長崎市へのご意見・ご提案等の紹介

これまでに寄せられたご意見・ご提案等の内容をご紹介します。

年代:【60代】  【2020年09月受信】

ご意見(要旨) 【被爆二世について】
被爆75周年の特集記事を拝見しましたが「原爆二世」の事はどこにも記述もなく、原爆の継承についても置き去りにされているのが現状ではないでしょうか。
県や市は「原爆二世」の問題をどのように捉え、今後継承していくのでしょうか。

【2020年09月25日回答】

回答 【援護課】【被爆継承課】
まず、「原爆二世」についてお答えいたします。
被爆二世の援護対策については、各都道府県、広島市及び長崎市が国からの委託を受けて実施している「被爆二世健康診断」があります。これは、被爆二世の中には健康面での不安を訴え、健康診断を希望する方が多い現状に鑑み、健康診断を実施して、被爆二世の健康状態の実態を把握するとともに健康管理に資することを目的として、年1回、無料で健康診断を実施しているもので、その受診結果については、それぞれ各都道府県、広島市及び長崎市が医療機関等から提出された健康診断個人票と問診票を取りまとめ、年度末に一括して厚生労働省に提出しています。
被爆二世の原爆放射線による身体的・遺伝的影響については、公益財団法人放射線影響研究所が調査研究を長期に継続して実施しているところですが、現時点では、その影響があるという科学的知見は得られていません。
被爆二世の援護対策は、被爆者対策と同様に、国の責任においてなされるべきと考えており、被爆二世に関する身体的・遺伝的影響についての科学的知見が得られていない現状においては、被爆者への医療費助成制度を、被爆二世の方々にも同様に行うことは困難であると考えています。
上記の状況から、長崎市においては、被爆二世の原爆放射線による身体的・遺伝的影響に関する調査研究の更なる促進や、「被爆二世健康診断」の検査項目に「がん検診」を追加することなどについて、長崎県とも連携しながら、国に対して要望を続けているところです。
次に、「原爆の継承」についてお答えいたします。
現在、本市では、被爆者のいない時代を見据えて、被爆体験のない世代が、被爆者から体験を聴いて講話としてまとめ、証言活動を行う「家族・交流証言者」や、様々な視点から平和について考え、行動することにより、被爆体験の継承と平和意識の高揚を図ることを目的として「青少年ピースボランティア」などの人材の育成を行っています。
また、被爆者自身が書かれた体験記については、報道各社や大学などの研究機関、被爆者団体などがそれぞれ公開していますが、長崎市では、それらを一つのホームページで見ることができるよう、長崎原爆資料館ホームページ内に平和情報ポータルサイト「長崎原爆の記憶」を開設しています。多くの被爆証言等を閲覧でき、若者が作成した平和発信用ガイドブックも「長崎原爆の記憶」に掲載しています。
そして、長崎原爆遺跡などの被爆遺構が核兵器の非人道性を伝えるうえで、今後さらに「もの言わぬ語り部」として、重要なものになってくると考えており、遺構の保存・整備・活用を着実に行っていきます。被爆の実相をより詳しく伝えていくために、被爆者の方に被爆資料の寄贈をお願いし、被爆資料の収集を強化しているところです。
ご質問の被爆の実相の継承に係る被爆二世の関わりにつきましては、「家族・交流証言者」において、令和2年8月31日現在、85名の方が登録しています。そのうち12名が被爆二世の方、6名が被爆三世の方で、ご家族から聴いた被爆体験の証言活動をされています。
その他の継承活動においても、様々な形で被爆二世、三世の方にもご協力いただいているところです。
本市では、被爆者やそのご家族、若い人たちをはじめとする被爆の実相の継承に尽力されている多くの方々とともに、広く被爆の実相について発信していきたいと考えております。
 
関係所属 援護課  【直通番号】:095-829-1149】
被爆継承課  【直通番号】:095-844-3913】

(注)掲載されている回答は回答時点のものであり、その後の社会情勢や制度の改変などにより、最新の回答と異なる場合があります。

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