素晴らしい美術・歴史資料は、全て県民の財産、ということで、全館すべてを展示会場に、数えきれない程の収蔵品を紹介している。
何より無料というのが嬉しい、とてもとても1日では全てをじっくり鑑賞することができないので、何度も足を運んで「今日は1部、今度は2部」という具合いに見て回ることをおすすめしたい。
それでは、その一部を簡単に紹介しましょう。

◎第1部 長崎・スペイン 美への誘い

明治から現在に至る長崎ゆかりの作家たちを紹介するとともに、須磨コレクションを中心とするスペイン美術を紹介。

故須磨弥吉郎氏(スペイン特命全権公使)によるスペイン美術コレクション(須磨コレクション)を中心に、新たに収集した近現代スペイン美術作品を時代ごとに展示。
ゴヤ(フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシェンテス)の四大版画集と呼ばれる中の一つ『気まぐれ』。
日記風素描をもとに制作されたこの版画集、一冊で家が数件建つ程の代物だとか。



◎第2部 美への冒険


こどもたちを美術の世界へご案内〜!
げいじゅつとは? ビジュツとは? なーんて難しく考えるのはやめて、ワクワクしたり、ドキドキしたり、びっくりしたり、そんな作品がみんなを待っている。


例えば「いろんな自画像」。
リアルな自画像からレントゲンと心電図を組み合わせたアーティスティックな作品までを展示しながら、美術に決まりなんてない!ってことを表現。
鏡を見ながら自分の自画像が書けるスペースもあり(大人の参加も思ったより?多い)
また、こども向けのパンフレットが用意されていて、難しい漢字で書かれた画家や作品のこともやさしく解説してくれるから安心、安心。
大人の人もぜひ手に取って回りましょう。


このパンフレットではスタンプ・ラリーも実施!(小・中学生対象)
各会場で3つのスタンプを集めた人は超限定記念品のプレゼントがもらえる!
それは実際に展示されている作品をモチーフにした特製ピンバッチ!
パンフレットには川原慶賀の代表作、「瀉血手術図(しゃけつしゅじゅつず)」の痛そうな顔をした人(酸っぱそうな口にも見える?)のシールも付いてるよ(こちらも貴重)。



◎第3部 長崎・近世 美への旅


「南蛮」、「阿蘭陀」、「唐」の三地域との交流から生まれた作品を『南蛮人来朝之図』、石崎融思『唐館蘭館図絵巻』など当館所蔵の名品の数々を交えて紹介。

例えば「いろんな自画像」。
リアルな自画像からレントゲンと心電図を組み合わせたアーティスティックな作品までを展示しながら、美術に決まりなんてない!ってことを表現。
鏡を見ながら自分の自画像が書けるスペースもあり(大人の参加も思ったより?多い)
また、こども向けのパンフレットが用意されていて、難しい漢字で書かれた画家や作品のこともやさしく解説してくれるから安心、安心。大人の人もぜひ手に取って回りましょう。

江戸末期(19世紀中頃)に造られた長崎風物図箱には、長崎青貝細工が施されていて、居留地時代の出島など、長崎の風物が描かれている興味深い名品。
その繊細で美しい青貝細工に思わずため息。
見入ってしまうのだ。


オランダや中国の絵を調べたり、珍しい外国の動物たちをスケッチしたりする「唐絵目利(からえめきき)」という仕事をしていた長崎の画家・石崎融思が、出島(オランダ屋敷)の風景を書いた長さ7メートルにも及ぶ『蘭館図絵巻』や唐人屋敷の風景を描いた『唐館図絵巻』が見物!
特に石崎融思は中国人と親交が深かったらしく、『唐館図絵巻』の人物、風景はとても事細かに描かれている。







そして、シーボルトのお抱え絵師として有名な川原慶賀の作品も数点展示。
国認定旧重要美術品の『紙本著色 シーボルト瀉血手術図』(ポストカード)ほか、当時の長崎の人々の暮らしぶりがうかがえる作品が興味深い。


江戸後期『正月図』

◎第4部 新美術館・歴史文化博物館紹介


この長崎県立美術博物館の財産を継承し、長崎県の新しい文化活動の拠点となる長崎県新美術館(仮称)及び歴史文化博物館(仮称)の紹介を行なうコーナー。

長崎県立美術博物館の歴史資料及び江戸時代以前の美術資料約2000点、県立長崎図書館の郷土資料など約3万点、長崎私立博物館の資料約1万6000点、総計約4万8000点の資料を一堂に会するという、質、量とも国立クラスのコレクションが形成される歴史文化博物館(仮称)。
一方、シーサイドパークや水辺のプロムナードなどの都市空間の整備が進んでいる港への眺望に恵まれた長崎市常盤・出島地区に建設される長崎県立新美術館(仮称)には、長崎県立美術博物館の所蔵品のうち、明治以降に制作された長崎ゆかりの美術品やスペイン美術のコレクションなど計3000点余りを引き継ぎ展示(本企画展、第1部に主な作品が出品)。
なかでもスペイン美術のコレクションはピカソ、ミロ、ダリなど世界的に著名な近現代の作家の作品から中世の宗教美術まで、東洋でも有数の量と内容を誇る貴重な作品を広大な常設展示室でいつでも鑑賞できるようになっている。

というように、17年度に完成予定の美術館、博物館の情報をいち早く入手できるこのコーナー。
建物のパースなども展示されていて、期待に胸膨らむ空間となっている。



●取材メモ2
ファイナル企画展後はこの常設展がおすすめ!


1階 長崎フロアー
VIEWS OF NAGASAKI

2階 スペインフロアー
スペイン美術名品展

会期

7月16日(火)〜9月1日(日)

開館

午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分)

休館日

月曜日

観覧料

一 般 200円
高大生 100円
小中生  60円
(休業期間以外の土曜日は小・中学生は無料
/ 70歳以上は無料(年齢を証明するものを提示)
/ 障害者手帳所持者及び介護者(同伴者)1名無料)


1階フロアー /
戦後、異国情緒豊かな地、または平和を象徴する地として多くの美術家を惹きつけてきた長崎。
そんな美術家たちの代表とも呼べる、野口彌太郎、田川憲、上野誠などの画家たちが記録した「長崎」、そして長崎に移り住み、現在も撮影を続けている写真家・東松照明の「長崎」を紹介。

2階フロアー /
15世紀スペイン宗教画から、ピカソ、ダリ、ミロなどの近代絵画及びタピエスなど現代スペインを代表する作家まで約50点を紹介。