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第9回企画展「刊行から50年――遠藤周作『沈黙』と長崎」


 『沈黙』は1966年に発表されて以降、キリスト教、迫害、踏絵という重いテーマの純文学作品でありながら多くの人に読まれ、その年の第二回谷崎潤一郎賞を受賞するなどの評価を得た作品です。刊行から50年、国内での評価はますます高まり、『沈黙』は戯曲やオペラ、映画など様々なジャンルへと広がりをみせています。また現在では20カ国以上で翻訳され、2016年にはマーティン・スコセッシ監督により映画化されるなど、『沈黙』は世界でも読み継がれています。

 『沈黙』は、遠藤自身の文学的生涯の中においても重要な作品です。大連で過ごした幼少時代、母・郁の影響で洗礼を受けたこと、仏蘭西に留学して感じた「日本と西洋との距離感」、戦争体験、度重なる入院生活、それらすべてが結実し、「日本人とキリスト教」というテーマの中で<母なるイエス>という一つの答えを見出した作品だと言えます。
 第一展示室では主に『沈黙』の物語世界と『沈黙』の執筆過程、その中でもとくに遠藤が度々訪れた長崎での取材旅行についてご紹介します。また、最終章の「切支丹役人屋敷日記」についても取り上げ、遠藤が『沈黙』に込めた思いをご紹介します。第二展示室では、『沈黙』の国内外の評価と、様々なジャンルの「沈黙」をご紹介します。