長崎の産業文化今昔物語塾  塾長:余語 保博

 「長崎の産業文化今昔物語塾」では、19世紀後半に徳川幕府が崩壊して明治維新を迎え、日本が近代化への道を歩み始めた頃から近年に至るまでの、長崎の産業文化を研究、調査しています。
 長崎人なら誰でもが知っているとおり、長崎(出島)は江戸時代にはオランダを筆頭とするヨーロッパ諸国との交流窓口として、日本の唯一の外国に門戸が開かれた地域であることから、数多くの文物が持ち込まれていました。

 このような歴史的背景から、明治維新前後には亀山社中等が海外交易商社を設立するとともに、香港上海銀行などの金融機関が業務を開始、近代化推進の代表的な牽引産業であった造船所が長崎に開設される一方、鉱山特に炭鉱が開発されて石炭などの鉱物資源が盛んに採掘され、開国以降の日本の産業近代化推進に大いに貢献しました。
 長崎には、日本の近代化に大きく貢献した貴重な財産が数多く埋もれているのです。

 今年は「長崎さるく博'06」が開催され、多くの観光客が長崎の歴史や人物そして建造物に関わるドラマを見聞し、感動を受けて帰られたことと思いますが、長崎の貴重な産業文化遺産にはもっとドラマチックな物語が隠されています。この産業遺産と物語を内外の皆様に発信できることを今年のテーマとし、研究、調査しているところです。


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