長崎市へのご意見・ご提案等の紹介
これまでに寄せられたご意見・ご提案等の内容をご紹介します。
年代:【不明】 【2017年09月受信】
ご意見(要旨) 【英語教育について】 |
英語教育について、ご提言申し上げます。
私は、福岡市、横浜市に在住後、5カ月ほど前に主人の仕事のため、長崎市に越してまいりました。イギリスで16年間過ごし、10年前に帰国してからは、日本人の英語力向上のために活動しております。
日本に帰って来て改めて実感し、感嘆したのは、この国には物質的な資源は少ないものの、世界に堂々と誇れる技術や文化や人といった素晴らしい財が豊富にあるということです。日本人のひいきめではなく、この国のレベルの高さが世界でも群を抜いているのは事実です。
その一方でまた驚いたことは、日本人の英語力の乏しさでした。私は、がっかりすることを通り越して、焦燥感に駆られました。何事もグローバル化が進むこの時代です。「日本に住んでいたら英語ができなくても困らない」では済まされない事態になるのは、遠い将来ではありません。平和で豊かな国に暮らしていると、そんなに頑張らなくてもその楽な生活が終わることはないような気がします。しかし、地下資源ではなく人の作り出す資源をもって世界で勝負しなくてはならない立場の国家においては特に、教育という課題をおろそかにはできないはずです。
日本人が英語を話せない理由は、学校英語は「受験英語」であって、会話のための英語ではないために、日本人のほとんどが英語のコミュニケーション能力をつける機会が持てなかったことにあります。長文読解や文法が英語の学習だと日本人は思っていますが、どれだけたくさん長文読解をしても、難しい文法を覚えても、英語が話せるようにはなりません。
私は英語教育に携わってきた一個人として、これまでの経験と知識を活かし、日本人の英語力向上について日々考えております。東京オリンピックを目前に控え、国においても「グローバル化に対応した英語教育改革」がなされているのは存じておりますが、そのような改革の効果はもちろん、容易に獲得できるものではありません。しかしながらその課題は喫緊である上に、今後の日本のポジションを左右しかねないという重要度を考慮すれば、英語教育についてのより積極的な対策が必要であると考えます。
学校英語教育を変えるには、教育内容を見直すことと同様に、その教育が適切に行われるための教育者、つまり先生が必要となります。英語の会話をきちんと教えられる先生となるべき存在である今の学校の英語の先生は、周りの日本人と同じ「受験英語」で育ちました。たちどころに「英語の会話が教えられる先生」に変身することはできません。この人材不足は最も深刻な問題です。文部科学省の英語教育改革の一環として行われている教員研修にも、かなり無理があるように見受けられます。また、ALT(外国語指導助手)に頼ることにも限界があるのは、1987年に始まったとされるALT制度の導入から、どれだけの英語の堪能な子どもが育っているかを考えれば明らかです。
さらに、日本の英語教育産業の市場は膨大であるにもかかわらず、日本人の英語力は向上しないままであるという事実、そしてそれについて誰かが苦言を呈することもなく、その状況が当たり前のこととして見過ごされていることについても、私は大きな疑問を感じます。多くの日本人が、学校英語で身に付かなかった英語力を求めて多大なお金や時間を費やし、なおかつ、一向に成果が得られないその理由は、ほとんどの英語教育産業が「教育」ではなく「ビジネス」であるからです。
これからの日本においては、学校で英語を学ぶ子どもたちはもちろん、自らの意思で英語力向上を目指す大人の学習者に関しても、意味あるそして実りのある教育が普遍的に施されるようになることを強く願います。
そこで例えば、「公立の英会話スクール」のようなものがあればよいのではないでしょうか。
学校英語は、改革中とはいえ未だ「受験英語」が色濃く残っており、それは目標である「英語コミュニケーション能力」とはかけ離れたものです。英会話スクールは、この現在の学校英語を補完するものとして意義があります。成人学習者にとっても、しかるべき英語教育が受けられる場所が存在するならば、民間のビジネスで意味なく散財する必要がなくなります。また、国際的な背景を色濃く持ち、これからも先もまたさまざまな外国人を受け入れていくであろう長崎という都市にふさわしい、そのような日本の英語教育の先駆けとなる機関は、市民に大いに歓迎されるものではないかと思います。
この国の豊かさのカギは、「人」にあります。日本人一人ひとりの強い心や力が、この国を支えてきたように、これからもそうあり続けてほしいと切に願います。そのためには個々人を育てる確固たる教育システムと前向きな体制が不可欠です。私は英語教育の専門家として、日本人の英語力の現状を少しずつでも改善したいという思いから、ここにご提案させていただきます。
以上、ご検討のほど、よろしくお願いいたします。 |
【2017年10月12日回答】
回答 【学校教育課】 |
長崎市としましても、「自ら進んで交流しようとする国際性豊かな児童生徒」を目指す姿として掲げ、全小中学校へ外国語指導助手(ALT)を派遣し、コミュニケーション能力を育成するなど英語教育に力を入れているところです。
ご提案の「公立の英会話スクール」につきましては、現在、外部人材を活用した「英語寺子屋」事業等を放課後に実施しておりますので、その取り組みの参考とさせていただきたいと考えております。 |
関係所属 |
学校教育課 【直通番号】:095-829-1195】
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(注)掲載されている回答は回答時点のものであり、その後の社会情勢や制度の改変などにより、最新の回答と異なる場合があります。
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