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学芸員コラム Vol.4 長崎市長崎学研究所のお仕事


更新日:2024年3月31日
ページID:041847

 前回は、「長崎学の取組み」と題し、長崎学を牽引した多数の研究者、長崎学研究の拠点となった施設や組織について紹介しました。これまでコラムを見て来たとおり、長崎学の研究は先人たちの努力の積み重ねによって、現在に繋がっています。しかし、近年長崎を研究テーマとする研究者の減少や、長崎学の研究、普及啓発を市民レベルで支えてきた郷土史研究団体の高齢化、長崎学研究の担い手となる後継者の育成が課題となっており、この課題を解決するために、平成28年度新設されたのが、長崎市長崎学研究所(以下「研究所」と言う。)です。

 研究所では、「調査研究」「普及啓発」「後継者育成」の三本柱を軸に活動を行っています。(詳しくはをご覧ください。)その一つである、調査研究事業は長崎学に関する資料調査、研究を行い新たな長崎学に関する素材を集め育てる事業です。今回は、一例として私が担当している清水崑マンガ原画等資料のアーカイブ化事業についてご紹介します。

 長崎市には沢山の歴史に関する素材がありますが、時代に求められる資料の発掘も大切です。皆さんは、近年マンガ原画資料が歴史、美術の資料として注目され、第二の浮世絵と称され海外流出の懸念が叫ばれていることはご存知でしょうか。このような状況もあり、研究所では令和4年度から国の補助金などを活用しつつ、本市出身で昭和期に活躍したマンガ家清水崑の資料について、調査研究及びデジタル化を進めています。清水は、戦後復興期に描いた政治漫画や愛らしいかっぱのキャラクターを生み出したことで知られており、昭和史を語る上でとても面白い人物です。研究活動を続ける中で、清水と同年代の漫画家の資料を所蔵するミュージアムと繋がることができ、昭和史、マンガ史として昭和期の漫画家を研究するネットワークが広がりつつあります。このように長崎学の領域を広げるのも研究所の使命と言えます。

 この他にも、大学や市民団体など幅広い担い手が、2カ月に1回一堂に会して情報交換を行う「長崎学ネットワーク理事会」や長崎の歴史文化等について若い世代に関心を持ってもらうことを目的とした「長崎学児童研究コンクール」など長崎学の繋がりを活性化させ、新たに長崎学のファンを生み出す活動も行っています。長崎の豊かで独自性の高い歴史文化について、多くの市民の方に関心を持っていただけると私たちも嬉しいです。
 

■清水崑マンガ原画等資料のデジタル化を実施■




お問い合わせ先
文化観光部 長崎学研究所 
電話 095-818-8388

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