長崎市へのご意見・ご提案等の紹介

これまでに寄せられたご意見・ご提案等の内容をご紹介します。

年代:【不明】  【2020年06月受信】

ご意見(要旨) 【原爆投下の日に寄せて】
私事ながら、元々の仕事上160回以上の海外旅行経験があり、その中で、最も好きな街を尋ねられれば即座にオーストリアの首都のウィーン。それは情感溢れる街であるからです。音楽を街全体がふんだんに導入して観光に活かせているところはウィーン以外に見当たりません。音楽の都と言われる所以は、ヨハン・シュトラウスを始め、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス等世界に名だたる巨匠たちがこのウィーンの地から世界へ心に残る楽譜を残したのは言うまでもありません。
中でも、ヨハン・シュトラウスは生地でもあり、ワルツは3拍系の舞曲としてヨーロッパ各地で大流行したのも有名です。後にワルツの王と言われた彼の功績を称えウィーンの街のどこに行っても名曲「美しく青きドナウ」「ウィーンの森の物語」「皇帝円舞曲」などが耳に入ってきます。
お正月には誰もが楽友協会で行われるニューイヤーコンサートで心を新鮮にして新たな一年を迎えるのが永遠の世界的行事となっています。それだけではなく、どの商品店、レストランに入ってもBGMとして流れているのが「美しく青きドナウ」でありました。
「初めてですか、ウィーンは」と到着時ガイドに聞かれたので頷いたところランチはなんとウィーン市役所の大食堂に連れて行かれました。立派な欧州風の広いレストランでありましたが、何より「美しく青きドナウ」が流れていました。
これが官庁の社員食堂かと驚き、私は、コンサートの指揮者のごとく上手、下手、正面にと視線を走らせて感激したものです。
だが、驚きはこれだけではありません。2両編成の市電にも乗りましたが、電車内でも「美しく青きドナウ」が静かに流れていました。聞きほれて降車する駅を忘れるのではないかと思ったのですが、なんと座席にカメラを本当に忘れてきてしまったのです。尤も、このカメラ紛失を駅に届けたところ、発見されていて、次の宿泊地、同じオーストリアのザルツブルクまで届けてくれるということを聞かされて住民の温かい心配りに私の心がまるでワルツを踊っているような気持ちでした。
以上の感激的体験などから、僭越ながら長崎市あるいは長崎県の観光興隆政策に何らかのお役に立てばということの気持ちが彷彿としてきたのです。長崎は永遠に貢献してもらいたい近世のダイアモンドではないでしょうか。貴市に厚かましくもささやかながらの提言をさせていただく次第です。
動機づけになったのは、コロナ禍で外出自粛の折、自宅でDVDによる「ビルマの堅琴」を観たのと(青春時代に映画館でも)、それに付随して思い出の歌・日本の歌の定番の1つ「長崎の鐘」を時々下手ながら口ずさんだからです。
「長崎の鐘」は、言うまでもなく今も思い出のメロディの代表的な歌。誰もが手軽に口ずさめるのが素敵で、大衆的要素は十分にあります。
立派な絵と音楽の2つを見聞して涙を流すのはどちらであるか、とある書物に評論家が書いていましたが、答えは1千万の絵画を見ても涙は流さないが、歌には涙することがあると書かれていました。けだし名言だと思っています。
そこで、私は以下の提案をしたいのです。
1.ウィーンの街に因んで、ぜひ「長崎の鐘」をまず街中の商店、免税店、飲食店などで静かなBGMとして流してもらう。場所により演奏スタイルもその店に合ったアレンジしたものを使ったらよいと思います。必要なら地元の音楽家にお頼みする。若い世代にも魅了してもらう気持ちが大切です。
2.長崎出身者の歌手のヒット曲も披露してあげる。
さだまさしなどたくさんある筈です。もちろん地元の売り出し中の歌手でもよいと思います。
3.歌劇「蝶々夫人」から「ある晴れた日に」も当然レパートリーの1つとして。
「音楽は世界を変えることができる」といったのは、ドイツの作曲家、ベートーヴェンの名言ですが、「世界はともかくとして、少なくとも街ぐらいは変えることができる」と私は思っています。
なぜなら、頭のマッサージにはまず本はプライオリティが高い。それに対して心のマッサージは音楽であると思うからです。
さて、感激するには映像や舞台も音楽と互角であるといってよいのではないでしょうか。改めてご紹介するのはいうまでもありませんが、単なる戦争映画ではない、平和を希求させる映画として有名な「ビルマの竪琴」を例として考えると、ぜひ、長崎を舞台とした映画作品や戯曲を地元の長崎県はもとより、全国にも広く応募参加してもらうというのは如何でしょうか。もちろん世界からの応募もあってよいのです。「ビルマの竪琴」ではいうまでもなく、主人公が、日本の名曲、「埴生の宿」「荒城の月」「仰げば尊し」などの名曲を情感豊かに竪琴で引いて戦争の悲惨さを余計に際立たせています。
長崎は広島と共に平和を希求する県の先頭に立つ立場にあります。観光は、平和と人類の媒介者です。また戯曲では、広島の原爆をテーマにした堀田清美の「島」があり、戦争の悲劇を描いていて知る人ぞ知るですが、いずれも感動の名編となっています。視聴覚によって平和を訴えていくのが最も説得力があるのではないでしょうか。
貴市における観光復興に対して3番目の重要ポイントとして強調したいのが、長崎の食文化です。名物料理、「卓袱料理」「長崎ちゃんぽん」を始め、「皿うどん」「トルコライス」「佐世保バーガー」等たくさんあるようですが日本人はもとより、外国人にも賞味してもらいたいですよね。「人類は世界各国の料理を食べるべき。料理を通じて平和のおいしさがわかる」と思うのです。
また別の提案として、下記のようなこともあるのではないかと思っているのです。
1.聖歌合唱コンクール全国大会(あるいは世界大会)の開催
2.聖歌創作コンクール
3.異日常文化の創生
4.外国人を日本アドバイザリースタッフとして起用や海外従事経験のあるベテランスタッフの起用。前者には、いま脚光を浴びているビル・ロジャーズなど。
5.外国人移民受け入れの活発化。(ビル・ロジャーズの説)
6.市にDMOに類する組織がないならぜひ創生を。
観光業界の大御所である元JTB会長であった田川博己氏は、足の裏でその土地を感じ、手で触って土地の清さ、匂いを嗅いで空気を感じることが必要といっておられますが、その上でさらに目はもちろんのこと、口や耳から心を揺さぶる感動を人々に与えていけば、「よし、長崎に行って感動と平和をもらいに行こう」とのスローガンが育ってくるのではないでしょうか。
都市は3つの要因があれば必ずといってよいくらい幸福な発展が約束されるといわれています。
1.住民の住んでいる都市が風光明媚、気候が温暖、災害が少ない。そして発展に対する住民の感性が良質である。
2.発展に関連する環境的要因。例えば、生活への良質の資源、交通、伝統的な古来の文化などがあること。
3.発展に関連した活動と実践。
1は古来より資質が要因。2も1に準じたところが多いので環境を変えることは至難のところも結構あります。しかし、3は政治力でコントロールできます。
成功への理念と実行力のある資質を持ったスタッフの教育やスカウトなどにより可能性が高まります。なお、これからはさらに国際力が尊ばれることでしょう。こちらも力をどれだけ注げるかです。1の欠陥は2、3の強化によって凌駕できるのは間違いないでしょう。世界の有名都市は、最初から現在の姿があったわけではありません。1の欠陥があったからかもしれないところ、後に大発展に結びつけたのです。
長崎の魅力を今一度観光の原点に立ち返って国内のみならず世界にまで発信すべく、強力な演出力が必要と考える次第です。コロナ過で世界が動揺している今、平和の瓦解、すなわちコロナ禍戦争が勃発しない保証はありません。戦争勃発の防御ムードを今こそ長崎から起きることを祈るばかりです。

