長崎陶芸復興塾 塾長:藤原 清一


 地元の焼き物「現川焼」を市民の手で賑やかに盛り上げたいとの目的でスタートした長崎陶芸復興塾。(仮称)歴史文化博物館ボランティア育成を目標に1年が過ぎました。土を触ることも初めてで何が出来るかロクロ任せだった塾生も、出来栄えはともかく、人に差し上げ喜んでもらえる器が作れるようになりました。
 この1年間を振り返ると、大物が作れるようになった人、薄くて歪みが少ない器が作れるようになった人、絵、刷毛目などが本当に上手い人など様々な塾生が育ちました。練習量の差や絵心など感性の差が作品に現れています。年明け初練習では、作った湯飲みでお茶会をしました。
重くても愛着がわく自分達の器で、お互いに褒めたり酷評したりしながらの楽しい一時を過ごしました。研修旅行は有田と唐津に行きました。技術の高い作品に沢山触れ、今までは何気なく見過ごしていた作品にも新たな感動を覚え、時間が足りないくらい見て回りました。往復のバスは楽しいゲームで盛り上がり親睦も図れたように思います。また、現川の山から掘り出した土で粘土作りをしました。汗をかいて掘った土は買った土より貴重なものに感じます。山の土は場所により焼くと色合いも違います。今年は、現川の幻の白土にも出会ってみたいです。
まだまだ、様々な研修過程で現川焼の奥の深さを実感します。今はまだ、現川焼門の入口に塾生が集団でたたずんでいるような状態ではないだろうか。今後も研修を重ね、先人作品の理解を深めていきながら、新たな色柄の現川焼も作ってみたいというような大きな夢も掲げて、ますます活動が盛り上がればと願っています。



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