• 思索空間アンシャンテ
  • 各国語パンフレット
  • 遠藤周作 生誕100年記念事業公式サイト

開館時間

AM9:00~PM5:00
(入館受付PM4:30まで)

休館日

12月29日から1月3日まで

観覧料(個人)

一般360円、
小・中・高校生200円

観覧料(団体)10人以上

一般260円、
小・中・高校生100円

長崎市遠藤周作文学館

〒851-2327
長崎県長崎市東出津町77番地


TEL:0959-37-6011
FAX:0959-25-1443

email:endoshusaku_seitan100

@city.nagasaki.lg.jp

第22回文学講座(H25.2.23)

題目
遠藤周作とグレアム・グリーン
講師
阿部曜子氏(四国大学)

 平成25年2月23日(土)、風は冷たいものの晴天に恵まれ、西を望むテラスからの海には冬独特の白波が立つなか、第22回文学講座を開催いたしました。

 今回は、四国大学の阿部曜子氏をお迎えし、遠藤周作が若かりし頃から愛読したカトリック作家の一人グレアム・グリーンの文学と、遠藤文学についてお話して頂きました。

 グレアム・グリーンの研究者である阿部先生より、欧米において、遠藤周作は「日本のグレアム・グリーン」として認識されていることや、遠藤の文学的出発点となった仏蘭西留学中の日記には、「モーリヤック、ジュリアン・グリーン、そしてグレアム・グリーン」という三人の作家の名前がよく記されており、グレアム・グリーンの名はいつも三番目に列記されるものの、文学的に遠藤が一番影響を受けているのはグレアム・グリーンではないだろうかとご紹介頂きました。そしてその後は、『沈黙』との影響関係があるグリーンの『権力と栄光(※力と栄光)』について、両作品の詳細な比較一覧とともに、場面や設定の相違点、表現上の影響関係について、ご解説いただきました。

 また、講座の最後には、遠藤節の一つである「宗教心理と恋愛心理の相似性」について、グリーンの『情事の終わり』における主人公ベンドリックスとセアラの道ならぬ恋の行方の描き方を、ビデオ映像とともに鑑賞することで、深めさせて頂きました。