【2020年07月08日回答】

回答 【観光政策課】【*文化振興課】
貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございます。
長崎市は、鎖国時代に唯一西洋に開かれた窓口として、特に人の交流によって栄えた都市であり、歴史、伝統、文化、自然や景観等の他の都市にない豊かな地域資源を有しており、この地域資源を開拓し、磨き、そして活かすまちづくりを進めています。
また、これらにまつわる文学や音楽も多く作られており、長崎の魅力として観光振興に活用しています。
特に、世界新三大夜景に認定されている長崎の夜景については、世界的バイオリニストである葉加瀬太郎氏に長崎の夜景をテーマとした楽曲「長崎夜曲」を制作いただき、市民による発表会等での演奏や、この楽曲を活用した長崎夜景のプロモーション活動を行うなど、市民や観光客に広く親しまれています。
また、長崎が舞台のオペラ「マダムバタフライ」を中心に様々な音楽に子どもから大人まで身近に触れる「マダムバタフライフェスティバル」を毎年開催しています。
この他にも、長崎を舞台とした映画やドラマのロケ地誘致の取り組みであるフィルムコミッション事業や修学旅行生に対する平和教育へのアクティブラーニングの導入、「長崎の魚」や「長崎和牛・出島ばらいろ」といった長崎の食の魅力の発信事業等、長崎の魅力を活かした観光振興に取り組んでいます。
しかしながら、長崎市としてまだまだ不足している取り組みもあります。
今後も、長崎市版DMO(一般社団法人 長崎国際観光コンベンション協会)など民間事業者と連携し、新たな発想による観光資源の掘り起こし、付加価値の高い観光コンテンツの創出を図るとともに、多くの人が感動し、平和を祈っていただけるような観光地づくりを進めてまいります。 
関係所属 観光政策課  【直通番号】:095-829-1152】
*文化振興課  【直通番号】:095-842-3782】

(注)掲載されている回答は回答時点のものであり、その後の社会情勢や制度の改変などにより、最新の回答と異なる場合があります。

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