冬の長崎を極彩色のランタンが鮮やかに彩る。
華やかで美しく、楽しくてあったかくなる祭
長崎ランタンフェスティバル。
今回は、地元の人に聞く祭りの楽しみ方と
唐人屋敷会場がある十善寺地区の歩き方を紹介しよう!




もともとこの祭りは、長崎の華僑の人々が中国正月(春節)を祝うための行事として始めたもので、新地中華街を中心に「春節(しゅんせつ)祭」として行われてきた。
今では毎年、長崎市内はもとより県外からも多くの人々が訪れ、シンと張りつめた澄んだ空気が広がるこの季節に浮かび上がる、幻想的な灯りの祭典に魅了されている。
この時期に長崎を訪れた人は、きっと今も長崎に息づく「長崎の中の中国」をより身近に感じて帰途につくことだろう。

さて、この長崎ランタンフェスティバル、通称・ランフェスは春節である中国の旧暦1月1日から元宵節 (げんしょうせつ) 旧暦1月15日に合わせて開催することとなっているので毎年日程が変ってくる。
2002年のランフェスは2月12日(火)〜2月26日(火)の15日間。
どんなイベントが催され、はたまた、存分に楽しむためにはどんなポイントを押さえていけばいいのか、各会場での目玉イベントや隠れポイントを主催者、参加者の声を交えてレクチャー。
見どころ満載のランフェスの「いいとこどり」で例年よりも満足度アップ!を目指そう。

アドバイザーは次の方々

長崎新地中華街商店街振興組合理事長
林 照雄さん
(中華料理店 会楽園・社長)


十善寺地区連合自治会長、長崎十善寺地区まちづくり協議会会長
廣瀬 孝さん


毎年、中国獅子舞に出演されている
陳 優継さん
(中華料理店 四海楼・専務)

皇帝パレードに参加したことがある
角田 清香さん


まずは陳さんが出演される中国獅子舞
爆竹が鳴り響く中、極彩色の衣装に身を包み、躍動的なリズムに合わせて舞う中国獅子舞はお正月の雰囲気満点。

実はランフェスの公式イベントは2月12日(火)夕方の点灯式からスタートするが、この日は中国獅子舞が13:00から新地中華街をスタートして70件ほど庭先廻り(店先や民家の軒先での舞)をするのだ。
13:00に中華街へ行けば、中国の正月気分が味わえそうだ。


角田さんのオススメは、絶対はずせない超目玉の春節礼祭・点灯式。今年は2月12日(火)の時刻は17:30。
たくさんのオブジェが集まる湊公園、赤いランタンが十字路を埋め尽くす新地中華街、暗闇の中にランタンの灯りだけがポッと浮かび上がる唐人屋敷跡、巨大オブジェが天井から吊るされ多くの人で賑わう浜んまちアーケード、どの場所でその時を迎えるかはよく吟味して、くれぐれも移動中に点灯してしまったってことがないように注意!


廣瀬さんのイチオシは、もちろん金曜〜日曜に行なわれる唐人屋敷会場の企画。
福建会館を舞台に中国民族音楽のコンサートが開かれるが、このシチュエーションは抜群。
冷たい空気が広がる冬の夜の幻想的なコンサート。
ぜひ早めに会場に向かい、いい席をゲットしよう。

そして、館内町の岩永市場内に期間中登場する唐人屋敷茶館
点心などの飲食ができて、ほっかほかのおいしい中国に出会える。

唐人屋敷会場の目玉といえば館内町に点在する唐人屋敷の遺構である四つのお堂にロウソクを献灯しながら巡るロウソク祈願スタンプラリー

ロウソク(4本500円)をスタート地点の土神(どじん)堂で購入し、4つのお堂をひとつひとつ巡りながらロウソクを灯して吉祥の言葉をかける。
天后(てんこう)堂には航海の神様・媽祖(まそ)が祀られているので、旅行者はここで旅の安全をバッチリ祈願しよう。
元宵節の最終日2月26日(火)18:00からは岩永市場前で300人分の元宵だんごがふるまわれる。
元宵節の中国の風習に習った黒ゴマ餡のだんごは、他ではそうそう味わえない逸品だ。


角田さんのもう一つのおすすめポイントは、浜町アーケードまで続くランタン巡り
公募した手作りランタンがアーケードの天井に展示されているので、個性豊かなランタンを鑑賞しながら浜んまち会場へ移動するのもいい。


林さんからのチェックポイントは3つ。
まずは夕食の時間。期間中、中華街はもちろん長崎の町はそれこそお祭り騒ぎ。
各イベントを見てからいざ食事となると、どこもいっぱいで入れない、ってことも多いので、ちょっと早めの18:00頃には夕食をすませて各イベントを鑑賞することをオススメしたいとか。

次に交通。誰もが近くまで車で来ようとするので、例年会場付近はどうしても大混雑。
長崎の町は一方通行の道が多く、特に観光客には難しいので、市電や徒歩で会場へ入るのがいちばんの近道。

今やランフェスの超目玉の100円ちゃんぽん
材料も量ももちろんお味も中華街のどの店のちゃんぽんと比べても何ら劣らない、ちゃんぽんが100円で戴けるこの企画は、毎年大盛況。
ただし整理券が必要なので、あらかじめ時間をチェックする必要がある。
行列してでも食べたいという人お試しあれ。

それから期間中、湊(みなと)公園では、媽祖行列や皇帝パレードに参加する人たちや、中国獅子舞の方などと写真に写るピクチャーサービスがあるので、ぜひ記念に一枚、極彩色の衣裳に身を包んだ人たちと写真を撮ることもおすすめしたい。



最後に、陳さんの隠れオススメスポットを一つ。
最終日は元宵節。元来華僑の人々は四堂(唐人屋敷)と崇福寺にロウソクを灯して1年の様々な祈願をしてきたのだとか。
この日、崇福寺では燈籠祭が行なわれ、数えきれない程の赤いロウソクが灯され、とても幻想的でロマンティックな光景に出会えるのだとか。
崇福寺の燈籠祭、これは要チェック!
(ランフェス期間中崇福寺と興福寺は17:00以降は拝観無料。21:00閉門)


きっと今年も大勢の人でごった返すに違いない長崎ランタンフェスティバル。
見物客がひしめきあいながら露店の中華饅頭などを頬張るのも祭りの妙。
しか〜し、とにかく寒いからね、無駄な動きをしないようにポイント押さえてまわりましょう。
4人の方のアドバイスをぜひ参考に。さて、今年は何回足を運ぶとしますか?




長崎ランタンフェスティバル公式HPへ
https://www.at-nagasaki.jp/festival/lantern/


||[周辺地区地図]||
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