「長崎刺繍」再発見塾 塾長:嘉勢 路子


 


 平成15年度の活動は、塾生も1年目2年目合わせて26名となりました。コミュニティーセンターの和室2室を使っても全員で刺繍台を使っての活動はできませんが、カリキュラムを工夫しながら、そして塾生の熱意に支えられて実技習得ができました。この塾は刺繍実技の習得だけを目的とせず、広く「長崎刺繍」の現状を知り再発見をすることも塾の活動目的であり、今年は、西浜町の傘鉾のタレ「姑蘇十八景」をテーマとして取り組みました。まず、長崎市立博物館に展示されている長崎刺繍と姑蘇十八景の下絵を見学しました。その後、町の方のご理解とご協力を得て伝統芸能館に保管されている「姑蘇十八景」の実物を直接間近で見学することができました。塾生も自分で糸をより刺繍針を持つ体験を通して、刺繍に対する興味とそれを見る「眼」がずいぶんと違ってきました。
研修旅行では、大分県日田市豆田町を訪ね、古い刺繍や夏祭りの山鉾の飾りとして使われる見事な刺繍を見学しました。長崎と共通する天領という統治下の日田は、贅を尽くした品々が大切に保存され、受け継がれていました。他県の文化に触れることによって、より一層長崎の長崎らしさを実感することができました。


戻る