長崎市へのご意見・ご提案等の紹介

これまでに寄せられたご意見・ご提案等の内容をご紹介します。

年代:【不明】  【2018年04月受信】

ご意見(要旨) 【長崎の教会群とキリスト教関連遺産 名称変更反対!!】
「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」について、遺産名称を「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」へと変更するという事を知りました。イコモスの助言に従っての事と報じられていますが、キリシタンが潜伏せざるを得なかった理由、つまり「日本がキリシタンを迫害した」という点に焦点を当てようとしているイコモスの悪意にお気付きでしょうか?
禁教令を発布してキリスト教を日本から追い出そうとした事は歴史的事実でしょう。では、なぜキリスト教を禁じなければならなかったのでしょうか?その理由は、ご存知でしょうが、イエズス会が人身売買をしていたからに他なりません。これに言及した当時の記録が残っています。日本人をさらい、奴隷として異国に売っていたイエズス会の悪行を、日本の為政者が黙って見ているはずがないではありませんか!そういった経緯には触れず、ただ日本人はキリスト教を迫害したひどい民族だ、という間違った印象だけ先行してしまう事に、日本人として黙っておられません。
仮にこの名称で世界遺産登録が「成功」したとしましょう。外国人観光客がたくさん訪れたとして、彼らはイエズス会の悪行を学ぶ事が出来ますか?そう出来なければ、日本人に対する憎しみや偏見だけを、一方的にもたれてしまう危険性があるのでは?日本人がキリスト教を迫害したという事だけを記憶に残した外国人観光客を、長崎の皆さんは笑顔でもてなすのですか?その笑顔を見て、外国人の皆さんは、キリスト教信者の皆さんは、どう感じるのでしょう?不正確な情報によって日本人に対する不快感が芽生えてしまったかも知れない外国人観光客を、長崎の皆さんは迎え入れたいと心から考えているのですか?彼らは長崎を再訪してくれますか?
日本の悪口を世界中で吹聴して回る人々の、日本蔑視の一環であるのが、こたびのイコモスによる名称変更勧告なのです。「潜伏キリシタン」という言葉そのものが、ジャパンディスカウントを意図したものなのです。長崎の皆さまにお願い申し上げます。日本人の名誉を傷つけてまで、目先の利益を追求する事の無いよう、切に願います。

【2018年04月20日回答】

回答 【*世界遺産推進室】
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」については、当初、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として、450年におよぶ日本と西洋の価値観の交流の中で生じた日本における『キリスト教の伝播と浸透のプロセス』を世界遺産価値としていましたが、イコモスから世界遺産としての価値を「禁教・潜伏期」に焦点をあてた内容に見直すべきとの指摘を受け、新たに『キリスト教が禁じられる中で育まれた日本独自の信仰のかたち』を世界遺産価値としました。
世界遺産としての価値を「禁教・潜伏期」に焦点をあてた内容に見直したことに伴い、名称についても世界遺産価値を的確に表現したものにする必要があることから、イコモスの助言および文化遺産やキリシタン史などの専門家で構成される「長崎世界遺産学術委員会」の意見を踏まえ、各構成資産が所在する自治体の首長で構成される世界遺産登録推進会議で、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」へ変更したところです。
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は、禁教期の長崎と天草地方において日本の伝統的宗教や一般社会と共生しながら育んだ潜伏キリシタンの信仰継続にかかわる伝統の証しとなる遺産群です。潜伏キリシタンの伝統が始まるきっかけとなった原城跡から、外海地域・平戸島・天草下島にある4つの集落での伝統の形成、外海から五島などへの移住による維持・拡大の段階を経て、大浦天主堂による信徒発見により終わりを迎えるまでの歴史を語る上で必要不可欠な長崎と天草地方の12の資産で構成されています。
今後は、今年5月頃のイコモス勧告および6月24日から7月4日にバーレーンの首都マナーマで開催される世界遺産委員会の登録審議に対応するため、国や関係自治体と連携を図りながら世界遺産登録に向けて万全を期したいと考えています。
また、ご指摘にありましたように間違った印象が先行しないよう、正しい世界遺産価値の周知に努めて参ります。 
関係所属 *世界遺産推進室  【直通番号】:095-829-1260】

(注)掲載されている回答は回答時点のものであり、その後の社会情勢や制度の改変などにより、最新の回答と異なる場合があります。

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